5.5.43 仮想サーバの作成
機能
VMware vSphere環境で,仮想サーバのテンプレートからクローンを作成します。
仮想ディクス/データストアマッピングファイルパス(VMware.diskMapFilePathプロパティ)を指定することにより,仮想ディスクを格納するデータストアを指定できます。
このプロパティを省略した場合,データストア名(VMware.dataStoreNameプロパティ)に指定したデータストアに仮想サーバの構成ファイルおよびすべての仮想ディスクを格納します。
マッピングファイルはタブ区切り形式で次のように記載します。
【ファイル形式】
仮想ディスク名[タブ文字]格納先データストア名
・
・
仮想ディスクの格納先データストア名を省略した場合,仮想サーバの構成ファイルと同じデータストアに仮想ディスクを格納します。
仮想ディスク名はvSphere Clientの「仮想マシンのプロパティ」画面で表示される値を記載してください。(例:ハード ディスク 1)
マッピングファイルの文字コードは"Shift_JIS"または"UTF-8(BOMあり)"にしてください。
この部品が前提とするサーバを次に示します。
・vCenterサーバ
VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。
・ESXサーバ
VMware vSphere ESXiがインストールされているサーバです。
・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)
VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。JP1/AOによってこのサーバに部品が転送され,実行されます。
・仮想サーバ
vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXiによって管理されている仮想サーバです。
データストア名(VMware.diskMapFilePathプロパティ)について次に示します。
・仮想サーバの構成ファイルを格納するデータストアの名称を指定します。
・仮想ディクス/データストアマッピングファイルパス(VMware.diskMapFilePathプロパティ)を省略した場合,このプロパティで指定したデータストアに仮想ディスクが格納されます。
仮想ディクス/データストアマッピングファイルパス(VMware.diskMapFilePathプロパティ)について次に示します。
・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)上の,仮想ディスクとデータストアの対応を定義したマッピングファイルのパスをフルパスで指定します。
・このプロパティを省略した場合,データストア名(VMware.dataStoreNameプロパティ)に指定したデータストアに仮想サーバの構成ファイルおよびすべての仮想ディスクを格納します。
利用場面
この部品は,VMware vSphere環境で新規仮想サーバを作成する際に利用できます。次の部品とあわせて実行することで,仮想サーバのOS初期設定まで実行できます。
・vSphereSetOsInfoWin
・vSphereSetOsInfoLin
前提条件
【実行対象システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
また、OSおよび製品について略称を用いています。対象とするOSおよび製品については「はじめに」を参照してください。
【実行対象システム内前提製品】
(1)vCenterサーバの前提製品
・VMware vCenter Server
(2)ESXサーバの前提製品
・VMware vSphere ESXi
(3)仮想サーバの前提OS
vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。
・Windows Server
・Red Hat Enterprise Linux Server
【実行対象システム内前提製品の使用条件】
(1)VMware vSphere ESXiがVMware vCenter Serverで管理されていること。
(2)VMware vSphere ESXi上の設定に関する条件
・データストアが登録済みであること。
・ポートグループが設定済みであること。仮想サーバに設定するポートグループは,標準仮想スイッチ(vNetwork 標準スイッチ/vSphere 標準スイッチ)を使ったネットワーク上のポートグループを指定してください。
・デプロイに使用するテンプレートが作成済みであること。
・テンプレートの名称が一意であること。
・仮想サーバをリソースプールに格納する場合,リソースプール,クラスタ,vAppの名称が一意であること。
クラスタとvApp,クラスタとリソースプールの組み合わせなど,種別が異なっていても,同じ名前にすることはできません。
・VMwareに関連する次の名称について,VMware上では英字の大文字・小文字は区別されますが,このサービスが実行するvSphere Power CLIからは,指定した名称の英字の大文字・小文字を区別できません。
そのため,英字の大文字・小文字が異なる同名の名称を使用している環境に対して,このサービスを使用することはできません。
・テンプレート名
・データストア名
・リソースプール名
・クラスタ名
・vApp名
(3)デプロイに使用するテンプレートに関する条件
・VMware Toolsがインストール済みであること。
・リモートコマンドが実行可能な設定であること。Windowsの場合は管理共有,Linuxの場合はSSHが有効になっていること。
・NICが設定してあること(最大4個まで)。
・Windowsの場合,Administrator のパスワードを空にしておくこと。
・仮想サーバのテンプレート化を実行する際には,仮想サーバが停止した状態でテンプレート化をすること。
・pingの受付,応答を許可していること。
