5.5.29 仮想サーバのOS初期設定&IPアドレス設定(Linux)
機能
VMware vSphere環境の仮想サーバ(Linux)に対してOSの初期設定(コンピュータ名,タイムゾーン),およびIPアドレス設定を行います。
新規作成された仮想サーバを起動して,OSの初期化とカスタマイズ処理を行います。
この部品が前提とするサーバを次に示します。
・vCenterサーバ
VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。
・ESXサーバ
VMware vSphere ESXiがインストールされているサーバです。
・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)
VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。JP1/AOによってこのサーバに部品が転送され,実行されます。
・仮想サーバ
vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXiによって管理されている仮想サーバです。
仮想サーバは最大4個までIPアドレスを設定することができます。1個目のIPアドレス(管理用)には,デプロイした仮想サーバを管理するためのIPアドレスを設定してください。2〜4個目のIPアドレス(2個目用)・IPアドレス(3個目用)・IPアドレス(4個目用)については,管理用・業務用IPアドレスをユーザーの運用に合わせて設定してください。仮想サーバが持つNICの数によってIPアドレスの設定順序は次のようになります。
・仮想サーバがNICを1個持つ場合
NICには,IPアドレス(管理用)>IPアドレス(2個目用)>IPアドレス(3個目用)>IPアドレス(4個目用)の順で最初に指定されていたIPアドレスを設定します。その他のIPアドレスは破棄されますのでご注意ください。
・仮想サーバがNICを2個以上持つ場合
NICには,IPアドレス(管理用)>IPアドレス(2個目用)>IPアドレス(3個目用)>IPアドレス(4個目用)の順でIPアドレスを設定します。IPアドレスの指定に空きがある場合,詰めて設定します。例えば,指定するIPアドレスがIPアドレス(管理用),IPアドレス(2個目用),IPアドレス(4個目用)の場合(IPアドレス(3個目用)がない場合),IPアドレス(4個目用)は仮想マシンの3つ目のNICに設定します。入力したIPアドレスの数が仮想サーバが持つNICの数より多い場合,超えた分のIPアドレスは破棄されますのでご注意ください。
DNSサーバのIPアドレスはNICごとではなく,仮想サーバに対して設定されます。仮想サーバには,DNSサーバのIPアドレス(管理用)>DNSサーバのIPアドレス(2個目用)>DNSサーバのIPアドレス(3個目用)>DNSサーバのIPアドレス(4個目用)の順で最初に指定されていたDNSサーバのIPアドレスを設定します。
指定可能なタイムゾーンは次のとおりです。
America/Adak
America/Anchorage
America/Boise
America/Chicago
America/Denver
America/Detroit
America/Indiana/Indianapolis
America/Indiana/Knox
America/Indiana/Marengo
America/Indiana/Petersburg
America/Indiana/Tell_City
America/Indiana/Vevay
America/Indiana/Vincennes
America/Indiana/Winamac
America/Juneau
America/Kentucky/Monticello
America/Los_Angeles
America/LouisVille
America/Menominee
America/Monterrey
America/Montevideo
America/New_York
America/Nome
America/North_Dakota/Beulah
America/North_Dakota/Center
America/North_Dakota/New_Salem
America/Phoenix
America/Shiprock
America/Tijuana
America/Vancouver
America/Yakutat
Asia/Chongqing
Asia/Hong_Kong
Asia/Kolkata
Asia/Macau
Asia/Shanghai
Asia/Singapore
Asia/Tokyo
Etc/UTC
Europe/London
Pacific/Honolulu
指定がない場合,テンプレートのタイムゾーンが使用されます。このため,タイムゾーンプロパティのリストに設定したい値が存在しない場合は,事前にテンプレートにタイムゾーンを設定してください。
利用場面
Linuxの仮想サーバを作成する場合に利用できます。部品vsphereCreateVMの実行後に呼び出すことで,OSの初期設定を行うことができます。
前提条件
【実行対象システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
また、OSおよび製品について略称を用いています。対象とするOSおよび製品については「はじめに」を参照してください。
【実行対象システム内前提製品】
(1)vCenterサーバの前提製品
・VMware vCenter Server
(2)ESXサーバの前提製品
・VMware vSphere ESXi
(3)仮想サーバの前提OS
vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。
・Red Hat Enterprise Linux Server
【実行対象システム内前提製品の使用条件】
(1)VMware vSphere ESXiがVMware vCenter Serverで管理されていること。
(2)VMware vSphere ESXi上の設定に関する条件
・データストアが登録済みであること。
・ポートグループが設定済みであること。仮想サーバに設定するポートグループは,標準仮想スイッチ(vNetwork 標準スイッチ/vSphere 標準スイッチ)を使ったネットワーク上のポートグループを指定してください。
(3)仮想サーバに関する条件
・VMware Toolsがインストール済みであること。
・リモートコマンドが実行可能な設定であること(仮想サーバにおいてSSHが有効になっていること)。
・NICが設定してあること(最大4個まで)。
(4)仮想サーバに関する条件
・同一のvCenterの管理下で,仮想サーバ名が重複しないこと。
【実行対象サーバ内前提製品】
・VMware PowerCLI
【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】
・Windows Server
注意事項
(1)作成する仮想サーバがLinuxの場合,ドメイン名,DNSサフィックスが必須となります。指定がない場合,"localdomain"が設定されます。
(2)IPアドレス,サブネットマスク,デフォルトゲートウェイは,3つの情報を同時に指定してください。どれかの指定がない場合,3つとも設定は行われません。
(3)OS情報取得の繰り返し回数の指定がない場合,"72"が設定されます。
(4)OS情報取得の繰り返し実行間隔の指定がない場合,"5"が設定されます。
(5)仮想サーバのOSに設定するIPアドレスについて,IPアドレスとして設定できない値は入力しないでください。例えば,ネットワークアドレスやブロードキャストアドレス,「0.0.0.0」や「255.255.255.255」などの特殊なアドレスは指定できません。入力した場合,仮想サーバのデプロイはエラーとなります。また,IPアドレス(管理用)には,JP1/AOサーバと通信できるIPアドレスを入力してください。正しいアドレスであっても,デプロイに失敗するおそれがあります。
(6)IPアドレスは「機能」に記載のとおり設定されますが,仮想サーバのOSにNICを設定した順番によっては,意図どおりIPアドレスが設定されない場合があるため,仮想サーバ作成後はIPアドレスが意図どおり設定されているか確認してください。もし設定されていない場合は,手動で変更してください。
(7)Linuxのデプロイを行う場合,テンプレートOSのrootパスワードはLinux.adminPasswordプロパティで指定可能な文字で設定してください。
(8)仮想サーバに設定するIPアドレスは,他のサーバと重複しないようにしてください。他のサーバとIPアドレスが重複していると,仮想サーバのNICが無効状態となり,タスクが異常終了します。
