5.4.1 環境設定で設定する項目
ここでは,環境設定で設定する項目について説明します。実際の設定手順については,「5.4.3 セットアップ」を参照してください。
(1) 共有フォルダの指定
論理ホストのセットアップ時に,実行系・待機系の切り替え時に情報を共有するための共有フォルダを指定します。指定した共有フォルダの配下に次の表に示すフォルダ,およびファイルを作成します。
共有ファイルの種別 |
共有ファイルの格納先フォルダ |
---|---|
定義ファイル |
共有フォルダ\jp1base\conf\ |
ログファイル |
共有フォルダ\jp1base\log\ |
イベントサーバ設定ファイル |
共有フォルダ\jp1base\event\ |
共有フォルダは,論理ホストごとに割り当ててください。論理ホストが異なる場合は,必ず別の共有フォルダを割り当ててください。共有ディスクのフォルダ構成例を次に示します。
- (例)論理ホストnode0の共有フォルダとして「\shdsk\node0」を指定する。
\shdsk\node0\jp1base\conf\ \shdsk\node0\jp1base\log\
なお,イベントサービスは,独自にクラスタの環境を設定できますが,「5.4.3 セットアップ」の手順どおりに環境設定をすると,イベントサーバインデックスファイル(index)に自動的に論理ホスト名と共有フォルダ下のイベントサーバ設定ファイル(conf)を作成します。
(2) 通信方式の設定
JP1/Baseでクラスタシステム用の設定をすると,TCP/IP通信で使うソケットのバインド方法を,自動的にIPアドレス指定方式に変更します。変更の対象は,作成する論理ホストおよび物理ホストの設定です。JP1/Baseの通信方式については,「2.10 JP1/Baseの通信方式」を参照してください。
なお,同一ホスト上で物理ホスト環境と論理ホスト環境を構築する場合は,ネットワーク制御の設定が必要です。詳細については,「5.4.5 同一ホスト上で物理ホスト環境と論理ホスト環境を構築する場合の設定」を参照してください。
(3) 共通定義情報の設定
JP1/BaseおよびJP1/Baseを前提とする製品(JP1/IM,JP1/AJS,およびJP1/Power Monitor)は,論理ホストごとの情報を共通定義情報としてローカルディスク上に持っており,論理ホストごとにその情報を同じ内容にする必要があります。
共通定義情報は,次に示す操作をしたときに更新されます。
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JP1/Base,およびJP1/Baseを前提とする製品(JP1/IM,JP1/AJS,およびJP1/Power Monitor)の共通定義情報を変更した場合
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jbsmkumapコマンド,jbssetumapコマンド,jbsrmumapコマンド,または[JP1/Base環境設定]ダイアログボックスでユーザーマッピング情報を変更した場合
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jbssetupsrvコマンドまたは[JP1/Base環境設定]ダイアログボックスで認証サーバを変更した場合
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jbsunsetcnfコマンドまたはjp1bshasetupコマンドを実行して,論理ホストの共通定義情報を削除した場合
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jbsmkpassコマンド,jbspassmgrコマンド,jbsumappassコマンド,jbsrmumappassコマンド,または[JP1/Base環境設定]ダイアログボックスでOSユーザーのパスワード管理情報を変更した場合
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jbshostsimportコマンドを実行して,jp1hosts情報を変更した場合
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jbschgdsコマンドを実行して,連携するディレクトリサーバを変更した場合
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jcocmddefコマンドを実行して,コマンド実行環境を設定した場合
共通定義情報を変更した場合は,「5.6 クラスタ運用中の設定変更時の作業」を参照して,共通定義情報を各サーバ上で一致させる作業を行ってください。
(4) クラスタソフトへの登録
クラスタソフトが論理ホストのJP1/Baseを制御できるようにするために,論理ホストに対応するJP1/Baseのサービスをクラスタソフトに登録します。論理ホストのサービスは,論理ホストをセットアップしたときに作成されます。