7.10.2 カスタムイベントジョブを実行したままサービスを再起動する場合の注意事項
カスタムイベントジョブ(起動条件に設定しているものを含む)を実行したまま,次のような操作を行った場合,スケジュール制御とイベント・アクション制御間では,実行中のカスタムイベントジョブについて互いの管理状態の整合性を取るための通信,および関連の処理をします。そのため,カスタムイベントジョブが大量に「実行中」状態だった場合は,それらの処理量が多くなり,高い負荷が掛かった状態になります。
- 高負荷状態になるような操作
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スケジューラーサービスを停止し,ウォームスタートまたはホットスタートする。
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マネージャーホストのJP1/AJS3サービスを停止し,ウォームスタートまたはホットスタートする。
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エージェントホストのJP1/AJS3サービスを停止し,再起動する。
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jajs_maintainコマンドを実行する。
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高負荷状態になるのを回避するには,次のように操作してください。
- 回避方法
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上記の操作を行う前にカスタムイベントジョブを使用したジョブネットを強制終了し,上記操作後に実行登録し直す。
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上記の操作を行う前にカスタムイベントジョブを強制終了し,上記操作後に再実行する。
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上記の操作後は,30分〜1時間程度の時間をおいてからジョブを操作する。
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上記の操作後は,30分〜1時間程度の時間をおいてから監視対象イベントが発生するようにする。
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なお,高負荷状態になると,次のような現象が発生することがあります。
- 高負荷状態によって発生する現象
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上記の操作直後に実行登録したカスタムイベントジョブ(起動条件に設定しているものを含む)が「実行中」状態になるまでに長時間掛かる。※1
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「実行中」状態のカスタムイベントジョブや,「監視中」状態の起動条件付きジョブネットを強制終了しても,終了するまでに長時間掛かる。※1
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「実行中」状態のカスタムイベントジョブの状態を変更しても,状態が変わるまでに長時間掛かる。※1
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監視条件が成立しても,イベントを検知するまでに長時間掛かる。※1
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上記の操作直後に実行登録したカスタムイベントジョブ(起動条件に設定しているものを含む)が「キューイング」状態のままとなる。※2
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「実行中」状態のカスタムイベントジョブや,「監視中」状態の起動条件付きジョブネットを強制終了しても,終了しない。※2
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監視条件が成立しても,イベントを検知しない。※2
- 注※1
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現象1〜4は,イベント・アクション制御の制限値に近い状態で高負荷状態になる操作をすると発生するおそれがあります。イベント・アクション制御の制限値については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 付録B.8 イベント・アクション制御の制限値」を参照してください。
- 注※2
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現象5〜7は,イベント・アクション制御の制限値を超えた状態で高負荷状態になる操作をすると発生するおそれがあります。イベント・アクション制御の制限値については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 付録B.8 イベント・アクション制御の制限値」を参照してください。
カスタムイベントジョブを大量に実行したまま高負荷状態になる操作をすると,スケジューラー制御とイベント・アクション制御の間で大量の通信が発生し,通信エラー時のリトライに備えて生成・管理する未通知情報の数が増加します。保持できる未通知情報には上限が設けてあります。これは,未通知情報を上限なく保持してしまうと,その処理による高負荷が生じてほかの処理ができなくなり,ジョブの実行やイベントの検知の遅れが発生するためです。保持できる未通知情報の上限を超過した場合は,古いものから破棄されます。結果として,破棄された未通知情報の内容によって,現象5〜7のどれかが発生します。
なお,JP1/AJS3では未通知情報の数の上限は公開していません。高負荷状態になる操作によって発生する未通知情報の数からイベント・アクション制御の制限値を算出しています。制限値を超えないように運用してください。
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上記の現象が発生した場合は,次の回復策を実施してください。
- 回復方法
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- 現象1〜4の場合
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処理が終わるまで待ってください。ジョブ数にもよりますが,目安としては30分〜1時間程度掛かります。
- 現象5の場合
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該当のカスタムイベントジョブまたはジョブネットを強制終了し,実行登録し直してください。
- 現象6の場合
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カスタムイベントジョブの場合は,状態変更して終了させてください。起動条件付きジョブネットの場合は,再度,強制終了してください。
- 現象7の場合
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該当のカスタムイベントジョブまたは起動条件付きジョブネットを強制終了し,実行登録し直してください。そのあと,再度イベントを発生させてください。