7.3 PCジョブ使用時の注意事項
PCジョブ使用時の注意事項を次に示します。
なお,PCジョブが起動失敗したり,異常終了したりする場合の要因や注意事項については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.6.2 標準ジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブのトラブルへの対処」もあわせて参照してください。
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システムのリソース不足の発生を少なくするための対応(Windowsの場合)
エージェントホストがWindowsの場合,ある数以上のジョブを同時に実行すると,システムの環境によってはシステムのリソース(デスクトップヒープ領域)不足が発生し,エラーになることがあります。こうした場合の対応として次のことを検討してください。
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ほかのアプリケーションとデスクトップヒープ領域を共用しない方法
JP1/AJS3サービスのアカウントをユーザーアカウントにしてください。JP1/AJS3サービスのアカウントを,ほかのサービスのアカウントやログオンユーザーと異なるユーザーアカウントにすれば,デスクトップヒープ領域を共用しないで運用できます。
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デスクトップヒープ領域の消費を少なくする方法
ジョブを実行するときによく使用するOSユーザーを,JP1/AJS3のサービスのアカウントと同じにすることで,デスクトップヒープ領域の消費を少なくできます。
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アプリケーションファイル名に空白文字が含まれている場合の対応(Windowsの場合)
エージェントホストがWindowsの場合,ファイルタイプ(拡張子)に関連づけられているアプリケーションファイル名に空白文字が含まれるときは,エクスプローラのファイルタイプの編集で確認し,アプリケーションファイル名を「"」(ダブルクォーテーションマーク)で囲んでください。
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ジョブが「起動失敗」状態にならないようにするための注意(Windowsの場合)
エージェントホストがWindowsの場合,JP1/AJS3サービスの起動ユーザーに次に示す権限がないと,ジョブが「起動失敗」状態になることがあります。そのため,JP1/AJS3サービスの起動ユーザーに,次に示す権限を設定してください。キューレスジョブを使用する場合は,キューレスエージェントサービスのアカウントに次の権限を設定してください。
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ジョブの実行ファイル名の読み取り権限および実行権限
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ジョブの環境変数ファイル名の読み取り権限
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ジョブの標準入力ファイル名の読み取り権限
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ジョブの標準出力ファイル名の読み取り権限および書き込み権限
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ジョブの標準エラー出力ファイル名の読み取り権限および書き込み権限
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ジョブの転送元ファイル名の読み取り権限
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PCジョブにOSのシャットダウンコマンドを登録しないこと
PCジョブに自ホストやエージェントホストに対するOSのシャットダウンコマンドを登録して実行しないでください。WindowsのシャットダウンはJP1/AJS3の停止完了を待たないため,JP1/AJS3が稼働中にシャットダウンを実行すると,JP1/AJS3のデータファイルが壊れるなど問題が発生するおそれがあります。ジョブの自動運用でシャットダウンしたい場合は,JP1/Power Monitorをインストールし,アクションジョブの「ローカル電源制御ジョブ」を実行する運用を検討してください。
また,手動でシステムを終了する場合,JP1/Power Monitorの電源制御コマンド(aompwconコマンド)を実行してください。JP1/Power Monitorをインストールしないで手動でシャットダウンを実行する場合は,JP1/AJS3のサービスを手動で停止したあとにシャットダウンを実行してください。
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バックアップ強化機能を有効にしてPCジョブからjajs_dbbackupコマンドを実行する場合
PCジョブが定義されている組み込みDBを指定してjajs_dbbackupコマンドを実行した場合,実際はジョブが実行されている状態でもPCジョブの状態が次の状態のまま遷移しないことがあります。ただし,jajs_dbbackupコマンドが終了したあと,PCジョブの状態は正常に遷移します。
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実行待ち
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キューイング
この状態を回避するには,jajs_dbbackupコマンドを実行するPCジョブは,バックアップ対象外の組み込みDBで動作するスケジューラーサービス上に定義して実行してください。
バックアップ強化機能の概要については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 5.2.5 バックアップ強化機能による組み込みDBのバックアップとリカバリー」を参照してください。
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ジョブで指定するファイル名を254バイト以内にする(Windowsの場合)
次に示すファイル名に文字数が255バイト以上のファイル名を指定した場合,ジョブが「起動失敗」状態または「異常検出終了」状態になることがあります。
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ジョブの実行ファイル名
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ジョブの環境変数ファイル名
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ジョブの標準入力ファイル名
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ジョブの標準出力ファイル名
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ジョブの標準エラー出力ファイル名
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ジョブの終了判定のファイル名
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ジョブの転送元ファイル名
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ジョブの転送先ファイル名
この現象は,キューレスジョブの場合にも起こります。上記のファイル名には,254バイト以内のファイル名を指定してください。
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実行ファイル名に標準入力ファイルからのデータの入力に対応していないコマンドまたはプログラムを指定する場合
詳細定義ダイアログボックスの[実行ファイル名]に,標準入力ファイルからのデータの入力に対応していないコマンドまたはプログラムを指定してジョブを実行する場合,[標準入力ファイル名],[標準出力ファイル名],および[標準エラー出力ファイル名]のすべてに「CON」を指定してください。この場合,JP1/AJS3では,標準入力からのデータの読み込みおよび標準出力,標準エラー出力に出力されたデータの取得を実施しません。このため,JP1/AJS3 - Viewの[実行結果詳細]ダイアログボックスにジョブの実行結果が表示されません。標準入力ファイルからのデータの入力に対応していないコマンドの例としては,timeoutコマンドがあります。
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任意のプログラムのショートカットファイルをWindowsのスタートアップに格納する
任意のプログラムのショートカットファイルをWindowsのスタートアップに格納するには,次のフォルダに格納してください。
%ALLUSERSPROFILE%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\StartUp
「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ\ProgramData」です。