Hitachi

JP1 Version 13 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


3.9.3 仮想サーバのスナップショット

機能

VMware vSphere環境で,仮想サーバの状態をスナップショットを用いて更新できます。

VMware vSphere環境の仮想サーバの状態およびデータを変更する場合に,変更前のスナップショットを作成します。

変更結果を採用する場合,変更を確定後,スナップショットを削除します。変更結果を採用しない場合,変更を破棄後,スナップショットを削除します。

このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXiによって管理されている仮想サーバです。

処理の概要を次に示します。

(1)仮想サーバのスナップショットを作成します。

(2)スナップショットの作成後,ユーザーが仮想サーバの状態およびデータを変更する間,応答待ち部品を実行して変更完了を待ちます。

応答待ちのGUIでは,"Commit"(変更結果の採用)か"Roll back"(変更結果の不採用)を選択できます。

(3)仮想サーバのスナップショットを削除します。

ユーザーが応答待ちのGUIで"Commit"を選択した場合は,スナップショット作成後の変更を確定後,スナップショットを削除します。

ユーザーが応答待ちのGUIで"Roll back"を選択した場合は,スナップショット作成後の変更を破棄後,スナップショットを削除します。

なお,仮想サーバ名プロパティ(vmware.vmName)に指定できる最大の文字数は60文字です。

前提条件

【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

また、OSおよび製品について略称を用いています。対象とするOSおよび製品については「はじめに」を参照してください。

【サービステンプレート実行システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server

(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi

(3)vCenter操作サーバの前提製品

 ・VMware PowerCLI

【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】

(1)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Windows Server

 ・Red Hat Enterprise Linux Server

(2)vCenter操作サーバの前提OS

 ・Windows Server

【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】

(1)VMware vSphere ESXiがVMware vCenter Serverで管理されていること。

(2)同一のvCenterの管理下において,仮想サーバ名が重複しないこと。

(3)同一の仮想サーバ内で,スナップショット名が重複していないこと。

(4)対象となる仮想サーバに,VMware Toolsがインストールされていること。

(5)対象となる仮想サーバの設定変更前は仮想サーバの電源がOFFになっていること。

注意事項

(1)同一の仮想サーバに対して,このサービスを複数同時に実行しないでください。

(2)Rawディスク,RDM物理モードディスク,および独立ディスクが設定されている仮想サーバを対象にしないでください。

(3)応答入力画面の補足情報プロパティ(UserResponseplugin.dialogText)にHTMLタグを指定する場合,指定できるタグおよび属性はユーザー応答待ち部品と同じです。詳細については,本製品マニュアルの「ユーザー応答待ち部品」について説明しているトピックを参照してください。

(4)このサービスを実行中にエラーが発生した場合は,タスクログからスナップショット名を確認し,該当するスナップショットの有無を確認してください。もし,該当するスナップショットが残っていた場合は,スナップショットの確定または破棄を行ってください。このサービスで作成したスナップショットを長期間放置,または対処を行わずに,このサービスを再実行しないください。データストアの容量の過剰使用の原因になります。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

システム管理者ロール

バージョン

04.00.00

タグ

Snapshot VM,VMware vSphere

プロパティ一覧

プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。

プロパティグループ

説明

初期表示

仮想システム環境情報

VMware vCenter Serverの情報を指定してください。

表示されます。

仮想サーバ情報

スナップショットを作成する仮想サーバの情報を指定してください。

表示されます。

ユーザー応答待ちオプション

スナップショットの採用または不採用の応答をする場合のユーザー応答のためのオプションです。必要に応じて変更してください。

表示されません。

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

(凡例)

○:プロパティの指定は必須です。

△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.targetHost

VMware vCenter操作サーバのホスト名

VMware vCenter Serverを操作するサーバ(vSphere PowerCLIインストール済みサーバ)のホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

入力

無効

△ 

仮想システム環境情報

vmware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.snapshotName

スナップショット名

スナップショットの名称を指定します。

入力

無効

○ 

仮想サーバ情報

UserResponsePlugin.toAddress

TOメールアドレス

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(TO)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.ccAddress

CCメールアドレス

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(CC)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.bccAddress

BCCメールアドレス

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知の宛先メールアドレス(BCC)を指定します。複数のアドレスを指定する場合は,「,」で区切って指定してください。例:mailA,mailB

