1.4.2 JP1/AJS3から実行されるジョブ実行時に設定される環境変数
ジョブ実行時に設定される環境変数を次の表に示します。
- 注
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記載されている環境変数は,ジョブ定義時に環境変数として使用することはできません。また,環境変数ファイルとして指定するファイル内で使用することもできません。
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AIXの場合は,/etc/environmentの情報は引き継がれません。
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大文字・小文字にかかわらず,「JP1」,「AJS」,および「AJS2」から始まる環境変数は使用しないでください。フレキシブルジョブの場合は,大文字・小文字にかかわらず,「JP1」,「AJS」,「AJS2」,および「AS_」から始まる環境変数は使用しないでください。
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環境変数TZはジョブ実行時には設定されません。
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「AJS」で始まる環境変数は,ジョブネットからジョブを登録した場合だけ設定されます。サブミットジョブには設定されません。
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- 注※1
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フレキシブルジョブの場合は設定されません。
- 注※2
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- UNIXの場合
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ジョブの詳細定義の[実行先サービス]に[標準]を指定した場合
jajs_spmdコマンドの-hオプションに指定した論理ホスト名が設定されます。
-hオプションを省略した場合は,環境変数JP1_HOSTNAMEの値が設定されていれば,論理ホストとして値が引き継がれます。物理ホストの場合は,何も設定されません。
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ジョブの詳細定義の[実行先サービス]に[キューレス]を指定した場合
ジョブの実行先ホストが論理ホストであれば,ジョブの詳細定義の[実行エージェント]に指定された値を設定します。ジョブの実行先ホストが物理ホストであれば,何も設定されません。
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- Windowsの場合
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ジョブの詳細定義の[実行先サービス]に[標準]を指定した場合
論理ホストの場合は,JP1/AJS3サービス起動時に環境変数JP1_HOSTNAMEに論理ホスト名を設定します。物理ホストの場合は,何も設定されません。
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ジョブの詳細定義の[実行先サービス]に[キューレス]を指定した場合
ジョブの実行先ホストが論理ホストであれば,ジョブの詳細定義の[実行エージェント]に指定された値を設定します。ジョブの実行先ホストが物理ホストであれば,何も設定されません。
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- 注※3
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[コマンド文]を指定している場合,[スクリプトファイル名]に指定したスクリプトファイルの先頭行にシェルが記述されていても有効になりません。
- 注※4
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JP1/AJS3からジョブを起動した場合,JP1/AJS3が明示的に環境変数PATHに「/bin:/usr/bin」を設定しています。それ以外の値を設定したい場合はジョブ定義時に指定したコマンドやスクリプトファイルでの定義,またはローカルログインスクリプトでの定義で設定するようにしてください。
- 注※5
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実行先サービスが[キューレス]のジョブの場合は,キューレスエージェントサービス起動時の環境変数の値が設定されます。
- 注※6
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フレキシブルジョブの場合は,JP1/AJS3 Autonomous Agentサービス起動時の環境変数の値が設定されます。
環境変数には,JP1/AJS3で設定されるもの(表1-6の環境変数,ジョブ定義時に指定した環境変数,ジョブ定義時に環境変数ファイルとして指定したファイル内の環境変数)のほかに,ジョブ定義時に指定したコマンド文やスクリプトファイル,ローカルログインスクリプト,システムログインスクリプトにも設定できます。
なお,環境変数TZのように,ジョブ実行時に設定されない環境変数を設定したい場合は,次に示すどれかに設定してください。これらの中で同じ環境変数があった場合,次に示す優先順位に従って有効になります(優先順位がいちばん高いのは1です)。
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Windowsの場合
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環境変数※1に指定した環境変数
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環境変数ファイル※2に指定した環境変数
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システム環境変数
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UNIXの場合
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ジョブ定義時に指定したコマンドやスクリプトファイルでの定義
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ローカルログインスクリプトでの定義
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システムログインスクリプトでの定義
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環境変数※1に指定した環境変数
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環境変数ファイル※2に指定した環境変数
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キューレスエージェントサービス起動時の環境変数※3
- 注※1
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JP1/AJS3 - Viewの画面の環境変数に指定した変数,またはjpqjobsubコマンドの-envオプションに指定した変数
- 注※2
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JP1/AJS3 - Viewの画面の環境変数ファイルに指定した変数,またはjpqjobsubコマンドの-evオプションに指定した変数ファイル
- 注※3
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実行先サービスが[キューレス]のジョブの場合だけ該当します。
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- 注意事項
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Windowsの場合,ジョブの実行時にシステム環境変数が有効になりますが,ユーザー環境変数は有効になりません。ただし,JP1/AJS3サービスの起動アカウントをシステムアカウントからユーザーアカウントに変更した場合,ジョブ実行時にJP1/AJS3サービスの起動アカウントのユーザー環境変数が有効になります。
また,クラスタシステムをセットアップした論理ホストでは,システム起動時にフェールオーバークラスタ※がユーザー環境変数を読み込みます。フェールオーバークラスタから起動した論理ホストのJP1/AJS3サービスでは,ユーザー環境変数が有効になり,ジョブ実行時にもユーザー環境変数が使用されます。
なお,JP1/AJS3サービス起動時に読み込まれる環境変数には,システム環境変数のほかにOSが起動するときに設定する環境変数も含まれます。
- 注※
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フェールオーバークラスタ以外のクラスタソフトについては仕様を確認してください。