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JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager 運用ガイド


6.9.2 JP1イベントの固有の拡張属性を表示する(イベント情報のマッピング)

基本属性または共通の拡張属性の項目にマッピングして,イベント一覧の表示項目(基本属性または共通の拡張属性)の欄に,固有の拡張属性の内容を表示できます。

例を次に示します。

マッピング定義の設定

次に示すマッピング定義が設定されています。

イベント情報マッピング定義1

固有の拡張属性「LOGHOST」を「登録ホスト名」にマッピング

マッピング対象のイベントID:12E0

イベント情報マッピング定義2

固有の拡張属性「LOGTIME」を「到着時刻」にマッピング

マッピング対象のイベントID:12E0

発行されたイベント

次の内容のイベントが発行されました。

表6‒6 イベント発行内容

項番

属性

内容

1

重大度

エラー

2

登録時刻

2001/10/30 17:47:31

3

到着時刻

2001/10/30 17:47:39

4

登録ホスト名

host_A

5

ユーザー名

jp1nps

6

イベントID

000012E0

7

メッセージ

KAJC391-E …

8

LOGHOST

loghost_1

9

LOGTIME

1003976997

注※ 時刻形式では,2001/10/25 11:29:57になります。

[イベントコンソール]画面での表示

通常,[イベントコンソール]画面のイベント一覧では,上記の表の項番1〜項番7の内容が表示されますが,項番8を項番4に,項番9を項番3にマッピングしているため,次のように表示されます。

表6‒7 [イベントコンソール]画面での表示

重大度

登録時刻

到着時刻

登録ホスト名

ユーザー名

イベントID

メッセージ

エラー

10/25 17:47:31

# 10/25 11:29:57

# loghost_1

jp1nps

000012E0

KAJC391-E …

固有の拡張属性を表示するには,[イベント情報マッピング定義]画面で表示項目と固有の拡張属性とをマッピングします。[イベント情報マッピング定義]画面を起動するには,JP1_Console_Admin権限が必要です。また,業務グループの参照・操作制限を設定している場合,JP1資源グループとJP1権限レベルの組み合わせによっては操作できないことがあります。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「4.1.4(2) JP1ユーザーに対するJP1資源グループとJP1権限レベルの割り当て」を参照してください。

メモ

イベント情報マッピングと発生元ホストのマッピングの違いについて

イベント情報マッピングは,JP1イベントの拡張属性の属性値をイベント一覧の表示項目の属性にマッピングして表示する機能です。イベント一覧の「登録ホスト名」に,別の属性値を表示できます。ただし,この機能は,イベント一覧上の表示の変更に限るため,アクションやイベント相関などのイベント条件には利用できません。

これに対し,発生元ホストのマッピングは,JP1/IM - Managerが取得したJP1イベントのホスト名と発生元ホスト名を登録し,JP1イベントを監視・管理するための機能です。イベント一覧の「発生元ホスト名」に表示でき,アクションやイベント相関などのイベント条件にも利用できます。ただし,統合監視DBを使用し,発生元ホストのマッピングを有効にする必要があります。

固有の拡張属性をマッピングする手順は次のとおりです。

  1. [イベントコンソール]画面で[オプション]−[イベント情報マッピング定義]を選択する。

    [イベント情報マッピング定義]画面が表示されます。

    [定義一覧]には,現在設定されているマッピング定義情報の一覧が表示されています。

    最大で16個のマッピング定義ができます。

  2. イベント情報マッピングを有効にするために,[マッピング]の[する]を選択する。

  3. 新規にマッピングを定義するには,[追加]ボタンをクリックする。定義済みのマッピング情報を変更するには,[定義一覧]リストの項目を選択してから[編集]ボタンをクリックするか,[定義一覧]リストの項目をダブルクリックする。

    [イベント情報マッピング詳細定義]画面が表示されます。

  4. [表示項目]から,イベント一覧のどの表示項目に固有の拡張属性をマッピングするかを選択する。

    選択できる項目は,[ユーザー環境設定]画面で選択できる次の項目です。

    発行元プロセスID,到着時刻,発行元ユーザーID,発行元グループID,発行元ユーザー名,発行元グループ名,登録ホスト名,発行元イベントDB内通し番号,重大度,ユーザー名,プロダクト名,オブジェクトタイプ,オブジェクト名,登録名タイプ,登録名,事象種別,開始時刻,終了時刻

    • 指定例:登録ホスト名

  5. [固有の拡張属性名]に,マッピングする固有の拡張属性の名前を指定する。

    指定できる文字は,32文字までの,半角英大文字,半角数字,および半角のアンダースコアです。拡張属性を表す「E」は不要です。

    一つの表示項目には,一つだけの固有の拡張属性をマッピングできます。

    到着時刻,開始時刻,および終了時刻に固有の拡張属性をマッピングするときは,属性値が数値(UTC 1970年1月1日00:00:00からの秒数0〜4,102,444,799)である属性名を指定します。数値以外,または範囲外の数値を持つ属性を指定した場合は,元の属性が表示されます。

    • 指定例:LOGHOST

  6. [イベントID]に,マッピングするJP1イベントのイベントIDを指定する。

    指定できる文字は,1,000文字までの,A〜Fまたはa〜fの半角英字,半角数字,および半角のコンマです。16進数で指定します。指定できる範囲は,00000000〜7FFFFFFFです。

    複数のイベントIDを指定する場合は,コンマで区切って100個まで指定できます。

    • 指定例1:3FFF

    • 指定例2:12345B,7FFFFFFF

  7. [OK]ボタンをクリックする。

    [イベント情報マッピング詳細定義]画面が閉じ,設定した内容が[イベント情報マッピング定義]画面に反映されます。

  8. [イベント情報マッピング定義]画面で[適用]ボタンをクリックする。

    [適用]ボタンがクリックされたあとに到着したイベントから,このマッピング定義に沿って固有の拡張属性が表示されます。

表示フィルター,重要イベントフィルター,ユーザーフィルターを使用するときは,マッピングした固有の拡張属性を指定してJP1イベントをフィルタリングできます。

固有の拡張属性が表示されているときは,表示された属性値の先頭に「# 」(シャープ記号と半角の空白)が表示されます。

表示されている固有の拡張属性をフィルター条件として指定する場合は,「# 」を入力する必要はありません。

また,[ユーザー環境設定]画面の[カラーリング]で[有効]チェックボックスをチェックしていた場合,イベントの重大度に基づいてイベントの行に背景色がつきます。

[イベント情報マッピング定義]画面で設定内容を変更した場合は,その変更内容が,同じJP1/IM - Managerに接続されているすべてのJP1/IM - Viewのイベント一覧に反映されます。

マッピングされる前の情報を参照するには,マッピングされたイベントを選択してから[イベント詳細]画面を表示します。[イベント詳細]画面に,マッピングされる前の情報が表示されます。なお,イベント拡張属性定義ファイルを使用すれば,[イベント詳細]画面に,固有の拡張属性を表示できます。詳細については,次の説明を参照してください。

イベント拡張属性定義ファイルを使った固有の拡張属性の表示について

参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「4.14 ユーザー独自のイベント属性の表示」

イベント拡張属性定義ファイルについて

参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「イベント拡張属性定義ファイル」(2. 定義ファイル)

なお,固有の拡張属性をマッピングする場合には,次の点に注意してください。