Hitachi

JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス


11.6.2 導入(AWS CloudWatch連携ツール)

〈この項の構成〉

(1) 事前準備

(a) CloudWatch Logs(EC2上のアプリケーションログをJP1イベントとして登録する場合)

  1. JP1イベントとして登録したいアプリケーションログをCloudWatch Logsへ転送するために,対象のEC2にCloudWatch Logsエージェントのインストールとセットアップを行います。

    詳細については,Amazon CloudWatchのドキュメントを参照してください。

    ■クイックスタート:実行中のEC2 LinuxインスタンスにCloudWatch Logsエージェントをインストールして設定する

  2. CloudWatch Logsへ転送されるアプリケーションログを解析するためのメトリクスフィルタを作成します。

    詳細については,Amazon CloudWatchのドキュメントを参照してください。

    ■クイックスタート:フィルターを使用したログイベントからのメトリクスの作成

  3. 作成したメトリクスフィルタを監視するアラームを作成します。

    詳細については,Amazon CloudWatchのドキュメントを参照してください。

    ■クイックスタート:Amazon CloudWatch でのアラームの使用

(b) CloudTrailの証跡をJP1イベントとして登録する場合

  1. CloudTrailが記録した証跡をJP1イベントとして登録する場合,CloudTrailの証跡をCloudWatch Logsへ転送する設定を行います。

    詳細については,AWS Cloud Trailのドキュメントを参照してください。

    ■CloudWatch Logsへのイベントの送信

  2. CloudTrailの証跡を解析するメトリクスフィルタを作成し,メトリクスフィルタを監視するアラームを作成します。

    詳細については,Amazon CloudWatchのドキュメントを参照してください。

    ■Creating CloudWatch alarms for CloudTrail events: examples(英語)

(2) インストール

(a) AWS CloudWatch連携ツールの配置

AWS CloudWatch連携ツールを配置します。

  1. AWS CloudWatch連携ツールの実行サーバーへログインします。

  2. 「sendevent_aws」ディレクトリを任意のディレクトリにコピーします。

  3. 手順2.でコピーしたディレクトリおよびファイルに必要な権限を付与します。

    表11‒79 AWS CloudWatch連携ツールのディレクトリ構成

    項番

    ディレクトリ構成

    説明

    必要な権限

    1

    sendevent_aws

    AWS CloudWatch連携ツールディレクトリ

    書込権限※1

    2

    sendevent_aws.py

    AWS CloudWatch連携ツール

    実行権限※2

    3

    logging.conf

    ログ設定ファイル

    読込権限※3

    4

    eventconf.csv

    イベント定義ファイル

    読込権限※3

    5

    eventignore.csv

    イベント除外ファイル

    読込権限※3

    注※1

    書込権限:AWS CloudWatch連携ツールを実行するユーザーが,書き込みできる権限を付与してください。

    注※2

    実行権限:AWS CloudWatch連携ツールを実行するユーザーが,実行できる権限を付与してください。

    注※3

    読込権限:AWS CloudWatch連携ツールを実行するユーザーが,読み込みできる権限を付与してください。

(3) セットアップ

(a) AWS CloudWatch連携ツール

AWS CloudWatch連携ツールのAWS CLI,JP1/Baseに関する設定手順について説明します。

設定項目
  • AWS CLIインストールディレクトリ

  • JP1/Baseインストールディレクトリ

  • AWSアクセスキーID/シークレットアクセスキー

  • AWSリージョン

  • プロキシ設定

  1. AWS CloudWatch連携ツールの実行サーバーへログインします。

  2. 11.6.2(2)(a)AWS CloudWatch連携ツールの配置」でコピーした「sendevent_aws」ディレクトリ配下にある「sendevent_aws.py」をテキストエディターで開きます。

  3. 18〜25行目のユーザー可変値を設定します。

    表11‒80 AWS CloudWatch連携ツール(sendevent_aws.py)のユーザー可変値

    項番

    パラメーター

    必須/任意

    内容

    1

    AWS_CLI_DIR

    必須

    AWS CLIのインストールディレクトリを指定します。

    2

    BASE_DIR

    必須

    JP1/BASEのインストールディレクトリを指定します。

    3

    ACCESS_KEY

    任意

    AWSのアクセスキーIDを設定します。ただし,AWS CLI(aws configure)でアクセスキーIDを設定されている場合は設定不要です。※1

    4

    SECRET_ACCESS_KEY

    任意

    AWSのシークレットアクセスキーを設定します。ただし,AWS CLI(aws configure)でシークレットアクセスキーを設定されている場合は設定不要です。※1

