ajsrelease
形式
ajsrelease [-F サービス名] {-a リリース先ルートジョブネット名 -rid リリースID [-rcm リリースコメント] -rdy リリース日付 [-rti リリース時刻] -ru リリース元ルートジョブネット名 | -c リリース先ルートジョブネット名 | -i リリース先ルートジョブネット名...}
形式1(リリース登録)
ajsrelease [-F サービス名] -a リリース先ルートジョブネット名 -rid リリースID [-rcm リリースコメント] -rdy リリース日付 [-rti リリース時刻] -ru リリース元ルートジョブネット名
形式2(リリース中止)
ajsrelease [-F サービス名] -c リリース先ルートジョブネット名
形式3(リリース情報の出力)
ajsrelease [-F サービス名] -i リリース先ルートジョブネット名...
機能
ルートジョブネットに対して,次の操作をします。
-
リリース登録
ジョブネットの定義を切り替える日時と,切り替える定義内容を登録します。
-
リリース中止
リリース登録したジョブネットの定義内容の切り替えを中止します。
-
リリース情報の出力
リリース情報を出力します。
上位ユニット属性継承機能を設定したジョブネットをリリース先としてリリース登録した場合,リリース登録したジョブネット定義の所有者やJP1資源グループは,上位ユニット属性継承機能によって設定されます。上位ユニット属性継承機能の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 6.4.1(4)(a) 上位ユニット属性継承機能の概要」を参照してください。
実行権限
次に示すJP1権限レベルのどれかを与えられたユーザー
- リリース登録およびリリース中止の場合
-
-
JP1_AJS_Admin権限
-
JP1_AJS_Manager権限
-
JP1_AJS_Editor権限およびJP1_AJS_Operator権限
-
- リリース情報の出力の場合
-
-
JP1_AJS_Admin権限
-
JP1_AJS_Manager権限
-
JP1_AJS_Editor権限
-
JP1_AJS_Operator権限
-
JP1_AJS_Guest権限
-
引数
-F サービス名
操作の対象となるルートジョブネット(リリース先ルートジョブネット)が定義されているスケジューラーサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
-a リリース先ルートジョブネット名
リリース登録する場合に指定します。
定義の切り替え先となるルートジョブネットを,リリース先ルートジョブネットとして完全名で指定します。
指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。
リリース先のルートジョブネットに「リリース待ち」状態,「削除待ち」状態,または「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義がない場合に指定できます。
指定したルートジョブネットがない場合には,エラーになります。また,次に示すルートジョブネットは指定できません。
-
プランニンググループ配下のルートジョブネット
-
リモートジョブネット
-
リカバリージョブネット
-
マネージャージョブネット
-c リリース先ルートジョブネット名
リリース登録したジョブネット定義への切り替えを中止する場合に指定します。
中止の対象となるルートジョブネットを完全名で指定します。
指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。
このオプションを指定すると,「リリース待ち」状態,「削除待ち」状態,および「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義が削除されます。
-i
ルートジョブネットのリリース情報を出力します。
リリース情報として出力されるのは,「適用中」状態,「リリース待ち」状態,「削除待ち」状態,および「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義の情報です。それ以外の状態のリリース情報は出力されません。
-rid リリースID
操作の対象となるルートジョブネット(リリース先ルートジョブネット)定義のリリースIDを指定します。指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-aオプションを指定した場合は,必ず指定してください。
なお,次のリリースIDは指定できません。
-
操作の対象となるリリース先ジョブネットに存在するリリースID
-
先頭が半角英字の「AJS」(大文字)で始まるリリースID
-
次の文字を含むリリースID