(9)VMware Toolsはopen-vm-tools 9.10以降のものを使用してください。open-vm-tools 9.10より前のバージョンの場合,ホスト名が変更されず,OS情報取得の繰り返し回数×OS情報取得の実行間隔の間,部品が終了しません。
実行権限
(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。
システム管理者ロール
バージョン
02.11.00
部品のタグ
Modify VM,VMware vSphere
タスクログに表示される部品の名称
vsphereSetOsinfoLin
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
正常 |
23 |
異常(環境不正) 前提環境不正 |
27 |
異常(エラー内容はタスクログで確認) |
28 |
異常(ネットワーク起動不正) 電源起動後のネットワーク起動確認不可 |
41 |
異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知) |
プロパティ一覧
プロパティ一覧を次の表に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
デフォルト値 |
入出力種別 |
必須区分 |
---|---|---|---|---|---|
VMware.vmName |
仮想サーバ名 |
仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。 |
− |
入力 |
○ |
common.computerName |
コンピュータ名/ホスト名 |
OSのコンピュータ名(ホスト名)を指定します。Windowsの場合,最大15文字まで,Linuxの場合,最大63文字まで指定します。 |
− |
入力 |
○ |
OS.ipAddressMan |
IPアドレス(管理用) |
仮想サーバに設定する管理用LANのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.subnetMaskMan |
サブネットマスク(管理用) |
仮想サーバに設定する管理用LANのサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.defaultGWMan |
デフォルトゲートウェイ(管理用) |
仮想サーバに設定する管理用LANのデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.dnsMan |
DNSサーバのIPアドレス(管理用) |
仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.ipAddress2 |
IPアドレス(2個目用) |
仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.subnetMask2 |
サブネットマスク(2個目用) |
仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.defaultGW2 |
デフォルトゲートウェイ(2個目用) |
仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.dns2 |
DNSサーバのIPアドレス(2個目用) |
仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.dnsSuffix |
DNS サフィックス名 :Linux固有 |
DNSサフィックス名を指定します(Linuxの場合だけ)。入力がない場合,"localdomain"が設定されます。 |
− |
入力 |
△ |
OS.workgroupNameDomainName |
ドメイン名 |
仮想サーバが所属するドメイン名を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
Linux.adminPassword |
OSのrootユーザーのパスワード :Linux固有 |
OS設定の確認をするためのOSのrootユーザーのパスワードを設定します。作成するOSがLinuxの場合に必ず指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.checkOSInitCount |
OS情報取得の繰り返し回数 |
OS初期設定の完了確認のため,OS情報を取得する際の繰り返し回数を指定します。OS情報取得の実行間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。 |
72 |
入力 |
△ |
VMware.checkOSInitInterval |
OS情報取得の実行間隔(分) |
OS初期設定の完了確認のため,OS情報を取得する際の実行間隔を指定します。 |
5 |
入力 |
△ |
VMware.vCenterServerName |
vCenterサーバ名 |
VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.userName |
VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名 |
VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.password |
VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード |
VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。 |
− |
入力 |
○ |
VMware.portNumber |
VMware vCenter Server接続用ポート番号 |
VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。 |
443 |
入力 |
△ |
VMware.protocol |
VMware vCenter Server接続用プロトコル |
VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。 |
https |
入力 |
○ |
plugin.destinationHost |
実行対象サーバのホスト名 |
この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
OS.timeZone |
タイムゾーン |
仮想サーバのOSに設定するタイムゾーンを指定します。入力がない場合,テンプレートのタイムゾーンが使用されます。 |
− |
入力 |
△ |
OS.ipAddress3 |
IPアドレス(3個目用) |
仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.subnetMask3 |
サブネットマスク(3個目用) |
仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.defaultGW3 |
デフォルトゲートウェイ(3個目用) |
仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.dns3 |
DNSサーバのIPアドレス(3個目用) |
仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.ipAddress4 |
IPアドレス(4個目用) |
仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.subnetMask4 |
サブネットマスク(4個目用) |
仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.defaultGW4 |
デフォルトゲートウェイ(4個目用) |
仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
OS.dns4 |
DNSサーバのIPアドレス(4個目用) |
仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
common.returnValue |
部品の戻り値 |
この部品の戻り値が格納されます。 |
− |
出力 |
△ |
common.flag2IPsSetup |
仮想サーバに複数のIPアドレスを設定したかどうか |
仮想サーバに複数IPアドレスを設定したとき(TRUE),それ以外のとき(FALSE)を格納するプロパティです。 |
− |
出力 |
△ |