jevexport
機能
イベントDBの内容をcsvファイルに出力します。
形式
jevexport [-h イベントサーバ名] [-i イベントDBファイル名] [-o 出力ファイル名] [-f フィルターファイル名] [-t {ON | OFF}] [-l コードセット名] [-k 項目ファイル名] [-a]
実行権限
Windowsの場合:なし
UNIXの場合:なし
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
-
インストール先フォルダ\bin\
- UNIXの場合
-
/opt/jp1base/bin/
引数
-h イベントサーバ名
csvファイルに出力するイベントサーバ名を指定します。このオプションを省略すると,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名がイベントサーバ名として仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,自ホスト名と同じイベントサーバ名が仮定されます。イベントサーバ名は255バイト以内の文字列で指定してください。
このオプションは,-iオプションと同時に指定できません。
-i イベントDBファイル名
csvファイルに出力するイベントDBファイル名(拡張子:dat)を指定します。OSのバックアップ用コマンドやjevdbinitコマンドでバックアップされたイベントDBのファイル名などを指定できます。パス名を省略した場合は,カレントディレクトリが仮定されます。
このオプションは,-hオプションと同時に指定できません。
-o 出力ファイル名
csvファイル名を255バイト以内で指定します。指定した出力ファイルがすでに存在する場合,そのファイルを上書きします。このオプションを省略した場合は,カレントディレクトリにimevexport.csvファイルを出力します。なお,JP1イベントは古い順に出力されます。
-f フィルターファイル名
イベントDBに登録されたJP1イベントの中から,csvファイルに出力したいJP1イベントの条件を記述したテキストファイルを255バイト以内で指定します。フィルターファイルの記述形式は,イベントフィルターの形式と同じです。詳細については,「16. 定義ファイル」の「イベントフィルターの文法」を参照してください。このオプションを省略した場合,イベントDBに登録されたすべてのJP1イベントがcsvファイルへの出力対象となります。
- 注意事項
-
csvファイルに出力するJP1イベントの条件として,フィルターファイルに日本語文字列を指定する場合,その文字コードは,jevexportコマンド実行時のロケール情報(環境変数LANGなど)と合致させてください。
JP1イベントの条件として指定した文字列の文字コードとjevexportコマンド実行時のロケール情報(環境変数LANGなど)が異なる場合,JP1イベントはcsvファイルに出力されません。
-t {ON | OFF}
JP1イベント登録時刻,JP1イベント到着時刻,および拡張属性の共通情報のSTART_TIMEやEND_TIMEを1970年1月1日からの通算秒の表記からYYYYMMDDhhmmssの西暦表示に変換したい場合は,ONを指定してください。西暦表示に変換しない場合は,OFFを指定してください。なお,このオプションを省略した場合は,OFFを指定した場合と同じ動作になります。
-l コードセット名
csv形式に変換するときに,イベントDB中の文字列を指定された文字コードに変換します。このオプションを省略した場合は,文字コードを変換しないで,イベントDBに登録されたコードセットの状態で出力します。指定できる文字コードを次に示します。
-
SJIS
-
EUCJIS
-
ISO2022JP
-
UTF-8
-k 項目ファイル名
csvファイルに出力したい拡張属性(固有情報)名を記述したテキストファイルを,255バイト以内で指定します。このオプションを指定した場合,イベントDBに記録された固有情報のうち,項目ファイルに記述された拡張属性の固有情報だけが出力されます。このオプションを省略した場合は,すべての固有情報がcsvファイルに出力されます。なお,基本属性と拡張属性の共通情報についてはすべて出力されます。
項目ファイルの記述形式を次に示します。
-
csvファイルに出力したい固有情報名を先頭(1バイト)から記述する。
-
csvファイルに出力したくない固有情報は,記述しないまたはコメント行(#を行頭に付ける)にする。
-
固有情報で,1970年1月1日からの通算秒で表記されているものについては固有情報名の前に@を付ける。
@を付けることによってYYYYMMDDhhmmssの西暦表示に変換できます。
ただし,名称の前に@を付けた固有情報に値が設定されていない場合は,0を仮定して西暦表示に変換します。TZ=JST-9の場合,「19700101090000」に変換します。
以上の条件をファイルに記述した例を次に示します。
AAA ← 時間変更なし @BBB ← YYYYMMDDhhmmssの西暦表示に変換する #CCC ← コメント行
-a
csvファイルの先頭行に基本属性および拡張属性のタイトル名を,見出し行として出力します。拡張属性の固有情報は,属性名称と属性値がペアで出力されるため,最初の個別拡張属性名だけがタイトルとして出力され,以降は省略されます。
日本語で出力する場合は,-lオプションのコードセット名に文字コードを指定してください。-lオプションを指定しない場合は,タイトル名は英語で出力されます。
注意事項
-
出力ファイル名,フィルターファイル名,および項目ファイル名の途中にスペースが入る場合は,ダブルクォーテーションマーク(")で囲んで指定してください。
-
このコマンドの実行中にイベントDBが切り替わった場合,その時点でcsv出力を中断し,メッセージを出力します。その際のcsvファイルの出力情報は保証できません。コマンドを再実行すると,正常な情報を出力できます。
-
このコマンドでは,イベントサーバ設定ファイル(conf)で指定したイベントDBのサイズ分のcsv出力を保証します。イベント情報をすべて保存したい場合は,イベントDBが切り替わる前に,比較キーワードWITHINなどを指定したフィルターファイルを-fオプションで指定して定期的に実行することを推奨します。イベントDBサイズの詳細については,「16. 定義ファイル」の「イベントサーバ設定ファイル」のdb-sizeオプションの説明を参照してください。
-
-lオプションで文字コードを変換する場合,機種依存文字は正しく変換できません。
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このコマンドでJP1/SES形式のイベントをcsvファイルに出力する場合,JP1/SES形式のイベントはコードセットを持たないため,文字列にダブルクォーテーションマークを含むイベントを正しくcsv形式に変換できないことがあります。
-
イベントIDは16進数でcsv出力されます。表計算ソフトで表示する場合,指数表示形式に合致したイベントID(例:000020E0)は指数形式で表示されることがあります。テキストファイルで表示すれば,文字列表示で確認できます。
-
破壊されたイベントDBをcsvファイルに出力した場合,破損していないデータは正常に出力されますが,破損しているデータ部分には,KAJP1765-Wのメッセージが出力されます。
-
このコマンドで出力できるcsvファイルのサイズは2ギガバイトまでです。イベントサーバ環境設定ファイル(conf)のdb-sizeパラメーターを1ギガバイト以上の値に設定している場合,フィルターを指定しないでコマンドを実行すると,csvファイルが2ギガバイトに達してコマンドがエラーになるおそれがあります。このコマンドをエラーにしないためには,-fオプションで出力するイベントを絞り込むか,-iオプションで1面ずつ出力してください。
戻り値
0 |
正常終了 |
1 |
引数エラー |
2 |
コマンド処理中にイベントDBの切り替わりが発生したためcsv出力を中断した |
3 |
イベントDBに破損レコードを検出した |
255 |
そのほかのエラー |
使用例
使用例を次に示します。
イベントサーバ名がServiceのイベントDBからfilter.txtに記述されたフィルター条件に合致したJP1イベントだけを取り出し,conf.txtファイルで指定された固有情報だけをcsv形式に変換して,csvconv.csvファイルに出力します。
jevexport -h Service -o csvconv.csv -f filter.txt -k conf.txt