「(」「)」「,」「/」「:」「;」「=」「"」「&」「'」「*」「<」「>」「?」「[」「\」「]」「^」「`」「{」「|」「}」「~」「‘」,半角スペース,タブ文字,改行文字
-cおよび-iオプションとは同時に指定できません。
-rcm リリースコメント
リリース登録する際のコメントを指定します。
指定できる文字数は,1〜80(単位:バイト)です。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-cおよび-iオプションと同時には指定できません。
省略した場合,リリースコメントは登録されません。
-rdy リリース日付
ジョブネット定義を切り替える(リリースする)日付を「YYYY/MM/DD」の形式で指定します。
指定できる値は,1994/01/01〜環境設定パラメーターSCHEDULELIMITに設定した西暦年/12/31です。環境設定パラメーターSCHEDULELIMITの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(123) SCHEDULELIMIT」を参照してください。
このオプションは,-aオプションを指定した場合は,必ず指定してください。
-cおよび-iオプションとは同時に指定できません。
過去の日時を指定するとエラーになります。また,すでにリリース登録されたジョブネット定義のリリース日時と同じ日時を指定した場合は,エラーになります。
-rti リリース時刻
ジョブネット定義を切り替える(リリースする)時刻を「HH:MM」の形式で指定します。
指定できる値は,00:00〜23:59です。省略した場合は,00:00が仮定されます。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-cおよび-iオプションと同時には指定できません。
過去の日時を指定するとエラーになります。
-ru リリース元ルートジョブネット名
定義の切り替え元のルートジョブネットを,リリース元ルートジョブネットとして完全名で指定します。
指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。
次に示すルートジョブネットは指定できません。
-
リリース登録されたルートジョブネット
-
プランニンググループ配下のルートジョブネット
-
リモートジョブネット
-
リカバリージョブネット
-
マネージャージョブネット
-aオプションを指定した場合は,必ず指定してください。
-cおよび-iオプションとは同時に指定できません。
リリース先ルートジョブネット名...
操作の対象となるルートジョブネットを指定します。
複数ユニットの指定および総称指定ができます。
論理ホスト名やサービス名,実行IDを含んだ指定はできません。
指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。
-iオプションを指定した場合に指定します。
-aおよび-cオプションとは同時に指定できません。
注意事項
-
リリース登録およびリリース中止できるのは,次のどちらかのユーザーです。
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リリース対象のユニットに対して,操作権限および更新権限を与えられたユーザー。
-
Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つOSユーザーにマッピングしたJP1ユーザー。
ただし,環境設定パラメーターADMACLIMITをデフォルトから変更して「yes」を設定している場合は,Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つOSユーザーにマッピングしたJP1ユーザーであっても,操作権限および更新権限が必要です。
-
-
リリース情報を出力できるのは,次のどちらかのユーザーです。
-
出力対象のユニットに対して,参照権限を与えられたユーザー。
-
Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つOSユーザーにマッピングしたJP1ユーザー。
ただし,環境設定パラメーターADMACLIMITをデフォルトから変更して「yes」を設定している場合は,Administrators権限またはスーパーユーザー権限を持つOSユーザーにマッピングしたJP1ユーザーであっても,参照権限が必要です。
-
リリース登録する場合の注意事項
-
リリース日時以降にスケジュールがあるジョブネットのうち,期間指定や日付指定で確定実行登録をしているジョブネットは,リリース先に指定できません。この場合,リリース日時以降のスケジュールを登録解除するか,または実行中止してからリリース登録してください。ただし,未来世代数指定の確定実行登録と併用している場合は,リリース日時以降にスケジュールがあってもリリース登録できます。