・Windowsの場合,sysprepを実行する。そのため,Windows初期化の実行回数が限度回数(3回)に達していないこと。
(4)仮想サーバに関する条件
・同一のvCenterの管理下において,仮想サーバ名が重複しないこと。
【実行対象サーバ内前提製品】
・VMware PowerCLI
【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】
・Windows Server
注意事項
(1)仮想サーバのデプロイ中は,ほかのサービスにより当該仮想サーバの操作を行わないでください。仮想サーバのデプロイに失敗するおそれがあります。vCenterサーバからも直接操作を行わないでください。
(2)仮想サーバのテンプレートには,仮想サーバ作成時に設定する情報をあらかじめ設定しないでください。コンピュータ名/ホスト名やIPアドレスがテンプレートに設定されている場合,仮想サーバの作成に失敗する場合があります。失敗した場合(失敗の例としては,スタティックルートの処理でエラーが発生します。),一度仮想サーバを削除し,コンピュータ名/ホスト名とIPアドレスが設定されていないテンプレートを再作成のあと,この部品を再実行してください。
(3)仮想サーバ名プロパティ(vmware.vmName)に指定できる最大の文字数は60文字です。
(4)仮想ディクス/データストアマッピングファイルに,存在しないデータストアや,仮想サーバの構成ファイルを格納するESXサーバから参照できないデータストアを指定した場合,この部品は異常終了します。
実行権限
(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。
システム管理者ロール
バージョン
02.50.00
部品のタグ
Add VM,VMware vSphere
タスクログに表示される部品の名称
vsphereCreateVM
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
正常 |
23 |
異常(環境不正) 前提環境不正 |
27 |
異常(エラー内容はタスクログで確認) |
41 |
異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知) |
プロパティ一覧
プロパティ一覧を次の表に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
デフォルト値 |
入出力種別 |
必須区分 |
---|---|---|---|---|---|
VMware.vCenterServerName |
vCenterサーバ名 |
VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.userName |
VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名 |
VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.password |
VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード |
VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.portNumber |
VMware vCenter Server接続用ポート番号 |
VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。 |
443 |
入力 |
△ |
VMware.protocol |
VMware vCenter Server接続用プロトコル |
VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。 |
https |
入力 |
○ |
VMware.vmHostName |
ESXサーバ名 |
VMware vCenter Serverが管理する[ホストおよびクラスタ]に表示されるESXサーバ名を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.dataStoreName |
データストア名 |
データストアの名称を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.templateName |
テンプレート名 |
仮想サーバの基となるテンプレート名を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.vmName |
仮想サーバ名 |
仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.resourcePoolName |
リソースプール名 |
仮想サーバを格納するリソースプール,vApp,クラスタを指定します。 |
− |
入力 |
△ |
VMware.diskMapFilePath |
仮想ディスク/データストアマッピングファイルパス |
実行対象サーバ上の,仮想ディスクとデータストアの対応を定義したマッピングファイルのパスをフルパスで指定します。省略した場合,データストア名に指定したデータストアに仮想サーバの構成ファイルおよびすべての仮想ディスクを格納します。 |
− |
入力 |
△ |
plugin.destinationHost |
実行対象サーバのホスト名 |
この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
common.returnValue |
部品の戻り値 |
この部品の戻り値が格納されます。 |
− |
出力 |
△ |
common.osType |
OSの種類 |
テンプレートのOS種類(Windows/Linux)を格納するワークプロパティです。 |
− |
出力 |
△ |