2.4.11 一つのジョブを複数の実行エージェントで一斉に実行する(フレキシブルジョブを使ったジョブネットの定義例)
一つのジョブを複数の実行エージェントで一斉に実行する機能を一斉実行と呼びます。一斉実行するジョブネットの定義には,フレキシブルジョブを使用します。
フレキシブルジョブの一斉実行を使用すると,複数の実行エージェントに同じ処理を実行させたい場合に,一つのジョブを定義するだけで済みます。また,実行エージェントを追加・削除した場合,ジョブを一斉に配信するエージェント(一斉配信エージェント)が自動で配信する範囲を拡張・縮小するため,ジョブを追加・削除する必要がありません。
フレキシブルジョブの一斉実行を使ったジョブネットを定義する例を次の図に示します。なお,フレキシブルジョブを実行する場合のシステム構成や検討事項などについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.9 クラウド環境でのジョブ実行について検討する」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.10 ジョブの一斉実行について検討する」を参照してください。
この図では,次のようなジョブネットを定義しています。
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中継エージェント(AGT1)でジョブの実行要求を中継する。
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一斉配信エージェント(BCAGT)でジョブを一斉に配信する。
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クラウド環境にある複数の宛先エージェントでジョブを実行する。
フレキシブルジョブの一斉実行を使用する場合,宛先エージェントがオートスケールによって追加・削除されたときでも,ジョブを追加・削除する必要はありません。また,セットアップ済みのマシンイメージを基にオートスケールで宛先エージェントを複製させれば,宛先エージェントをセットアップする必要はありません。
- 同期モードと非同期モードについて
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フレキシブルジョブの一斉実行では,同期モードで実行するか,非同期モードで実行するかによって,後続ジョブの処理のタイミングを選べます。同期モードと非同期モードについて次に説明します。
- 同期モード
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一斉配信エージェントがすべての宛先エージェントから実行完了の通知を受け取ったあと,後続ジョブを実行します。
- 非同期モード
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一斉配信エージェントがすべての宛先エージェントへの実行要求を完了した時点で,後続ジョブを実行します。
フレキシブルジョブの一斉実行使用時の注意事項については,「7.8 フレキシブルジョブ使用時の注意事項」を参照してください。
一斉実行を使用する場合に必要な設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 21.3.2 ジョブを一斉実行する場合の設定手順」を参照してください。