-
スケジューラーサービスが異なるジョブネット間では,ジョブネットリリース機能を使用できません。
-
次のジョブネットはリリース元に指定できません。
-
すでにリリース先に指定されているジョブネット
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サスペンドされているジョブネット
-
編集中のジョブネット
-
ほかのユーザーが操作しているジョブネット
-
ジョブネットコネクタ,接続先のジョブネット,および起動条件(.CONDITION)のうちのどれか二つ以上が定義されているジョブネット
-
-
次のジョブネットはリリース先に指定できません。
-
サスペンドされているジョブネット
-
「閉塞」状態のジョブネット
-
編集中のジョブネット
-
ほかのユーザーが操作しているジョブネット
ただし,ほかのユーザーの操作が,「適用中」状態のジョブネット配下のユニットを対象にした保留属性の設定または解除の場合は,リリース先に指定できます。
-
ジョブネットコネクタ,接続先のジョブネット,および起動条件(.CONDITION)のうちのどれか二つ以上が定義されているジョブネット
-
-
「リリース待ち」状態,「削除待ち」状態,または「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義を持つジョブネットは,リリース先ジョブネットとして指定できません。「リリース待ち」状態のジョブネット定義がある場合,新しいリリース登録は,ジョブネットが「適用中」状態になってから実施してください。「削除待ち」状態または「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義がある場合は,「削除待ち」状態または「リリース登録待ち」状態のジョブネット定義をリリース中止したあとでリリース登録してください。
-
リリース登録する場合には,スケジューラーサービスが起動されている必要があります。
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リリース登録によって掛かるシステムへの負荷は,リリース元ジョブネットを定義する場合と同等か,それ以上です。リリース登録は,ジョブ実行のピーク時を避けて実行してください。
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リリース登録すると,リリース登録したジョブネットの定義を基にリリース日時以降の世代が生成し直されます。そのため,リリース登録する前に計画一時変更の操作をしても,リリース日時以降の世代には引き継がれません。ただし,実行登録時に指定したマクロ変数やJP1ユーザーなどの情報は引き継がれます。
リリース登録する前の計画一時変更の操作を,リリース日時以降の世代に反映させたい場合は,一時変更の再操作機能を使って,リリース登録前に実行した操作を再反映してください。一時変更の再操作機能については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 4.5.16 ジョブネットやジョブの一時変更の操作情報を確認・再操作する」を参照してください。
-
スケジュール定義上,次回の実行予定世代が作成されないジョブネットの定義をリリース登録しても,その定義から実行予定世代は作成されません。そのため,リリース登録したジョブネットの定義から正しく実行予定世代が作成されているかどうか,JP1/AJS3 - Viewまたはajsshowコマンドで確認してください。実行予定世代が作成されていない場合は,リリース中止したあとでリリース元ジョブネットの定義内容を見直し,再度リリース登録してください。
-
確定実行登録をしていて,指定するリリース日時以降にだけ世代がある場合,スケジュール定義上,次回の実行予定世代が作成されないジョブネットの定義をリリース登録すると,未登録状態に戻ります。この場合,リリース中止してリリース元ジョブネットの定義内容を見直したあとで,再度リリース登録および実行登録してください。
-
「リリース待ち」状態のジョブネット定義を変更したい場合は,一度リリース中止して定義を変更してから,再度リリース登録してください。「適用中」状態のジョブネット定義を変更したい場合は,ジョブネットをサスペンドして定義を変更してください。
-
リリース登録に失敗すると,ジョブネット定義が「リリース登録待ち」状態のままになり,リリース登録されません。そのため,リリース登録したときは,リリースしたジョブネット定義のリリース状態が「リリース登録待ち」状態から「適用中」状態または「リリース待ち」状態に遷移することを確認してください。リリース登録に失敗して残った「リリース登録待ち」状態の定義は,リリース中止することで削除できます。
-
