1.23.3 SAPシステム監視の設定
ここでは,統合エージェントホストのオプション機能であるSAPシステム監視機能のうち,SAPシステムのログ抽出コマンドの設定手順について説明します。
SAPシステムのログ抽出コマンド以外の,SAPシステム監視機能の設定手順については,次のとおりです。
機能 |
設定手順 |
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スクリプト実行機能(Script exporter) |
この機能を使用する場合は,SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップが完了したあとに,次の個所に記載している設定手順を実施します。 |
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SAPシステムのログ抽出コマンド(jr3slget,jr3alget) |
この項に記載している設定手順を実施します。 |
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スクリプト実行結果監視機能 |
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スクリプト実行結果監視機能(Fluentd) |
この機能を使用する場合は,SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップが完了したあとに,次の個所に記載している設定手順を実施します。 |
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スクリプト実行結果監視機能(JP1/Base) |
この機能を使用する場合は,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の,JP1/Baseのログファイルトラップに関する記載を参照してください。 |
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メトリック送信機能 |
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メトリック送信機能(Script exporter) |
スクリプト実行機能(Script exporter)の設定手順を実施することで使用できます。 |
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メトリック送信機能(Fluentd) |
スクリプト実行機能(Fluentd)の設定手順を実施することで使用できます。 |
- 〈この項の構成〉
(1) SAPシステム監視の設定の前準備
SAPシステム監視の設定をする前準備について説明します。
(a) セットアップアーカイブファイルの入手
SAPシステム監視を使用するためのアーカイブファイルを取得します。アーカイブファイルはJP1/IM - Agentのインストール先フォルダに格納されています。
アーカイブファイルのファイル名は,次のとおりです。
JP1/IM - Agent のインストール先/jp1ima/options/
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sap_windows_VVRRSS.zip(Windows版)
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sap_linux_VVRRSS.tar.gz(Linux版)
(b) SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップ
同梱するSAPのログ抽出コマンドは,JP1/PFM - Agent for EAPとJP1/IM - Agentが同居していない場合にだけ使用できます。JP1/PFM - Agent for EAPとJP1/IM - Agentが同居する環境での手順については,「1.23.3(1)(d) JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境での構築手順」を参照してください。
■ SAPシステムのログ抽出コマンドのインストール
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Windowsの場合
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コマンドが使用するレジストリを登録する。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行してください。
reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1PC\InstalledProduct" /v "JP1PCAGTM" /t "REG_SZ" /d "1200"
reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1PCAGTM\1200\PathName" /v "Path00※" /t "REG_SZ" /d "C:\Program Files (x86)\Hitachi\jp1pc"
注※
コマンドの配置先です。
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解凍後のagtmフォルダを配置する。
sap_windows_VVRRSS.zipをJP1/IM - Agentのインストール先フォルダ\jp1ima\optionsに展開すると,sap_windowsフォルダが生成されます。
sap_windows\command配下にあるagtmフォルダをPath00に設定したパスのフォルダ(コマンドの配置先)直下に配置します。手順1のコマンドを実行した場合は,次のパスに配置します。
C:\Program Files (x86)\Hitachi\jp1pc
agtmフォルダの配置先パスが存在しない場合は,新しく配置先フォルダを作成してください。
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Linuxの場合
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解凍後のagtmディレクトリを配置する。
sap_linux_VVRRSS.tar.gzをJP1/IM - Agentのインストール先ディレクトリ/jp1ima/options/に展開すると,sap_linuxディレクトリが生成されます。
sap_linux/command配下にあるagtmディレクトリを,次のディレクトリ直下に配置します。
/opt/jp1pc/
agtmディレクトリの配置先パスが存在しない場合は,次に示すオーナーと権限で,新しく配置先ディレクトリを作成してください。
オーナー:root
権限:755
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■ RFCライブラリの入手
RFCライブラリの入手および配置手順については,JP1/IM - Agentのリリースノートもあわせて参照してください 。
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SAP NW RFC SDK 7.50をSAP Software Download Centerから入手する。
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Windowsの場合
SAP NW RFC SDK 7.50(Windows on x64 64bit)(パッチレベル0以上)
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Linuxの場合
SAP NW RFC SDK 7.50(Linux on 64bit)(パッチレベル0以上)
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入手した圧縮ファイルをSAPの手順に従って解凍する。
解凍したフォルダの構造は,次のとおりです。
nwrfcsdk ├bin :実行可能なサンプルプログラム ├demo :サンプルプログラムのCソースファイル ├include :Cヘッダファイル └lib :共有ライブラリ
SAPのログ抽出コマンドの動作に必要なファイルはlibフォルダに格納されています。
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解凍した「lib」フォルダ配下の全てのファイルを,次のフォルダに格納する。
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Windowsの場合
コマンドの配置先※¥agtm\lib\rfc
注※:「■SAPシステムの情報を取得するコマンドのインストール」で設定したコマンドの配置先
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Linuxの場合
/opt/jp1pc/agtm/lib/rfc/
上記のパスにインストール先フォルダと同じ権限がない場合は,権限を付与してください。
