8.2 情報採取ツールを利用した資料の取得
プリンタマネージャでは、運用中にトラブルが発生した場合、製品が出力するメッセージに従って対処します。しかし、発生したトラブルによっては、システム管理者やサポートサービスによる、システムや製品の関連情報を使用したエラー発生原因の調査が必要になることがあります。情報採取ツールは、トラブルシューティングに必要なシステムや製品の関連情報を収集できるツールです。
情報採取ツールで取得できる資料
情報採取ツールでは、次の2種類の資料を取得できます。どの資料を取得するかは、ツール実行時に選択できます。
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システム関連情報
Windows OSの種類やバージョン、イベントログ、システムで使用中のネットワークなどの情報です。
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製品ごとの関連情報
製品のレジストリやデータフォルダの情報、ログファイル、ジョブ保存先フォルダ内の印刷ジョブの情報、製品のデータフォルダやログの出力フォルダのファイル一覧です。製品によって収集される内容が異なります。
- メモ
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どの製品の関連情報を取得するかは、製品のイベントログ、システム稼働ログやメッセージの内容によって決めてください。また、ログの対処やメッセージのユーザの処理に、システム管理者またはサポートサービスへの問い合わせ指示がある場合は、情報採取ツールで情報を採取してから問い合わせてください。
情報採取ツールを利用した資料の取得方法
情報採取ツールを利用して資料を取得する手順を次に示します。
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情報採取ツール(PrGetInfo.exe)を起動します。
情報採取ツールは、WindowsのビルトインAdministratorアカウント、管理者アカウント、および標準ユーザーアカウントで起動できます。
エクスプローラを使用して、製品のインストールフォルダ下のToolsフォルダにある「PrGetInfo.exe」をダブルクリックしてください。
- 重要
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WindowsのビルトインAdministratorアカウント以外ですべてのユーザ環境の情報を採取したい場合は、PrGetInfo.exeを右クリックし、[管理者として実行]からユーザアカウント制御ダイアログで管理者権限に昇格して起動してください。常に管理者権限に昇格して起動する場合は、PrGetInfo.exeのショートカットを作成し、[詳細プロパティ]画面で[管理者として実行]を設定しておくこともできます。
情報採取ツールのデフォルトのインストールフォルダを次に示します。複数の製品をインストールしている場合は、どれかの製品の情報採取ツールを起動すればまとめて収集できます。
製品名
デフォルトのインストールフォルダ
モニタ
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32ビット環境の場合
%PROGRAMFILES%\HITACHI\PrinterMonitor\Tools
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64ビット環境の場合
%PROGRAMFILES(x86)%\HITACHI\PrinterMonitor\Tools
マネージャ
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32ビット環境の場合
%PROGRAMFILES%\HITACHI\PrinterManager\Tools
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64ビット環境の場合
%PROGRAMFILES(x86)%\HITACHI\PrinterManager\Tools
モニタ Client
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32ビット環境の場合
%PROGRAMFILES%\HITACHI\PrinterMonitorCL\Tools
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64ビット環境の場合
%PROGRAMFILES(x86)%\HITACHI\PrinterMonitorCL\Tools
マネージャ Client
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32ビット環境の場合
%PROGRAMFILES%\HITACHI\PrinterManagerCL\Tools
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64ビット環境の場合
%PROGRAMFILES(x86)%\HITACHI\PrinterManagerCL\Tools
[情報採取ツール]画面が表示されます。
- WindowsのビルトインAdministratorアカウント、または管理者権限に昇格したアカウントで起動した場合
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- 管理者権限に昇格していない管理者アカウントまたは標準ユーザーアカウントで起動した場合