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.mailSubject

メール件名

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のメールの件名を指定します。

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.mailBody

メール本文

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のメール本文を指定します。

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.encodeType

エンコード種別

ユーザー応答待ちになった場合のメール通知のエンコード種別を指定します。指定可能なエンコード名は次のとおりです。us-ascii,iso-2022-jp,shift_jis,euc-jp,utf-8。指定しなかった場合には,utf-8で送信されます。

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.dialogText

応答入力画面の補足情報

ユーザー応答待ちになった場合の応答入力ダイアログに表示する補足情報を指定します。テキスト形式,またはHTML形式で指定できます。指定可能なHTMLタグは,アンカータグ,ボールドタグ,ブレークタグ,フォントタグ,イタリックタグ,下線タグです。

入力

無効

△ 

ユーザー応答待ちオプション

UserResponsePlugin.responseTimeOut

応答タイムアウト時間(分)

ユーザー応答待ちになった場合の応答がタイムアウトする時間を分単位で指定します。応答タイムアウト時間が過ぎると,サービスが異常終了します。

入力

無効

○ 

ユーザー応答待ちオプション

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

入力

無効

○ 

仮想サーバ情報

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.targetHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.vCenterServerName

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.userName

512文字以内の半角英数字および半角記号。 ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「/」,「:」,「=」,「,」,「+」,「%」を除く。

vmware.password

127文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.portNumber

1〜65535の整数値。

vmware.protocol

次の値のどれかを選択する。

http,https

vmware.snapshotName

80文字以内の半角英数字。

UserResponsePlugin.toAddress

1024文字以内の半角英数字および半角記号。

UserResponsePlugin.ccAddress

1024文字以内の半角英数字および半角記号。

UserResponsePlugin.bccAddress

1024文字以内の半角英数字および半角記号。

UserResponsePlugin.mailSubject

256文字以内の文字列。

UserResponsePlugin.mailBody

1024文字以内の文字列。

UserResponsePlugin.encodeType

次の値のどれかを選択する。

us-ascii,iso-2022-jp,shift_jis,euc-jp,utf-8

UserResponsePlugin.dialogText

512文字以内の文字列。

UserResponsePlugin.responseTimeOut

1〜9999の整数値。

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.vmName

60文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「,」,「%」を除く。

フロー仕様詳細

フロー仕様詳細を次の表に示します。

階層

[タスク詳細]画面での表示名

ステップ名

部品

部品名

説明

エラー時の回復方法

1

仮想サーバのスナップショット作成

仮想サーバのスナップショット作成

仮想サーバのスナップショット作成

VMware vSphere環境において,指定された仮想サーバにスナップショットを作成します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。また,エラー原因への対処を行う場合に,このサービスの注意事項を確認してください。

2

変更結果確認

変更結果確認

階層フロー部品

仮想サーバの状態およびデータの変更を確定または破棄をします。

− 

2-1

ユーザー応答待ち部品

変更結果の採用・不採用を確認します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。また,エラー原因への対処を行う場合に,このサービスの注意事項を確認してください。

2-2

戻り値判定分岐部品

ユーザー応答待ち部品がタイムアウトしたかどうか判定します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。また,エラー原因への対処を行う場合に,このサービスの注意事項を確認してください。

2-3

異常終了部品

ジョブネットをエラーにします。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。また,エラー原因への対処を行う場合に,このサービスの注意事項を確認してください。

2-4

戻り値判定分岐部品

ユーザー応答待ち部品の戻り値が1か判定します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。また,エラー原因への対処を行う場合に,このサービスの注意事項を確認してください。

2-5

仮想サーバのスナップショット移動

VMware vSphere環境において,仮想サーバで使用しているスナップショットを,仮想サーバ上の指定されたスナップショットに移動します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。また,エラー原因への対処を行う場合に,このサービスの注意事項を確認してください。

3

仮想サーバのスナップショット削除

仮想サーバのスナップショット削除

仮想サーバのスナップショット削除

VMware vSphere環境において,指定された仮想サーバのスナップショットを削除します。削除するスナップショットが現在使用中の場合は,スナップショットの変更を確定します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。また,エラー原因への対処を行う場合に,このサービスの注意事項を確認してください。