5.1.3 ジョブの実行所要時間による終了遅延監視
ジョブの実行所要時間による終了遅延監視では,マネージャーホスト上でジョブが実行中になっている時間を監視するため,エージェントホストでのジョブ実行所要時間と異なることがあります。このことから,終了遅延が検知されたり,されなかったりする場合があります。
一方,ジョブの打ち切り時間はエージェントホストで実行中になっている時間を監視します。このため,打ち切り時間と終了遅延監視では,検出するタイミングに差異があります。
例えば,次のような場合には,マネージャーホストとエージェントホストで,ジョブの実行所要時間が異なります。
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スケジューラーサービス停止中にエージェントホストでジョブが開始した場合
スケジューラーサービスの停止中にエージェントホストでジョブの実行が開始された場合(マネージャーがエージェントからのジョブの開始通知を受け取る前にスケジューラーサービスが停止した場合),ジョブはスケジューラーサービスが起動されてから実行中の状態となります。したがって,実際にエージェントホストでジョブが実行されていた時間は,マネージャー上の実行時間より長くなります。この場合,例えばジョブ実行所要時間を10分としていて,エージェントホストで20分間実行中だったとしても,スケジューラーサービスの起動後5分で終了した場合,終了遅延は検知されません。
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スケジューラーサービス停止中にエージェントホストでジョブが終了した場合
スケジューラーサービスの停止中に,エージェントホストですでに実行中だったジョブが終了した場合(マネージャーがエージェントからのジョブの終了通知を受け取る前にスケジューラーサービスが停止した場合),ジョブはスケジューラーサービスが起動されてから終了状態となります。したがって,実際にエージェントホストでジョブが実行されていた時間は,マネージャー上の実行時間が短くなります。この場合,例えばジョブ実行所要時間を10分としていて,エージェントホストで5分で終了したとしても,マネージャー上はスケジューラーサービス停止中の間も実行中のままのため,停止時間が10分を超える場合は終了遅延となります。
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スケジューラーサービス停止中にエージェントホストでジョブが開始・終了した場合
スケジューラーサービスの停止中に,エージェントホストでジョブが開始し,終了した場合(マネージャーがエージェントからのジョブの開始通知および終了通知を受け取る前にスケジューラーサービスが停止した場合),ジョブはスケジューラーサービスが起動されてから実行中となり,すぐに終了状態となります。したがって,マネージャー上のジョブ実行時間は0分となります。この場合,例えばジョブ実行所要時間を10分としていて,エージェントホストで20分間実行中だったとしても,マネージャー上のジョブ実行時間は0分であるため,終了遅延は検知されません。
- 補足事項
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終了遅延を検知したジョブについて,エージェントホストでのジョブ実行時間を確認したい場合は,ajsshowコマンドを,フォーマット指示子「%V」,「%Q」を指定して実行し,ジョブの実行開始および終了日時を取得することで確認できます。ajsshowコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsshow」を参照してください。
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スケジューラーサービスの環境設定パラメーターJOBDELAYWARNMSGに「yes」を設定しておくと,終了遅延監視対象のジョブがスケジューラーサービス停止中に実行開始した場合,統合トレースログにメッセージ「KAVS0249-W ジョブ(ジョブ名:実行ID)が実行開始する前にスケジューラーサービスが停止しました」が出力されます。このメッセージによって該当するジョブ名および実行IDを特定できます。
エージェントホスト上でのジョブ実行所要時間によって終了遅延を確認したい場合は,メッセージKAVS0249-Wで特定したジョブに対し,ajsshowコマンドでジョブの実行開始および終了日時を取得して確認してください。
環境設定パラメーターJOBDELAYWARNMSGについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。
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