    5

    DEFAULT_REGION

    必須

    AWSのリージョンを設定します。

    6

    HTTP_PROXY

    任意

    AWS CLIをプロキシ経由でアクセスする場合は,プロキシURL,ユーザー名,パスワードを指定します。※2

    指定されていない場合は,OS側で設定されているHTTP_PROXY/HTTPS_PROXYの値を使用します。

    7

    HTTPS_PROXY

    任意

    注※1

    指定するアカウントには,次のポリシーが必要です。

    ・DescribeAlarms

    ・DescribeAlarmHistory

    注※2

    設定値については,Amazon Command Line Interfaceのドキュメントを参照してください。

    ■HTTPプロキシを使用する−プロキシを認証する

    設定例を次に示します。

    19: ###############################################################
    20: # ユーザ可変値(値はダブルクォートで括る)
    21: ###############################################################
    22: AWS_CLI_DIR = r"C:\Program Files\Amazon\AWSCLI\bin"
    23: BASE_DIR = r"C:\Program Files (x86)\Hitachi\JP1Base"
    24: ACCESS_KEY = "AAAAAAAAAA"
    25: SECRET_ACCESS_KEY = "BBBBBBBBBB"
    26: DEFAULT_REGION = "ap-northeast-1"
    27: HTTP_PROXY = "http://username:password@proxy.example.com:1234"
    28: HTTPS_PROXY = "http://username:password@proxy.example.com:1234"
    29: ###############################################################
  4. 手順2.でユーザー可変値を設定したあと,次に示す文字コード/改行コードで保存してください。

    表11‒81 AWS CloudWatch連携ツール(sendevent_aws.py)の文字コード/改行コード

    項番

    項目

    1

    文字コード

    UTF-8(BOM無し)

    2

    改行コード

    LF(\n)またはCRLF(\r\n

(b) AWS CloudWatch連携ツールのログ設定ファイル(logging.conf)

AWS CloudWatch連携ツールのログに関する設定手順について説明します。

設定項目
  • ログレベル

  • ログファイル

  • ログローテーションサイズ

  • ログ世代数

  1. AWS CloudWatch連携ツールの実行サーバーへログインします。

  2. 11.6.2(2)(a)AWS CloudWatch連携ツールの配置」でコピーした「sendevent_aws」配下にある「logging.conf」をテキストエディターで開きます。

  3. 次の行を変更します。

    11行目

    11: level=INFO※1

    17行目

    17: args=('sendevent_aws.log', 'a', 2097152, 3, 'utf-8')※2※3※4
    注※1

    ログレベルを指定します。DEBUG,INFO,WARNING,ERROR,またはCRITICALを指定できます。

    注※2

    ログファイルパスを指定します。絶対パス,または相対パスを指定できます。

    注※3

    ログローテーションサイズ(バイト)を指定します。

    注※4

    ログ世代数を指定します。

    詳細については,Pythonのドキュメントを参照してください。

    ■環境設定ファイルの書式

  4. 手順2.でユーザー可変値を設定したあと,次に示す文字コード/改行コードで保存してください。

    表11‒82 AWS CloudWatch連携ツールのログ設定ファイル(logging.conf)の文字コード/改行コード

    項番

    項目

    1

    文字コード

    UTF-8

    2

    改行コード

    LF(\n)またはCRLF(\r\n

(c) イベント定義ファイル(eventconf.csv)

AWS CloudWatch連携ツールの登録するJP1イベントの設定手順について説明します。

設定項目
  • JP1イベント登録条件

  • JP1イベント情報

  1. AWS CloudWatch連携ツールの実行サーバーへログインします。

  2. AWS CloudWatch連携ツールディレクトリ配下にある「eventconf.csv」をエディタで開き,イベント定義を設定します。

    • 1行1エントリーで記載してください。

    • 1文字目が「#」の行はコメント行となり無視されます。

    • CSV形式で記載してください。

    • JP1イベント定義は上から検索され,はじめに条件に合致した条件のJP1イベントが発行されます。

    CSVの各カラムを次の表に示します。

    表11‒83 イベント定義の各カラム

    カラム番号

    設定値

    必須/任意

    値の範囲

    1

    JP1イベントとして登録したいアラームのアラーム名を指定します。

    該当のアラームを対象としたい場合に指定します。

    必須※1

    AWSのアラーム名がサポートする範囲

    2

    JP1イベントとして登録したいアラームのメトリクスの名前空間を指定します。

    該当のメトリクスの名前空間のアラームを対象としたい場合に指定します。

    メトリクス名(カラム番号:3)を指定する場合は指定必須です。

    アラーム名(カラム番号:1)を指定した場合は無視されます。

    必須※1

    AWSのメトリクスの名前空間がサポートする範囲

    3

    JP1イベントとして登録したいアラームのメトリクス名を指定します。

    該当のメトリクスのアラームを対象としたい場合に指定します。

    アラーム名(カラム番号:1)を指定した場合は無視されます。

    必須※1

    AWSのメトリクス名がサポートする範囲

    4

    登録するJP1イベントのイベントIDを指定します。※2

    任意

    jevsendコマンドの引数-iがサポートする範囲

    5

    登録するJP1イベントのメッセージテキストを指定します。

    省略した場合は,アラームのstateReasonの値を使用します。※4

    任意

    jevsendコマンドの引数-mがサポートする範囲

    6

    登録するJP1イベントの送信先イベントサーバー名を指定します。※2

    任意

    jevsendコマンドの引数-dがサポートする範囲

    7

    登録するJP1イベントの送信元イベントサーバー名を指定します。※2

    任意

    jevsendコマンドの引数-sがサポートする範囲

    8以降

    登録するJP1イベントの拡張属性を指定します。※2※3

    拡張属性を複数指定する場合は,カラム番号:7以降で指定します。

    任意

    jevsendコマンドの引数-eがサポートする範囲。

    なお,拡張属性値にスペースが含まれる場合でも「"」の指定は不要です。(「"」も拡張属性値と認識されます)

