7.7.1 JP1イベント送信ジョブの注意事項
JP1イベント送信ジョブの注意事項(使用する前に知っておいた方がよいこと)について説明します。送信するJP1イベントには,重大度,イベントID,および送信先ホスト名を指定します。JP1イベントを送信したあと,送信したJP1イベントが送信先ホストのイベントサーバに到達したかどうかを確認することもできます。送信先ホストには,JP1/Baseが必要です。
- 重要
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JP1イベント送信ジョブを実行する前に,送信元と送信先で,JP1/Baseイベントサービスを起動しておいてください。
JP1イベント送信ジョブを使ったジョブネットの例を次に示します。
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あるジョブが異常終了したときにJP1イベントを送信する。別のジョブネットに,そのJP1イベントを受信したらジョブネットを起動するように起動条件を定義しておき,ジョブが異常終了したときだけジョブネットを起動する。
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ジョブが終了したらJP1イベントをJP1/IM - Managerがインストールされたサーバに送信するように定義しておき,送信したJP1イベントをJP1/IM - Viewで確認する。
- 注意事項
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JP1イベントの到達確認は,送信したイベントが送信先イベントサーバへ到達したことを確認できるまで待つ機能であり,送信失敗時にリトライを行う機能ではありません。そのため,送信先のイベントサービスが停止している状態でイベント送信ジョブを実行した場合,「確認間隔」,「確認回数」の指定有無に関係なく,すぐに終了します。
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JP1イベントの到達確認をしない場合は,次に示すイベントサーバをイベント送信先ホスト名に指定してもエラーにはなりません。
・JP1/Baseのイベントサーバとして定義されていないイベントサーバ
・起動していないイベントサーバ
・ネットワーク障害などで,JP1イベントが届かないイベントサーバ
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イベント送信先ホスト名に自ホスト以外のホスト名を指定して送信したJP1イベントは,自ホストのイベントサーバからは取得できません。
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イベント送信先ホスト名を指定して,JP1イベントを他ホストのイベントサーバに送信する場合,JP1/Baseのイベントサーバ設定ファイル(conf)で設定した「forward-limit」によるリトライの対象にはなりません。
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イベント送信先ホスト名,メッセージ,または拡張属性の値にマクロ変数を指定する場合に,引き継ぐ情報に「"(ダブルクォーテーションマーク)」が含まれていると,情報を正しく引き継げなかったり,エラーが発生したりする原因となります。マクロ変数は,引き継ぐ情報を意識して,正常に動作できる情報を引き継ぐ場合だけ,指定するようにしてください。
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イベント送信先ホスト名を指定しない場合,JP1イベントはJP1イベント送信ジョブ実行ホストのイベントサーバに送信されます。
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アクションジョブには「実行時のユーザー」を指定できません。JP1イベント送信ジョブを実行する[登録ユーザー]または[所有ユーザー]にユーザーマッピングされているプライマリーOSユーザーがJP1イベントの発行元ユーザーとなります。
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環境変数JP1_HOSTNAMEに自ホストにない論理ホスト名が設定されている場合は,JP1イベント送信ジョブの実行ホストが論理ホストであっても,イベント送信元ホスト名は物理ホスト名になります。
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JP1イベント送信ジョブは,JP1/Baseのイベントサーバの機能を利用しています。このため,複数LAN環境でJP1イベントの送信経路などを設定したい場合は,JP1/Base側で通信経路の設定(confファイルの設定)が必要です。JP1/Base側での通信経路の設定方法については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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JP1/Baseのイベントサービス環境の設定で,API設定ファイルのserverパラメーターの通信タイプに「keep-alive」を設定してください。「close」を設定していると,JP1/AJS3が起動時に発行するJP1イベントを発行できなくなったり,統合トレースログにメッセージKAVT1040-Eが出力されてJP1イベント送信ジョブが異常検出終了したりするなど,正常に動作しない問題が発生することがあります。設定方法およびAPI設定ファイルについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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