jp1base_setup_cluster(UNIX限定)
機能
JP1/Baseの論理ホストの動作環境を設定します。クラスタシステムでの環境設定で使用します。環境設定は,実行系,待機系の順に行います。
形式
jp1base_setup_cluster -h 論理ホスト名 [-d 共有ディレクトリ [-a 認証サーバ] [-s] [-v]]
実行権限
スーパーユーザー権限またはJP1/Base管理者権限
- 実行系の環境設定
-
論理ホスト名と共有ディレクトリ名の指定が必要です。ほかのオプションについては,必要に応じて指定してください。このコマンドを実行すると,指定した共有ディレクトリに定義ファイルなどがコピーされるため,必ず共有ディスクをマウントしておいてください。
- 待機系の環境設定
-
論理ホスト名だけを指定します。実行系で設定した情報を基に動作環境を設定します。なお,待機系の環境設定をする前に,実行系で設定した共通定義情報を待機系にコピーする必要があります。コピーする場合,jbsgetcnfコマンド,およびjbssetcnfコマンドを利用します。
格納先ディレクトリ
/opt/jp1base/bin/
引数
-h 論理ホスト名
環境を設定する論理ホスト名を指定します。
- 注意事項
-
-
論理ホスト名は,hostsファイルやネームサーバに設定し,TCP/IP通信ができるようにしてください。
-
DNS運用の場合は,FQDN(Fully Qualified Domain Name)形式ではないホスト名を指定してください。例えば,jp1v6.soft.hitachi.co.jpの場合は,jp1v6を指定します。
-
-d 共有ディレクトリ
実行系の環境設定時に使用します。フェールオーバー時に引き継ぐ情報を格納する共有ディレクトリ(パスの末尾に「/」を付けないでください)を指定します。共有ディスク上のディレクトリを指定してください。指定した共有ディレクトリで,JP1/Baseの動作に必要な環境設定が行われます。このオプションを指定してコマンドを実行すると,共有ディスク上に次の表に示すディレクトリを作成し,定義ファイルを/etc/opt/jp1base/conf/からコピーします。
ディレクトリ |
格納するファイル |
---|---|
共有ディレクトリ/jp1base/conf/ |
定義ファイル |
共有ディレクトリ/jp1base/log/ |
ログファイル |
共有ディレクトリ/event/ |
イベントサーバ設定ファイル |
なお,定義ファイルの内容は,必要に応じて変更してください。
-a 認証サーバ
論理ホストが接続する認証サーバのホスト名を指定します。このオプションを省略した場合,認証サーバの設定は物理ホストの環境設定と同じ認証サーバが指定されます。
-s
論理ホストで認証サーバを実行する場合に指定します。このオプションを指定すると,JP1/Baseの起動時に認証サーバが起動するように設定されます。このオプションを省略した場合,認証サーバを起動しないように設定されます。
-v
このオプションを指定すると,論理ホストの動作環境を設定するときのすべてのメッセージを画面上に表示します。
注意事項
-
設定は,ノードごとに実施してください。
-
このコマンドを実行すると,ローカルディスク上にあるイベントサービスのイベントサーバインデックスファイル(/etc/opt/jp1base/conf/event/index)に「論理ホスト名」と「共用ディスク上のディレクトリ名/event」が自動設定されます。また,「共用ディスク上のディレクトリ名/event」配下に,イベントサーバ設定ファイル(conf)および転送設定ファイル(forward)が作成されます。
-
このコマンドを実行すると,TCP/IP通信で使うソケットのバインド方法をIPアドレス指定方式に変更します。変更の対象は,作成する論理ホストおよび物理ホストの設定です。TCP/IP通信のソケットのバインド方法の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
-
JP1/Baseを起動しているときは,このコマンドを実行しないでください。
使用例
論理ホスト名をlnode0に,共有ディスク上のディレクトリ名を/shdsk/lnode0に設定した場合の使用例を次に示します。
- 実行系での環境設定
jp1base_setup_cluster -h lnode0 -d /shdsk/lnode0 -a lnode0 -s
このコマンドを実行すると,論理ホストの環境設定,共有ディスク上に共有ディレクトリと共有ファイルの作成,および認証サーバの設定が行われます。
- 待機系での環境設定
jp1base_setup_cluster -h lnode0
戻り値
0 |
正常終了 |
1 |
異常終了 |