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JP1 Version 13 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


3.10.5 仮想サーバ起動

機能

VMware vSphere環境の複数の仮想サーバの電源状態をONに設定します。

このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXiにより管理されている仮想サーバです。

処理の概要を次に示します。

(1) 仮想サーバの電源状態を取得します。

(2) 仮想サーバの電源状態がOFFになっている場合に,仮想サーバの電源状態をONに設定します。

(3) ICMPエコー要求を送信し,仮想サーバが起動したことを確認します。

上記の処理を,指定された仮想サーバ群に対して並列に実行します。

仮想サーバを起動する際には,vmware.checkPowerStateIntervalプロパティに指定した秒数待ち合わせ,仮想サーバの起動状態を確認する動作を,vmware.checkPowerStateCountプロパティに指定した回数繰り返します。デフォルトの値で不都合がある場合,利用している環境に合わせて調整してください。

前提条件

【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

また、OSおよび製品について略称を用いています。対象とするOSおよび製品については「はじめに」を参照してください。

【サービステンプレート実行システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server

(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi

(3)vCenter操作サーバの前提製品

 ・VMware PowerCLI

【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】

(1)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Windows Server

 ・Red Hat Enterprise Linux Server

(2)vCenter操作サーバの前提OS

 ・Windows Server

【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】

(1)VMware vSphere ESXiがVMware vCenter Serverで管理されていること。

(2)仮想サーバ名はvCenterサーバ内で一意になっていること。

(3)対象となる仮想サーバのファイアーウォールがICMP(ECHO)応答を許可していること。

(4)対象となる仮想サーバに,VMwareToolsがインストールされていること。

注意事項

(1)起動するVMware vSphere ESXiを指定することはできません。仮想サーバが存在するVMware vSphere ESXi上で起動します。

(2)ICMPエコーのタイムアウト時間(common.icmpEchoTimeoutプロパティ)は利用している環境に応じて調整してください。

(3)システム環境の状態によっては,仮想サーバの起動には成功するが,ネットワークの接続確認に失敗し,タスクが異常終了する場合があります。

タスクログから,ネットワーク接続確認(部品「仮想サーバのIPアドレス取得」(vsphereGetVMIPaddress)もしくは部品「ICMPエコー要求メッセージの送信」(osSendIcmp))でエラーが発生しているか確認してください。

これらの部品でエラーが発生している場合,仮想サーバが起動しているか確認してください。

(4)仮想サーバのNICにIPアドレスが大量に設定されている(※1)と,部品「ICMPエコー要求メッセージの送信」でエラーが発生し,タスクが異常終了する場合があります。NICに設定されているIPアドレスの長さの合計が,1024文字以内であることを確認してください。

※1)次のIPアドレスが対象です。例えば,IPv4だけの場合は64個までの範囲で設定されていれば問題ありません。

・IPv4(最大長16文字)

・IPv6(最大長36文字)

・DHCPによって設定されるIPv4とIPv6

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

 対象とする仮想サーバに対して「読み取り専用」と「パワーオン」の権限を持つロール,またはシステム管理者ロール

(2)vCenter操作サーバに接続するユーザーに、次の権限が必要です。

 ビルトイン Administrator

バージョン

04.00.00

タグ

Control VM,VMware vSphere

プロパティ一覧

プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。

プロパティグループ

説明

初期表示

仮想システム環境情報

VMware vCenter Serverの情報を指定してください。

表示されます。

仮想サーバ情報

起動する仮想サーバの情報を指定してください。

表示されます。

実行時オプション

仮想サーバの起動を行う際の状態確認に関するプロパティです。必要に応じて変更してください。

表示されません。

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

(凡例)

○:プロパティの指定は必須です。

△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.targetHost

VMware vCenter操作サーバのホスト名

VMware vCenter Serverを操作するサーバ(vSphere PowerCLIインストール済みサーバ)のホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

入力

無効

△ 

仮想システム環境情報

vmware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.checkPowerStateCount

電源状態の確認回数

仮想サーバの起動を確認する際の,電源状態の確認回数を指定します。電源状態の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。

入力

無効

○ 

実行時オプション

vmware.checkPowerStateInterval

電源状態の確認間隔

仮想サーバの起動を確認する際の,電源状態の確認間隔を秒単位で指定します。

入力

無効

○ 

実行時オプション

common.icmpEchoTimeout

ICMPエコー要求のタイムアウト時間

仮想サーバの起動確認で実施する,ICMPエコー要求に対する応答を待つ時間をミリ秒単位で指定します。

入力

無効

○ 

実行時オプション

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.foreachVmName

仮想サーバ名(複数指定可)

仮想サーバの名称(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバ名。ホスト名ではありません。)を指定します。複数指定する場合はコンマで区切ってください。99個まで指定できます。

入力

無効

○ 

仮想サーバ情報

[タスク詳細]画面にだけ表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

common.taskResult

繰り返しタスクの実行結果

タスクごとの成功(true),失敗(false)をコンマ区切りで出力します。

出力

無効

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.targetHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.vCenterServerName

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.userName

512文字以内の半角英数字および半角記号。 ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「/」,「:」,「=」,「,」,「+」,「%」を除く。

vmware.password

127文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.portNumber

1〜65535の整数値。

vmware.protocol

次の値のどれかを選択する。

http,https

vmware.checkPowerStateCount

1〜3600の整数値。

vmware.checkPowerStateInterval

1〜60の整数値。

common.icmpEchoTimeout

1〜214783647の整数値。

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.foreachVmName

1024文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

フロー仕様詳細

フロー仕様詳細を次の表に示します。

階層

[タスク詳細]画面での表示名

ステップ名

部品

部品名

説明

エラー時の回復方法

1

仮想サーバの電源をONに設定

仮想サーバの電源をONに設定

繰り返し実行部品

複数の仮想サーバの電源状態をONに設定します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。