リリース登録によって,リリース先のユニットのJP1資源グループを変更することは推奨しません。リリース登録によってJP1資源グループを変更した場合,リリース後でも,リリース前のユニットにアクセスできるJP1ユーザーでコマンドおよびJP1/AJS3 - Viewを操作する必要があります。
リリース中止する場合の注意事項
-
リリース中止するルートジョブネットが,ほかのユーザーによって操作されている場合はリリース中止できません。
-
リリース中止するルートジョブネットがサスペンドされた状態の場合は,リリース中止できません。サスペンドを解除してからリリース中止してください。
-
リリース中止するルートジョブネットが閉塞状態の場合は,リリース中止できません。ルートジョブネットを登録解除してからリリース中止してください。
-
リリース中止するには,スケジューラーサービスが起動されている必要があります。
-
リリース中止によって掛かるシステムへの負荷は,リリース情報のジョブネットの定義内容を削除する場合と同等か,それ以上です。リリース中止は,ジョブ実行のピーク時を避けて実行してください。
-
リリース中止すると,リリース中止後に「適用中」状態になるジョブネットの定義を基に世代が生成し直されます。そのため,リリース中止する前に計画一時変更の操作をしても,リリース中止後のジョブネットには引き継がれません。ただし,実行登録時に指定したマクロ変数やJP1ユーザーなどの情報は引き継がれます。
-
リリース中止したあと「適用中」状態になるジョブネットの定義上,次回の実行予定世代が作成されない場合,その定義から実行予定世代は作成されません。そのため,リリース中止したあとで,正しく実行予定世代が作成されているかどうか,JP1/AJS3 - Viewまたはajsshowコマンドで確認してください。実行予定世代が作成されていない場合は,「適用中」状態のジョブネットの定義内容を見直してください。
-
確定実行登録をしていて,リリース中止するジョブネットの定義にだけ世代がある場合で,リリース中止したあとに「適用中」状態になるジョブネットの定義上,次回の実行予定世代が作成されないときは,未登録状態に戻ります。リリース中止したあとで「適用中」状態になるジョブネットの定義内容を見直したあと,再度実行登録してください。
-
次のジョブネットはリリース中止できません。
-
サスペンドされているジョブネット
-
「閉塞」状態のジョブネット
-
編集中のジョブネット
-
ほかのユーザーが操作しているジョブネット
ただし,ほかのユーザーの操作が,「適用中」状態のジョブネット配下のユニットを対象にした保留属性の設定または解除の場合は,リリース中止できます。
-
リリース情報を出力する場合の注意事項
-
出力情報から情報を切り出す場合,固定バイトでの切り出しではなく,スペースを区切り文字として情報の切り出しをしてください。
戻り値
0 |
正常終了。 |
4〜124で4の倍数値 |
異常終了。 |
使用例1
2009年8月10日20時からジョブネット「テスト環境/Rel001」の定義が,「/本番環境/unit001/」の内容に切り替わるようにリリースIDを「001」としてリリース登録します。
ajsrelease -F AJSROOT1 -a /本番環境/unit001 -rid 001 -rcm 2009/08/10 リリース定義 -rdy 2009/08/10 -rti 20:00 -ru /テスト環境/Rel001
使用例2
リリース登録されたルートジョブネットの定義内容「/本番環境/unit001」のリリースを中止します。
ajsrelease -F AJSROOT1 -c /本番環境/unit001
使用例3
ルートジョブネット「/本番環境/unit001」のリリース情報を表示します。
ajsrelease -F AJSROOT1 -i /本番環境/unit001
出力例
-iオプションを指定した場合の出力例と出力内容の意味を次に示します。
出力内容の意味を次に示します。
- 上位ジョブグループ名
-
上位ジョブグループ名を示します。
- ユニット名
-
ユニット名を示します。
- リリースID
-
リリースIDを示します。
- リリース日時
-
リリース日時を「YYYY/MM/DD HH:MM」の形式で示します。
- リリース状態
-
次のリリース状態を示します。
-
リリース待ち:
リリース日時を待っている状態を示します。
-
適用中:
リリース登録したジョブネット定義が適用されている状態を示します。
-
削除待ち:
リリース中止に失敗した定義がある状態を示します。
-
リリース登録待ち:
リリース登録に失敗した定義がある状態を示します。または,リリース登録してから「リリース待ち」状態になるまでの一時的な状態を示します。
-
- リリースコメント
-
リリース登録時のコメントを示します。
- リリース元ユニット名
-
リリース元ユニット名を示します。