ajsrestore
形式
ajsrestore [-F サービス名] [-b 退避情報ディレクトリ名] [-d 回復先ユニット名] [{-i|-e|-f}] [-t] [-S] -n 退避ボックス名 [退避ファイル名...]
機能
退避ボックスに退避したユニットを回復します。
実行権限
次に示すJP1権限レベルのどれかを与えられたユーザー
-
JP1_AJS_Admin権限
-
JP1_AJS_Manager権限
-
JP1_AJS_Editor権限
このコマンドは,Administrators権限(Windowsの場合),またはスーパーユーザー権限(UNIXの場合)を持つユーザーが使用することを推奨します。
引数
-F サービス名
処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
-b 退避情報ディレクトリ名
環境設定時に指定した退避情報ディレクトリ※と異なるディレクトリを使用する場合に,ディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
省略した場合,環境設定時に指定した退避情報ディレクトリ名※が仮定されます。
- 注※
-
環境設定パラメーターAJSBKUROOTに指定したディレクトリ名。
-d 回復先ユニット名
退避したユニットを回復する際に,回復先で使用するジョブグループ名,またはジョブネット名を指定します。
指定できる文字数は,1〜899(単位:バイト)です。
-i
回復先に,これから回復するユニットと同一名称のユニットがある場合に,メッセージおよび了解を求めるプロンプトを表示します。
-e
回復先に,これから回復するユニットと同一名称のユニットがある場合に,エラーとします。情報は更新されません。
-f
回復先に,これから回復するユニットと同一名称のユニットがある場合でも,強制的に更新します。
-t
退避ボックスに退避したユニット名の一覧を標準出力ファイルに出力します。
出力形式は,環境変数AJSDISPSUBUNITTYPEの設定によって切り替えができます。
-
ジョブグループ種別を出力する場合
環境変数AJSDISPSUBUNITTYPEにYESを指定します。
- 注
-
ジョブグループ種別が表示されるのは,退避ユニット種別がジョブグループの場合だけです。
-
ジョブグループ種別を出力しない場合
次のどちらかを選択します。
-
環境変数AJSDISPSUBUNITTYPEにNOを指定する。
-
環境変数AJSDISPSUBUNITTYPEに値を設定しない。
-
なお,環境変数AJSDISPSUBUNITTYPEの詳細については,「1.4.1 JP1/AJS3のコマンド実行時に使用される環境変数」の表1-5を参照してください。
-S
ジョブネットがサスペンド状態の場合,実行登録済みのジョブネットであっても,そのジョブネットにユニットを更新できるようにします。ただし,ジョブネットがサスペンド状態でも,次の場合は定義の更新は行えません。
-
ルートジョブネットの定義を更新する場合
-
ルートジョブネットの定義を含むジョブグループの定義を更新する場合
-
実行中のジョブネットの場合
-n 退避ボックス名
退避ボックス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜50(単位:バイト)です。
退避ボックスの名称は,OSのファイルシステムに依存します。OSがUNIXの場合,退避ボックス名の大文字・小文字は区別されます。OSがWindowsの場合,退避ボックス名の大文字・小文字は区別されません。
退避ファイル名
退避ボックスの中にある,回復したいファイル名を指定します。
指定できる値は,0001〜1024です。
退避ファイル名は複数指定できます。
省略すると,退避ボックスの中のすべての退避ファイルが回復されます。
注意事項
-
ユニットを回復できるのは,次のどちらかのユーザーです。
-
回復先のユニットに対して更新権限を与えられたユーザー。
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Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つOSユーザーにマッピングしたJP1ユーザー。
ただし,環境設定パラメーターADMACLIMITをデフォルトから変更して「yes」を設定している場合は,Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つOSユーザーにマッピングしたJP1ユーザーであっても,更新権限が必要です。
-
-
次の場合はユニットを回復できません。
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退避ボックス,および退避ファイルの両方に参照権限がない場合。
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回復先にユニットがない場合。
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ジョブネットの中にジョブグループを回復するなど,ありえない階層構造になる場合。
-
そのネスト数が許容最大数(デフォルトは30,環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「sjis」が設定されている場合は10)を超えるジョブグループや,ジョブネットの場合。
-
-
回復先に,これから回復するユニットと同一名称のユニットがある場合,そのユニットをあらかじめ削除したあと,回復することを推奨します。
-
実行登録済みのルートジョブネットや,そのルートジョブネットを含むジョブグループおよびプランニンググループを回復する場合は,回復する前に,ajsleaveコマンドで実行登録を解除しておいてください(実行登録された状態では,回復できません)。ただし,ルートジョブネット,そのルートジョブネットを含むジョブグループ,およびリモートジョブネット以外のユニットの場合,操作対象のジョブネットをサスペンド状態にしておき,このコマンドに-Sオプションを指定すれば,ジョブネットの実行登録を解除しなくても,回復できます(操作対象のユニットが実行中の場合,-Sオプションを指定しても回復できません)。
-
回復先ユニットに指定したジョブネットがサスペンド状態変更処理中の場合,このコマンドは異常終了します。
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ジョブネットの中にプランニンググループを回復できません。
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プランニンググループの中にはジョブネット,リモートジョブネット以外のユニットを回復できません。
戻り値
0 |
正常終了。 |
4〜124で4の倍数値 |
異常終了。 |
補足事項
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退避ファイル名を省略した場合,退避ファイルを作成した順で回復されます。
-
回復したユニットの,JP1/AJS3 - Viewの[ジョブネットエディタ]ウィンドウでの表示位置は自動的に決まります。ただし,同一名称のユニットは,回復前と同じ位置になります。
使用例1
退避ボックス(BOX1)に退避したすべての退避ファイルをジョブグループ(/資材部/出庫管理)に回復します。回復先に,これから回復するユニットと同一名称のユニットがありますが,強制的に回復します。
ajsrestore -f -d /資材部/出庫管理 -n BOX1
使用例2
退避ボックス(BOX1)に退避したユニット一覧を出力します(ジョブネットの場合)。
ajsrestore -t -n BOX1
- 出力例
0001:/資材部:テンプレート:g 0002:/資材部/出庫管理:出庫伝票作成:n
使用例3
退避ボックス(BOX1)に退避したユニット一覧を出力します(ジョブネットコネクタの場合)。
ajsrestore -t -n BOX1
- 出力例
0001:/資材部:テンプレート:g 0002:/資材部/出庫管理/出庫伝票作成:ジョブネット実行待ち:nc