    注※1

    JP1イベント登録条件(カラム番号:1〜3)は,次のどれかのパターンで指定する必要があります。

    ・アラーム名(カラム番号:1)

    ・メトリクスの名前空間(カラム番号:2)

    ・メトリクスの名前空間(カラム番号:2)とメトリクス名(カラム番号:3)

    注※2

    省略時は,対応するjevsendコマンドのオプションの省略時の動作となります。

    注※3

    指定された拡張属性以外にAWS CloudWatch連携ツールが追加する拡張属性があります。追加する拡張属性を次に示します。

    表11‒84 AWS CloudWatch連携ツールが追加する拡張属性

    項番

    属性名

    1

    AWS_ALARM_TIMESTAMP

    アラームが発生した日時(UNIX時間)

    2

    AWS_ALARM_DATETIME

    アラームが発生した日時(YYYY/mm/dd HH:MM:SS形式)

    注※4

    1,023バイトを超えるメッセージの場合は,1,023バイトまでを対象とします。

    設定例を次に示します。

    #AlermName,NameSpace,MetricName,EventID,Message,Destination,Source,ExtAttr
    ALARM1,,,1111,message1,DEST_HOST,SRC_HOST,EXATTR1=value1,EXATTR2=value2,EXATTR3=value3,NAME_SPACE,,2222,message2,DEST_HOST,SRC_HOST,EXATTR1=aaa bbb,EXATTR2=value,NAME_SPACE,METRIC1,3333,message3,DEST_HOST,SRC_HOST,EXATTR1=value
  3. 手順2.で設定を変更したあと,次に示す文字コード/改行コードで保存してください。

    表11‒85 イベント定義ファイル(eventconf.csv)の文字コード/改行コード

    項番

    項目

    1

    文字コード

    UTF-8

    2

    改行コード

    LF(\n)またはCRLF(\r\n

(d) イベント除外ファイル(eventignore.csv)

AWS CloudWatch連携ツールの除外するJP1イベントの設定手順について説明します。

設定項目
  • JP1イベント除外条件

  1. AWS CloudWatch連携ツール実行サーバへログインします。

  2. AWS CloudWatch連携ツールディレクトリ配下にある「eventignore.csv」をエディタで開き,イベント定義を設定します。

    • 1行1エントリーで記載してください。

    • 1文字目が「#」の行はコメント行となり無視されます。

    • CSV形式で記載してください。

    • JP1イベント除外定義は上から順番に判定され,合致した場合JP1イベント対象外となります。

    CSVの各カラムを次の表に示します。

    表11‒86 イベント除外定義の各カラム

    カラム番号

    設定値

    必須/任意

    値の範囲

    1

    JP1イベントとして登録したいアラームのアラーム名を指定します。

    該当のアラームを対象としたい場合に指定します。

    必須※1

    AWSのアラーム名がサポートする範囲

    2

    JP1イベントとして登録したいアラームのメトリクスの名前空間を指定します。

    該当のメトリクスの名前空間のアラームを対象としたい場合に指定します。

    メトリクス名(カラム番号:3)を指定する場合は指定必須です。

    アラーム名(カラム番号:1)を指定した場合は無視されます。

    必須※1

    AWSのメトリクスの名前空間がサポートする範囲

    3

    JP1イベントとして登録したいアラームのメトリクス名を指定します。

    該当のメトリクスのアラームを対象としたい場合に指定します。

    アラーム名(カラム番号:1)を指定した場合は無視されます。

    必須※1

    AWSのメトリクス名がサポートする範囲

    注※1

    JP1イベント登録条件(カラム番号:1〜3)は,次のどれかのパターンで指定する必要があります。

    ・アラーム名(カラム番号:1)

    ・メトリクスの名前空間(カラム番号:2)

    ・メトリクスの名前空間(カラム番号:2)とメトリクス名(カラム番号:3)

    設定例を次に示します。

    #AlermName,NameSpace,MetricName
    ALARM1,,,NAME_SPACE,,NAME_SPACE,METRIC1
  3. 手順2.で設定を変更したあと,次に示す文字コード/改行コードで保存してください。

    表11‒87 イベント除外ファイル(eventignore.csv)の文字コード/改行コード

    項番

    項目

    1

    文字コード

    UTF-8

    2

    改行コード

    LF(\n)またはCRLF(\r\n

(4) アンインストール

(a) AWS CloudWatch連携ツールのアンインストール

AWS CloudWatch連携ツールのアンインストール手順を次に示します。

  1. AWS CloudWatch連携ツールの実行サーバーへログインします。

  2. 11.6.2(2)(a)AWS CloudWatch連携ツールの配置」でコピーした「sendevent_aws」ディレクトリを削除します。