8.6.2 JP1/IM - Agentのバージョンアップインストール(UNIXの場合)
実行系サーバ,待機系サーバそれぞれのローカルディスク上にJP1/IM - Agentをインストールしてください。
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JP1/IM - Agentのサービスを停止する。
クラスタソフトから論理ホストのJP1/IM - Agentのサービスを停止します。物理ホストでも運用している場合は,物理ホストのJP1/IM - Agentのサービスを停止します。
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JP1/IM - Agentをバージョンアップインストールする。
インストール方法については,「2.3.1(2) JP1/IM - Agentのインストールの手順」を参照してください。
実行系サーバと待機系サーバの両方で実施します。
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共有ディレクトリの中身を追加する。(13-01以前から13-10以降にバージョンアップする場合)
1. 共有ディレクトリに下記のディレクトリを作成する。
コマンドプロンプトで共有ディレクトリに移動してから,次のコマンドを実行します。
mkdir -m 700 jp1ima/logs/vmware_exporter/
2. 追加された定義ファイル(拡張子が「.model」と「.update」のファイル)を共有ディレクトリにコピーする。
実行系サーバの/opt/jp1ima/confに存在する拡張子が「.model」と「.update」のファイルを,共有ディレクトリ/jp1ima/confにコピーします。
コピーする際には,オーナー,オーナーグループ,パーミッションを引き継いでコピーしてください。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
cp -a /opt/jp1ima/conf/jpc_file_sd_config_vmware.yml.model 共有ディレクトリ/jp1ima/conf cp -a /opt/jp1ima/conf/jpc_vmware_exporter.yml.model 共有ディレクトリ/jp1ima/conf cp -a /opt/jp1ima/conf/jpc_vmware_exporter.service.model 共有ディレクトリ/jp1ima/conf cp -a /opt/jp1ima/conf/jpc_product_deffile_list.json.update 共有ディレクトリ/jp1ima/conf
3. 定義ファイルのファイル名から「.model」または「.update」を除去する。
共有ディレクトリ/jp1ima/confにコピーした定義ファイルに対して,ファイル名の末尾に付与されている「.model」または「.update」を除去します。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
rename .model '' 共有ディレクトリ/jp1ima/conf/*.model mv -f 共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_product_deffile_list.json.update 共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_product_deffile_list.json
4. 追加された定義ファイル内に記載されている変数を書き換える。
共有ディレクトリ/jp1ima/confにコピーした定義ファイルには,下記の表に示す変数名が記載されています。各変数名で検索して,該当する個所をすべて下記の表のとおりに書き換えます。
変数名
書き換える値
@@hostname@@
論理ホスト名に置換します。
@@installdir1@@
「/opt」に置換します。
@@installdir2@@
共有ディレクトリのパスに置換します。
5. 追加されたサービスのバインド方式をIPバインド方式に変更する。
物理ホストと論理ホストの両方で設定する必要があります。
物理ホストについては,両ノードで設定が必要です。物理ホストについては設定変更後にサービスの再起動が必要となります。
物理ホストでは,下記の定義ファイルの変更個所に,物理ホスト名を設定します。
サービス
対象ファイル
変更個所
vmware_exporter
/usr/lib/systemd/system/jpc_vmware_exporter.service
次のようにコマンドラインオプション--addressをコマンドラインに追記する。
ExecStart = /bin/sh -c '"/opt/jp1ima/bin/vmware_exporter" \
--address="物理ホスト名" \
...
論理ホストでは,下記の定義ファイルの変更個所に,論理ホスト名を設定します。
サービス
対象ファイル
変更個所
vmware_exporter
共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_vmware_exporter.service
次のようにコマンドラインオプション--addressをコマンドラインに追記する。
ExecStart = /bin/sh -c '"/opt/jp1ima/bin/vmware_exporter" \
--address="論理ホスト名" \
...
