ajsrerun
形式
ajsrerun [-F サービス名] [-B 実行登録番号] [{-t|-s|-n|-a|-w|-f|-p|-e}] [-h] [-c] [-rr [-rn リトライ回数] [-ri リトライ間隔]] [-R] [-E] [-T] [-N|-J] [-X {yes|no|auto}] ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名...
機能
ジョブネットを再実行します(再実行を指示すると,ジョブネットはすぐに実行されます)。なお,ジョブネットやジョブを保留状態にしたあと,再実行することもできます。
実行権限
次に示すJP1権限レベルのどれかを与えられたユーザー
-
JP1_AJS_Admin権限
-
JP1_AJS_Manager権限
-
JP1_AJS_Operator権限
引数
-F サービス名
処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
-B 実行登録番号
再実行するジョブネットの実行登録番号を「YYYYMMDDNNN」の形式で指定します。「YYYYMMDDNNN」の内容を次に示します。
YYYY:実行年
MM:実行月
DD:実行日
NNN:実行年月日の実行登録順序番号
実行登録番号の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 4.5.13 コマンド実行時の世代の指定方法」を参照してください。
-t
ジョブネットを先頭から再実行します。
正常終了したジョブネットや,警告終了したジョブネットも再実行できます。
このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。
-s
異常終了したジョブを直下に含むジョブネットから再実行します。
このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。
-n
異常終了したジョブの次のジョブから再実行します。
ただし,関連線で接続されているユニットの中で,最初に異常終了したユニットが,「未実行終了」状態や「繰り越し未実行」状態の場合は,それらのユニットも再実行します。
このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。
-a
異常終了したジョブから再実行します。
このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。
-w
警告検出終了しているジョブを再実行します。
以前に警告検出終了したジョブを再実行した際にそのジョブが異常終了した場合でも,警告検出終了ジョブだけを再実行できます(例えば,ジョブAが警告終了したため,ジョブAを再実行(1度目)したとします。1度目の再実行でジョブAが異常終了した場合でも,-wオプションを指定すれば,ジョブAを再実行(2度目)できます)。
このオプションはルートジョブネットだけに指定できます。
-f
指定したジョブネット,またはジョブから再実行します。
-p
指定したジョブネット,またはジョブを再実行します。
-e
指定したジョブネット,またはジョブの次から再実行します。
このオプションはルートジョブネットには指定できません。-hオプションと同時には指定できません。
-h
再実行するジョブ,またはジョブネットを一時的に保留状態にしたあと,再実行します。
このオプションはジョブネットコネクタには指定できません。-eオプションと同時には指定できません。
-c
異常状態の先行ジョブや先行ジョブネットを警告検出終了にしたあと,再実行します。
-rr
対象ユニットが終了状態でない場合で,再実行をリトライするときに指定します。このオプションは,ユニットが異常終了した場合に,異常終了したユニットの後続ユニットに対してajsrerunコマンドをすぐに実行するときに使用します。
ユニットを複数指定した場合,一つずつリトライし,リトライが終わってから,次のユニットを処理します。
ルートジョブネットを指定した場合,このコマンドは異常終了します。
また,対象ユニットのルートジョブネットがサスペンド中など,ユニットの状態以外の要因で再実行できない場合は,リトライしません。
再実行の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 4.5.11 実行が終了したジョブネットやジョブを再実行する」を参照してください。また,-rrオプションの使用例については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 2.4.6 ジョブが異常終了したときに特定の処理を実行する(リカバリーユニットを使ったジョブネットの定義例)」を参照してください。
-rn リトライ回数
リトライ回数を指定します。指定できる値は,1〜10(単位:回)です。
このオプションは,-rrオプションと同時に指定します。省略した場合は6が仮定されます。
-ri リトライ間隔
リトライ間隔を指定します。指定できる値は,2〜60(単位:秒)です。
このオプションは,-rrオプションと同時に指定します。省略した場合は10が仮定されます。
-R
指定したユニットに含まれるすべてのジョブネットおよびジョブを再実行します。
このオプションを,-E,-Tオプションと同時に指定した場合,各オプションの指定内容に従って,ジョブネットおよびジョブを再実行します。
-E
実行登録済みのジョブネットを再実行します。
-T
ルートジョブネットを再実行します。
-N
ジョブネットから再実行します。
-J
ジョブから再実行します。
-X {yes|no|auto}
プランニンググループの下にあるユニットの中から,現在運用中のユニットを自動的に選択して操作するかどうかを指定します。ただし,ジョブグループの下にあるユニットに対しては,どの値を指定しても自動的に選択しません。また,ルートジョブネット名も省略できません。
-
yes
自動的に選択して操作する場合に指定します。
コマンドに指定するユニット名は,プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定します。
-
no
自動的に選択して操作しない場合に指定します。
指定したユニットに対して操作します。プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定することはできません。
-
auto
ユニット名の指定方法に従って,自動的に選択して操作するかしないかを決定する場合に指定します。
-
自動的に選択して操作する場合
プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略してユニット名を指定します。
-
自動的に選択して操作しない場合
プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略しないでユニット名を指定します。この場合,指定したユニットが操作対象になります。ただし,プランニンググループの下のルートジョブネット名を省略して指定したパス名と同じ名称のユニットがある場合,省略したものとして扱われ,操作対象のユニットが自動選択されます。
-
ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名
再実行するジョブ名,ジョブネット名,または-R,-E,-Tオプションと同時にジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名を指定します。
指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。
ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名は複数指定できます。なお,マネージャージョブグループ名とマネージャージョブネット名は指定できません。
ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名に,論理ホスト名および実行IDを指定できます。ただし,実行IDを指定した場合,-Bオプションは無効になります。実行IDの指定方法については,「1.1 コマンドの記述形式」を参照してください。
注意事項
-
ジョブネットを再実行できるのは,次のどちらかのユーザーです。
-
再実行するジョブネットに含まれるすべてのユニットを定義したときに,または属性を変更したときに,操作権限を与えられたユーザー
-
Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つOSユーザーにマッピングしたJP1ユーザー
ただし,環境設定パラメーターADMACLIMITをデフォルトから変更して「yes」を設定している場合は,Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つOSユーザーにマッピングしたJP1ユーザーであっても,操作権限が必要です。
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-
スケジューラーサービスが起動していない場合,このコマンドは異常終了します。
-
次の場合,-f,-p,または-eオプションを指定して再実行しようとすると,このコマンドは異常終了します。
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ルートジョブネットが保留中,開始時刻待ちの場合
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ネストジョブネットやジョブが実行中,異常検出実行中,警告検出実行中,保留中,開始時刻待ち,先行終了待ち,未計画,キューイング,実行待ちの場合
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ネストジョブネットやジョブの上位ジョブネットにスケジュールがない場合
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-
ジョブネットの実行中に,-fまたは-eオプションを指定してジョブネットやジョブを再実行する場合,再実行開始点が実行中のジョブより前にあるとき,実行中のジョブは2回実行されます。
-
再実行しようとしたジョブが判定ジョブの場合,このコマンドは異常終了します。
-
再実行しようとしたジョブが従属ジョブの場合,環境設定パラメーターRERUNSUBORDINATEに「no」が設定されていると,このコマンドは異常終了します。環境設定パラメーターRERUNSUBORDINATEの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(106) RERUNSUBORDINATE」を参照してください。
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リモートジョブネット下のユニットに対しては,操作できません。
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再実行しようとしたジョブネット,ジョブがサスペンド状態の場合,このコマンドは異常終了します。
-
プランニンググループの下にあるユニットの中から操作するユニットを自動的に選択する指定をした場合に,自動的に選択されたユニットに操作権限がないと,エラーになります。
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-Xオプションが省略された場合,環境変数AJSAUTOJUDGEの指定値に従って,プランニンググループの下にあるユニットの操作対象が決定されます。
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プランニンググループの下にあるユニット名の指定方法については,「3. 通常の運用で使用するコマンド ajsplan」の「補足事項」を参照してください。
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-t,-s,-n,-w,-f,-p,-eオプションを指定しなかった場合,-aオプションが指定されたものとして処理されます。
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-s,-n,-aオプションを指定した場合,次の状態を異常終了として扱います。
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異常検出終了
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未実行終了
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中断
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強制終了
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順序不正
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起動失敗
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終了状態不明
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繰り越し未実行
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起動条件の監視が終了して監視中が次の状態になるとき,ルートジョブネット配下のユニットの状態は,「未実行終了」となります。
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監視未起動終了
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監視打ち切り終了
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監視正常終了
「未実行終了」は異常終了として扱われるため,上記の状態の世代に対して再実行する場合は注意してください。
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-
判定ジョブの結果で,ルートジョブネットや先行ユニットを再実行する場合は,注意が必要です。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 2.4.3 先行ジョブの結果でそのあとの処理を動的に変える(判定ジョブを使ったジョブネットの定義例)」を参照してください。
戻り値
0 |
正常終了。 |
4〜124で4の倍数値 |
異常終了。 |
補足事項
前日以前に実行が終了しているジョブネットを再実行すると,前回の実行日時点でのスケジュール情報で再実行されます。例を挙げて説明します。
- (例)
-
毎日実行するジョブネット「A」と,金曜日だけに実行するジョブネット「B」を,一つのジョブネット「X」として運用している。
木曜日にジョブネット「A」が異常終了したため,金曜日にジョブネット「A」を再実行することにした。
この例の場合,金曜日に実行されるのはジョブネット「A」だけです。再実行する日は金曜日ですが,前回の実行日時点での定義情報(つまり,木曜日の定義情報)で再実行されるため,金曜日だけに実行するようにスケジュールされているジョブネット「B」は実行されません。
使用例
ajsintrptコマンドなどで実行を中断したジョブネット(net1)を,先頭から再実行します。
ajsrerun -t net1