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■ CRTライブラリの入手(Windowsの場合だけ)
RFCライブラリの動作に必要なCRTライブラリを入手し,適用します。必要なCRTライブラリのバージョンについては,SAPノート2573790で確認できます。
■ 環境パラメーター設定ファイルのセットアップ(オプション)
-
環境パラメーター設定ファイルを作成する。
環境設定パラメーター設定ファイルのサンプルファイル(jr3slget.ini.sample,jr3alget.ini.sample)をコピーし,コピー先のファイル名を「任意の名前.ini」に変更して使用します。
環境設定パラメーター設定ファイルの配置先については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「付録A.4(3)統合エージェントホスト(Windows)」および「付録A.4(4)統合エージェントホスト(Linux)」を参照してください。
環境設定パラメーター設定ファイルの設定内容については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」(2. 定義ファイル)の「jr3slgetコマンドの環境パラメーター設定ファイル(jr3slget.ini)」および「jr3algetコマンドの環境パラメーター設定ファイル(jr3alget.ini)」を参照してください。
環境設定パラメーター設定ファイルのサンプルファイルについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」(2. 定義ファイル)の「jr3slgetコマンドの環境パラメーター設定ファイルのサンプルファイル(jr3slget.ini.sample)」および「jr3algetコマンドの環境パラメーター設定ファイルのサンプルファイル(jr3alget.ini.sample)」を参照してください。
-
SAPシステムのログ抽出コマンドの作業ディレクトリを作成する。
環境パラメーター設定ファイルを編集したあと,SAPシステムのログ抽出コマンドの作業ディレクトリを作成します。環境パラメーター設定ファイルのWORKDIRラベルに設定しているパスのディレクトリを作成してください。
なお,Linuxの場合は,次に示すオーナーと権限で作成してください。
オーナー:root
権限:777
(c) SAPシステムのログ抽出コマンドのアンインストール
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スクリプト実行結果監視を停止する。
SAPシステムのログ抽出コマンドのログデータを,スクリプト実行結果監視機能(FluentdまたはJP1/Base)を使用して監視している場合は,監視を停止します。
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スクリプト実行を停止する。
SAPシステム監視のスクリプト実行機能(Script exporter)やcronを使用して,SAPシステムのログ抽出コマンドを実行している場合は,コマンドの実行を停止します。
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コマンドが使用していたレジストリを削除する(Windowsの場合だけ)。
コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
reg delete "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1PC\InstalledProduct" /v "JP1PCAGTM" reg delete "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1PCAGTM\1200\PathName" /v "Path00"
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SAPシステムのログ抽出コマンドの作業ディレクトリを削除する。
「1.23.3(1)(b)SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップ」の「環境パラメーター設定ファイルのセットアップ(オプション)」で,環境パラメーター設定ファイルのWORKDIRラベルに設定しているパスのディレクトリを作成した場合は,作成したディレクトリを削除します。
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SAPシステムのログ抽出コマンドの配置先ディレクトリを削除する。
次のフォルダおよび配下のファイルを削除します。
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Windowsの場合
コマンドの配置先※\agtm
注※:「1.23.3(1)(b)SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップ」の「SAPシステムのログ抽出コマンドのインストール」で設定したコマンドの配置先
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Linuxの場合
/opt/jp1pc/agtm
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(d) JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境での構築手順
■ JP1/PFM - Agent for EAPが導入済みの環境でJP1/IM - Agentを新規インストールする
JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境では,JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できません。
■ JP1/IM - Agentが導入済みの環境でJP1/PFM - Agent for EAPを新規インストールする
SAPシステムのログ抽出コマンドがセットアップ済みの場合
JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できないため,削除する必要があります。
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JP1/IM - Agentに同梱するSAPシステムのログ抽出コマンドと定義ファイルをバックアップする。
SAPシステムの情報を取得するコマンドのインストールで指定した配置先フォルダおよび配下にあるファイルをコピーして,任意のフォルダにバックアップしてください。
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SAPシステムのログ抽出コマンドのアンインストールを実施する。
手順については,「1.23.3(1)(c) SAPシステムのログ抽出コマンドのアンインストール」を参照してください。
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JP1/PFM - Agent for EAPのインストールとセットアップを実施する。
SAPシステムのログ抽出コマンドが未セットアップの場合
事前にしておくことはありません。
■ JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境でJP1/PFM - Agent for EAPをバージョンアップインストールする
この環境では,JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できないため,必要な手順はありません。
■ JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境でJP1/IM - Agentをバージョンアップインストールする
この環境では,JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できないため,必要な手順はありません。
■ JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境からJP1/PFM - Agent for EAPをアンインストールする
JP1/PFM - Agent for EAPを運用中に作成した,jr3slgetおよびjr3algetコマンドを使用するための環境パラメーター設定ファイルをバックアップしてください。
JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用する場合に,バックアップしたJP1/PFM - Agent for EAPの環境パラメーター設定ファイルのパラメーターを参考値として参照できます。
■ JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境からJP1/IM - Agentをアンインストールする
この環境では,JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できないため,必要な手順はありません。