2.4.5 監視できないログファイル
次に示すログファイルは,ログファイルトラップで監視できません。
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毎回ファイルの先頭からログ情報が記録されるファイル
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作成時にNULL文字がファイルサイズ分出力されていて,出力されたログでNULL文字が上書きされるファイル(マルチプロセス対応トレースファイル(HTRACE)の監視を除く)
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ラップアラウンド時にログがすべて削除されないで,出力済みの一部のログだけが削除されるファイル
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データが書き込まれても日時が更新されないファイル,およびデータが書き込まれないのに日時が更新されるファイル
ラップアラウンドファイル(WRAP1)およびUPDタイプのログファイルを監視する場合,ログファイルトラップがログファイルを読み込む際に,更新日時を参照します。このようなファイルを監視すると,ログファイルトラップが正常に動作しないことがあります。
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バイナリーデータを含むファイル
ログファイル中の1行の終了文字以外でバイナリーデータを含むレコードがあるファイルです。
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ファイル名が特定できないファイル(UPDタイプのログファイルの監視を除く)
プロセスIDなど,ファイル名にその時々に応じて値が変わるものを含んでいるファイルです。
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ネットワークファイル
他コンピュータのファイルを,ファイル共有などでアクセスした場合,ネットワークの障害や遅延の際に動作を保証できません。
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1行だけ出力されるログファイル
ログファイルに常に1行しかログが存在しないファイルです。
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排他されるファイル
ログファイルトラップは,ログファイルを読み込みモードで開きます。読み込みモードでログファイルへアクセスできない場合は監視できません。また,Windowsでログの出力プログラムが排他をかけてからログを出力する場合は排他に失敗し,ログが出力されないことがあります。
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JP1/Baseがサポートしていない言語で出力されるファイル
JP1/BaseがWindowsでサポートしている言語はMS932,Unicode(UTF-8,UTF-16),およびCです。JP1/BaseがUNIXでサポートしている言語については,「3.4.2 使用する言語種別を設定する(UNIXの場合)」を参照してください。
- シーケンシャルファイル(SEQ3)を監視する場合
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ログ出力側で次に示す条件を満たしていないと,ログを正しく監視できないおそれがあります。
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ログ出力側でログが出力された直後は,一定時間(監視間隔時間に1秒以上足した時間)経過したあとに,ログファイルが削除されること。
ログが出力された直後にログファイルが削除された場合,図2-22に示すように,削除前に蓄積されていたログを読み込めないおそれがあります。
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ログ出力側でログ切り替え(ファイル削除および再作成)をする場合,ファイル削除または再作成のエラー発生時にリトライ処理をしていること。
Windowsでは,ログファイルトラップがログファイルを読み込んでいる(ファイルの状態がOPEN)ときは,ログ出力側によるログ切り替えに失敗することがあります。
ログファイルトラップは,監視間隔中はログファイルの状態をCLOSEにしているため,ログ出力側は一度ログ切り替えに失敗しても,リトライ処理をすることでログ切り替えができるようになります。したがって,ログ出力側でログ切り替えの際にリトライ処理が組み込まれていないと,ログ出力に失敗するおそれがあります。
図2‒21 シーケンシャルファイル(SEQ3)でログ出力を監視できないケース
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