jimasecret
機能
指定されたシークレットを難読化してシークレット管理ファイルに登録するコマンドです。登録したシークレットは,JP1/IM - Agentのサービスが読み込んで利用します。
このコマンドで設定できるシークレットについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「3.15.10 シークレット難読化機能」を参照してください。
形式
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シークレットを登録したキーを一覧表示する場合
jimasecret -list [-l 共有ディレクトリ]
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キーを指定してシークレットを追加または更新する場合
jimasecret -add -key キー名 -s シークレット [-l 共有ディレクトリ]
-
キーを指定してシークレットを削除する場合
jimasecret -rm -key キー名 [-l 共有ディレクトリ]
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
Linuxの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
-
Agentパス\tools\
- Linuxの場合
-
/opt/jp1ima/tools/
引数
- -list
-
登録したシークレットのキーを一覧表示します。シークレットは表示しません。
-add,-rmオプションと同時に指定できません。
- -add
-
キーを指定して新しいシークレットを登録します。
すでに登録済みのキーを指定した場合は,シークレットを上書きします。このとき,上書きの確認はしません。
登録できるシークレットは1,000個までです。
このオプションを指定する場合は,-keyおよび-sオプションも必須で指定します。
-list,-rmオプションと同時に指定できません。
- -rm
-
キーを指定して登録済みのシークレットを削除します。
存在しないキーを指定した場合は,エラーとなります。
このオプションを指定する場合は,-keyオプションも必須で指定します。
-list,-addオプションと同時に指定できません。
- -key キー名
-
追加,変更,削除するシークレットのキー名を指定します。
指定できる文字は,ASCIIコードの0x20〜0x7eの文字です。
指定できる長さは,最大1,024文字です。
具体的なキーの書式を次に示します。
- ■接続先のマネージャーの情報
-
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マネージャーホストへ接続するためのプロキシーパスワードのキー
immgr.proxy_user.認証ID
認証IDには,imagent設定ファイル(jpc_imagent.json)のimmgr.proxy_userに指定したユーザーIDを指定します。
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マネージャーホストへ接続するための初期シークレットのキー
immgr.initial_secret
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マネージャーホストへ接続するためのクライアントシークレットのキー
immgr.client_secret
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- ■統合エージェント制御基盤
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アクション実行で使用する実行ユーザーのパスワードを登録するためのキー
action.user.ユーザー名
ユーザー名にはimagent設定ファイル(jpc_imagent.json)のaction.usernameに指定したユーザーを指定します。
Windowsのみ有効です。Linuxの場合,設定しても無視されます。
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- 重要
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-keyに指定した値が正しい書式であるかのチェックは行われません。
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- メモ
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クライアントシークレットは,ユーザーが手動で削除する場合にだけ指定します。
- ■Blackbox exporterの場合
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プロキシ認証のパスワードを登録するときのキー
Blackbox.モジュール名.proxy_user.認証ID
モジュール名には,Blackbox exporter設定ファイル(jpc_blackbox_exporter.yml)に指定したモジュール名を指定します。
認証IDには,Blackbox exporter設定ファイル(jpc_blackbox_exporter.yml)のproxy_userに指定したユーザーIDを指定します。
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監視対象Webサーバのパスワードを登録するときのキー
Blackbox.モジュール名.basic_auth.認証ID
モジュール名には,Blackbox exporter設定ファイル(jpc_blackbox_exporter.yml)に指定したモジュール名を指定します。
認証IDには,Blackbox exporter設定ファイル(jpc_blackbox_exporter.yml)のbasic_auth.usernameに指定したユーザーIDを指定します。
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監視対象WebサーバのBearerトークンを登録するときのキー
Blackbox.モジュール名.bearer_token
モジュール名には,Blackbox exporter設定ファイル(jpc_blackbox_exporter.yml)に指定したモジュール名を指定します。
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- ■Primitorの場合
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Resource Discoveryのクライアントシークレットを登録するときのキー
Promitor.resource_discovery.env.AUTH_APPKEY
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Scraperのクライアントシークレットのキーを登録するときのキー
Promitor.scraper.env.AUTH_APPKEY
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- ■OracleDB exporterの場合
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Oracle Databaseに接続するためのパスワードを登録するキーには,次に示す2種類のキーがあります。