6. 追加されたユニット定義ファイルのDescriptionに論理ホスト名を付与する。
共有ディレクトリ/jp1ima/conf下にある追加されたユニット定義ファイルに対して,ファイル内に記載されているDescriptionに論理ホスト名を付与します。
ユニット定義ファイルのファイル名:jpc_サービス名.service
使用しないサービスに対しても実施してください。
対象ファイル
変更前
変更後
共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_vmware_exporter.service
Description = JP1/IM3-Agent VMware metric collector
Description = JP1/IM3-Agent VMware metric collector論理ホスト名
7. 追加されたユニット定義ファイルのファイル名に論理ホスト名を付与する。
共有ディレクトリ/jp1ima/conf下にあるユニット定義ファイルのファイル名に論理ホスト名を付与します。
変更前のファイル名:jpc_サービス名.service
変更後のファイル名:jpc_サービス名_論理ホスト名.service
使用しないサービスに対しても実施してください。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
rename .service _論理ホスト名.service 共有ディレクトリ/jp1ima/conf/*.service
8. 追加されたユニット定義ファイルを/usr/lib/systemd/systemにコピーする。
共有ディレクトリ/jp1ima/conf下にあるユニット定義ファイル(手順7でファイル名を変更したファイル)を,実行系サーバと待機系サーバの両方の/usr/lib/systemd/systemにコピーします。
必ず/usr/lib/systemd/systemにコピーしてください。ファイルの移動にしてしまうとSELinuxの場合に適切なコンテキストがユニット定義ファイルに設定されず,systemdが認識できないことがあります。
コピーしたユニット定義ファイルはパーミッション644,オーナーroot:rootを設定してください。
使用しないサービスに対しても実施してください。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
cp 共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_vmware_exporter_論理ホスト名.service /usr/lib/systemd/system chmod 644 /usr/lib/systemd/system/jpc_vmware_exporter_論理ホスト名.service /usr/lib/systemd/system chown root:root /usr/lib/systemd/system/jpc_vmware_exporter_論理ホスト名.service
/usr/lib/systemd/systemに配置したあとでユニット定義ファイルの内容を修正した場合は,下記のコマンドを実行してsystemdをリロードしてください。
systemctl daemon-reload
9. 共有ディレクトリにある追加されたユニット定義ファイルを削除する。
共有ディレクトリ/jp1ima/conf下にあるユニット定義ファイル(手順8のコピー元ファイル)は不要であるため,削除します。
使用しないサービスに対しても実施してください。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
rm -f 共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_vmware_exporter_論理ホスト名.service
10. 追加されたサービスを使用しない場合は論理ホスト用のサービスを無効にする。
論理ホストで使用するサービスについて,実行系サーバと待機系サーバの両方で,使用しない論理ホスト用のサービスを無効にしてください。
論理ホストのサービスを無効にするには,次のコマンドを使用します。
/opt/jp1ima/tools/jpc_service -off jpc_vmware_exporter -h 論理ホスト名
また,論理ホストで使用しないサービスについて,次に示すディスカバリ設定ファイルを,共有ディレクトリ/jp1ima/confディレクトリから共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_file_sd_config_offディレクトリに移動します。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
mv 共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_file_sd_config_vmware.yml 共有ディレクトリ/jp1ima/conf/jpc_file_sd_config_off
11. systemdに追加されたサービスが登録されたことを確認する。
実行系サーバと待機系サーバの両方で,systemdのサービス一覧を表示して,論理ホスト用のサービスが登録されたことを確認します。
論理ホスト用のサービスの名称は,ユニット定義ファイルのファイル名となります。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
systemctl list-unit-files -t service
12. 追加されたアドオンプログラムで必要な設定を行う。
追加されたアドオンプログラムを使用する場合,「2.19.2 (14) VMware exporterの設定」および「2.19.2(3)(i) VMware exporterのスクレイプジョブを追加する(Linuxの場合)(オプション)」を参照して必要な設定を行います。
13. クラスタソフトに論理ホスト用のサービスを登録する。
クラスタソフトに論理ホスト用のサービスを登録します。
対象のサービス名は次のとおりです。使用するサービスだけをクラスタソフトに登録します。
jpc_vmware_exporter
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起動
次のコマンドでサービスを起動します。
/opt/jp1ima/tools/jpc_service_start -s jpc_vmware_exporter -h 論理ホスト名
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停止
次のコマンドでサービスを停止します。
/opt/jp1ima/tools/jpc_service_stop -s jpc_vmware_exporter -h 論理ホスト名
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強制停止
次のコマンドでサービスを強制停止します。
/opt/jp1ima/tools/jpc_service_stop -s jpc_vmware_exporter -h 論理ホスト名 -f
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動作監視
次のコマンドでサービスのステータスをチェックします。
systemctl is-active jpc_vmware_exporter_論理ホスト名
14. 動作に問題がないか確認する。
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クラスタソフトからサービスを起動します。
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フェールオーバーさせます。
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JP1/IM - Agentのサービスを起動する。
クラスタソフトから論理ホストのJP1/IM - Agentのサービスを起動します。
物理ホストでも運用している場合は,物理ホストのJP1/IM - Agentのサービスを起動します。