3.10.5 仮想サーバ起動
機能
VMware vSphere環境の複数の仮想サーバの電源状態をONに設定します。
このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。
・vCenterサーバ
VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。
・vCenter操作サーバ
VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。
・仮想サーバ
vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXiにより管理されている仮想サーバです。
処理の概要を次に示します。
(1) 仮想サーバの電源状態を取得します。
(2) 仮想サーバの電源状態がOFFになっている場合に,仮想サーバの電源状態をONに設定します。
(3) ICMPエコー要求を送信し,仮想サーバが起動したことを確認します。
上記の処理を,指定された仮想サーバ群に対して並列に実行します。
仮想サーバを起動する際には,vmware.checkPowerStateIntervalプロパティに指定した秒数待ち合わせ,仮想サーバの起動状態を確認する動作を,vmware.checkPowerStateCountプロパティに指定した回数繰り返します。デフォルトの値で不都合がある場合,利用している環境に合わせて調整してください。
前提条件
【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
また、OSおよび製品について略称を用いています。対象とするOSおよび製品については「はじめに」を参照してください。
【サービステンプレート実行システム内前提製品】
(1)vCenterサーバの前提製品
・VMware vCenter Server
(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi
(3)vCenter操作サーバの前提製品
・VMware PowerCLI
【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】
(1)仮想サーバの前提OS
vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。
・Windows Server
・Red Hat Enterprise Linux Server
(2)vCenter操作サーバの前提OS
・Windows Server
【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】
(1)VMware vSphere ESXiがVMware vCenter Serverで管理されていること。
(2)仮想サーバ名はvCenterサーバ内で一意になっていること。
(3)対象となる仮想サーバのファイアーウォールがICMP(ECHO)応答を許可していること。
(4)対象となる仮想サーバに,VMwareToolsがインストールされていること。
注意事項
(1)起動するVMware vSphere ESXiを指定することはできません。仮想サーバが存在するVMware vSphere ESXi上で起動します。
(2)ICMPエコーのタイムアウト時間(common.icmpEchoTimeoutプロパティ)は利用している環境に応じて調整してください。
(3)システム環境の状態によっては,仮想サーバの起動には成功するが,ネットワークの接続確認に失敗し,タスクが異常終了する場合があります。
タスクログから,ネットワーク接続確認(部品「仮想サーバのIPアドレス取得」(vsphereGetVMIPaddress)もしくは部品「ICMPエコー要求メッセージの送信」(osSendIcmp))でエラーが発生しているか確認してください。
これらの部品でエラーが発生している場合,仮想サーバが起動しているか確認してください。
(4)仮想サーバのNICにIPアドレスが大量に設定されている(※1)と,部品「ICMPエコー要求メッセージの送信」でエラーが発生し,タスクが異常終了する場合があります。NICに設定されているIPアドレスの長さの合計が,1024文字以内であることを確認してください。
※1)次のIPアドレスが対象です。例えば,IPv4だけの場合は64個までの範囲で設定されていれば問題ありません。
・IPv4(最大長16文字)
・IPv6(最大長36文字)
・DHCPによって設定されるIPv4とIPv6
実行権限
(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。
対象とする仮想サーバに対して「読み取り専用」と「パワーオン」の権限を持つロール,またはシステム管理者ロール
(2)vCenter操作サーバに接続するユーザーに、次の権限が必要です。
ビルトイン Administrator
バージョン
04.00.00
タグ
Control VM,VMware vSphere
プロパティ一覧
プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。
プロパティグループ |
説明 |
初期表示 |
---|---|---|
仮想システム環境情報 |
VMware vCenter Serverの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
仮想サーバ情報 |
起動する仮想サーバの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
実行時オプション |
仮想サーバの起動を行う際の状態確認に関するプロパティです。必要に応じて変更してください。 |
表示されません。 |
[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。
- (凡例)
-
○:プロパティの指定は必須です。
△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
必須区分 |
プロパティグループ |
---|---|---|---|---|---|---|
vmware.targetHost |
VMware vCenter操作サーバのホスト名 |
VMware vCenter Serverを操作するサーバ(vSphere PowerCLIインストール済みサーバ)のホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
vmware.vCenterServerName |
vCenterサーバ名 |
VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
vmware.userName |
VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名 |
VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
vmware.password |
VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード |
VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
vmware.portNumber |
VMware vCenter Server接続用ポート番号 |
VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。 |
入力 |
無効 |
△ |
仮想システム環境情報 |
vmware.protocol |
VMware vCenter Server接続用プロトコル |
VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
vmware.checkPowerStateCount |
電源状態の確認回数 |
仮想サーバの起動を確認する際の,電源状態の確認回数を指定します。電源状態の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
vmware.checkPowerStateInterval |
電源状態の確認間隔 |
仮想サーバの起動を確認する際の,電源状態の確認間隔を秒単位で指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
common.icmpEchoTimeout |
ICMPエコー要求のタイムアウト時間 |
仮想サーバの起動確認で実施する,ICMPエコー要求に対する応答を待つ時間をミリ秒単位で指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
必須区分 |
プロパティグループ |
---|---|---|---|---|---|---|
vmware.foreachVmName |
仮想サーバ名(複数指定可) |
仮想サーバの名称(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバ名。ホスト名ではありません。)を指定します。複数指定する場合はコンマで区切ってください。99個まで指定できます。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想サーバ情報 |
[タスク詳細]画面にだけ表示されるプロパティの一覧を次に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
---|---|---|---|---|
common.taskResult |
繰り返しタスクの実行結果 |
タスクごとの成功(true),失敗(false)をコンマ区切りで出力します。 |
出力 |
無効 |
[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。
プロパティキー |
入力可能文字 |
---|---|
vmware.targetHost |
256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。 |
vmware.vCenterServerName |
256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。 |
vmware.userName |
512文字以内の半角英数字および半角記号。 ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「/」,「:」,「=」,「,」,「+」,「%」を除く。 |
vmware.password |
127文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。 |
vmware.portNumber |
1〜65535の整数値。 |
vmware.protocol |
次の値のどれかを選択する。 http,https |
vmware.checkPowerStateCount |
1〜3600の整数値。 |
vmware.checkPowerStateInterval |
1〜60の整数値。 |
common.icmpEchoTimeout |
1〜214783647の整数値。 |
[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。
プロパティキー |
入力可能文字 |
---|---|
vmware.foreachVmName |
1024文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。 |
フロー仕様詳細
フロー仕様詳細を次の表に示します。
階層 |
[タスク詳細]画面での表示名 |
ステップ名 |
部品 |
||
---|---|---|---|---|---|
部品名 |
説明 |
エラー時の回復方法 |
|||
1 |
仮想サーバの電源をONに設定 |
仮想サーバの電源をONに設定 |
繰り返し実行部品 |
複数の仮想サーバの電源状態をONに設定します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。 |