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Oracle Databaseに接続するためのパスワードのキー(ユーザー名を指定する形式)
OracleDB.user.ユーザー名
ユーザー名には,環境変数DATA_SOURCE_NAMEに設定しているユーザー名を指定します。大文字小文字を合わせてください。
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Oracle Databaseに接続するためのパスワードのキー(ホスト名,リスナーサービス名,ユーザー名を指定する形式)
OracleDB.host.ホスト名.listener.リスナーサービス名.user.ユーザー名
ホスト名には,環境変数DATA_SOURCE_NAMEのOracle Databaseサーバーのホスト名を指定します。大文字小文字を合わせてください。
リスナーサービス名には,環境変数DATA_SOURCE_NAMEのサービス名を指定します。大文字小文字を合わせてください。
ユーザー名には,環境変数DATA_SOURCE_NAMEに設定しているユーザー名を指定します。大文字小文字を合わせてください。
通常は,「ユーザー名を指定する形式」のキーを使用します。
同じユーザー名のユーザーが複数存在,かつ,異なるパスワードを設定して運用しているような環境の場合は,「サーバ名,リスナーサービス名,ユーザー名を指定する形式」のキーを使用して,Oracle Databaseホストやサービスごとにパスワードを設定する必要があります。
OracleDB exporterは,環境変数DATA_SOURCE_NAMEの値から,ホスト名,リスナーサービス名,ユーザー名の値を取得します。取得した値から「ユーザー名を指定する形式」のキー,および,「サーバ名,リスナーサービス名,ユーザー名を指定する形式」のキーを構成して,登録済みのパスワードを検索します。両方の形式でパスワードを取得できた場合は,「サーバ名,リスナーサービス名,ユーザー名を指定する形式」のキーを使用します。
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- ■Web exporterの場合
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Web exporterからWebシナリオを実行するためのパスワードを登録するキーには,次に示す2種類のキーがあります。
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Webシナリオを実行するためのパスワードのキー(ユーザー名を指定する形式)
Webscena.user.ユーザー名
ユーザー名には,Web exporter設定ファイル(jpc_web_exporter.yml)のusernameに指定したユーザーを指定します。
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Webシナリオを実行するためのパスワードのキー(ユーザー名,ドメイン名を指定する形式)
Webscena.user.ユーザー名.domainname.ドメイン名
ユーザー名には,Web exporter設定ファイル(jpc_web_exporter.yml)のusernameに指定したユーザーを指定します。
ドメイン名には,Web exporter設定ファイル(jpc_web_exporter.yml)のdomainnameに指定したドメイン名を指定します。
同じユーザー名のユーザーが複数存在する場合は,「ユーザー名,ドメイン名を指定する形式」のキーを使用します。
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- ■VMware exporterの場合
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VMware ESXiへ接続するためのセクションパスワードのキー
VMware exporterを使用する場合,1件目の接続先のセクション名は「default」となり,「default」用のシークレットが必須となるため,「vmware.section.default」をキーとして必ず指定してください。
vmware.section.セクション名
セクション名には,VMware exporter設定ファイル(jpc_vmware_exporter.yml)に指定したセクション名を指定します。
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- -s シークレット
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追加または更新するシークレット(パスワード)を指定します。
指定できる文字は,ASCIIコードの0x20〜0x7eの文字です。
指定できる長さは,最大1,024文字です。
- -l 共有ディレクトリ
-
論理ホスト環境を対象にする場合は,論理ホストの共有ディレクトリを指定します。
相対パスまたは絶対パスで指定します。
指定できるパスの長さは63バイトまでです。
文字種のチェックは行われません。
注意事項
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-keyに指定した値が正しい書式であるかのチェックは行いません。
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このコマンドの実行時に,シークレット(パスワード)に次の表に示す対象文字が含まれている場合,エスケープが必要となります。
エスケープが必要となる対象文字
エスケープの方法
エスケープの例
"
Window環境およびLinux環境の両方でエスケープが必要です。
対象記号の前にエスケープ文字「\」を挿入します。
\"パスワード
^
Window環境およびLinux環境の両方でエスケープが必要です。
パスワードをダブルクォーテーション「"」で囲みます。
"^パスワード"
<
"<パスワード"
>
">パスワード"
&
"&パスワード"
|
"|パスワード"
!
Linux環境の場合だけエスケープが必要です。
対象記号の前にエスケープ文字「\」を挿入します。
\!パスワード
$
\$パスワード
¥
\\パスワード
`
\`パスワード
'
Linux環境の場合だけエスケープが必要です。
パスワードをダブルクォーテーション「"」で囲みます。
"'パスワード"
(
"(パスワード"
)
")パスワード"
;
";パスワード"
戻り値
0 |
正常終了 |
1 |
異常終了(ユーザー起因のエラー) |
2 |
異常終了(その他のエラー) |
ログの出力
-
出力先
■Windowsの場合
Agentパス\logs\tools\
■Linuxの場合
/opt/jp1ima/logs/tools/
使用例
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シークレットを登録する場合
> jimasecret -add -key Blackbox.http1.proxy_user.p-user01 -s password01
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シークレットを削除する場合
> jimasecret -rm -key Blackbox.http1.proxy _user.p-user01
-
登録済みのキーを一覧表示する場合
> jimasecret -list Blackbox.http1.proxy_user.p-user01 Blackbox.http1.basic_auth.w-user01 immgr.proxy_user.user01