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採取する情報を選択し、情報の出力先フォルダを指定します。
[情報採取ツール]画面の設定項目を次に示します。
項目
内容
[採取する情報]
情報採取ツールで採取する情報を指定します。
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[システム]チェックボックス
Windows OSの種類やバージョン、イベントログ、システムで使用中のネットワークなどのシステム関連情報を採取する場合に選択します。
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[日立 プリンタステータスモニタ]チェックボックス
モニタのレジストリ(拡張オプションのレジストリを含む)やデータフォルダの情報、ログファイル、ジョブ保存先フォルダ内の印刷ジョブ、モニタのデータフォルダやログの出力フォルダのファイル一覧を採取する場合に選択します。
また、トレースログを採取するプリンタを選択できます。[トレースログを採取するプリンタの選択]には、モニタが監視する出力先プリンタ情報が一覧表示されます。項目ごとに昇順または降順を切り替えられます。一覧には、拡張オプションで追加した特定のプリンタの出力先プリンタ情報も表示されます。
[出力先プリンタ名]:出力先プリンタの名称が表示されます。
[IP アドレス]:出力先プリンタのIP アドレスが表示されます。
[プリンタ番号]:モニタサービスで採番する番号が表示されます。
トレースログを採取するプリンタは複数選択できます。一覧表示されているプリンタすべてのトレースログを採取する場合は、[すべてのプリンタ]チェックボックスをチェックします。
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[日立 プリンタマネージャ]チェックボックス
マネージャのレジストリやデータフォルダの情報、ログファイル、マネージャのデータフォルダやログの出力フォルダのファイル一覧を採取する場合に選択します。
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[日立 プリンタステータスモニタ Client]チェックボックス
モニタ Clientのレジストリやデータフォルダの情報、ログファイル、モニタ Clientのデータフォルダやログの出力フォルダのファイル一覧を採取する場合に選択します。
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[日立 プリンタマネージャ Client]チェックボックス
マネージャ Clientのレジストリやデータフォルダの情報、ログファイル、マネージャ Clientのデータフォルダやログの出力フォルダのファイル一覧を採取する場合に選択します。
デフォルト値は、マシンにインストールされている製品のチェックボックスをチェックした状態です。
[採取する情報の概算]
チェックした製品、および選択したプリンタの採取情報の合計サイズ (単位:MB)が表示されます。何も採取情報を選択していない場合は「0MB」と表示されます。
[他ユーザの情報も採取する]チェックボックスをチェックしている場合は、他ユーザの採取情報(マネージャのトレースログ、モニタ Clientおよびマネージャ Clientのデータフォルダの情報)を含む合計サイズが表示されます。
採取情報の合計サイズは、次のように表示されます。
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1MB未満の場合:1MB
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1〜9MBの場合:<1MB単位で切り上げた値>MB
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10MB以上の場合:<10MB単位で切り上げて3桁ごとにコンマ(,)で区切った値>MB
- (例)採取情報の合計サイズが4321MBの場合の表示例
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4,330MB
[動作オプション]
情報を採取する際の動作を指定します。
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[他ユーザの情報も採取する]チェックボックス
WindowsのビルトインAdministratorアカウント、または管理者権限に昇格したアカウントで起動した場合に、起動したユーザ以外のユーザの情報も採取するかどうかを設定します。製品を使用するすべてのユーザの情報を採取するときは、このチェックボックスをチェックしてください。
チェックボックスをチェックすると、起動したユーザを含むすべてのユーザの情報が採取されます。管理者権限に昇格した標準ユーザーアカウントで起動した場合は、昇格元の標準ユーザーアカウントの情報も採取されます。
チェックボックスのチェックを外すと、起動したユーザの情報が採取されます。
なお、次の場合、このチェックボックスは非活性となります。
・管理者権限に昇格していない管理者アカウントまたは標準ユーザーアカウントで起動した場合
・[採取する情報]の[日立 プリンタマネージャ]チェックボックス、[日立 プリンタステータスモニタ Client]チェックボックス、または[日立 プリンタマネージャ Client]チェックボックスのどれもチェックしていない場合
デフォルト値は、チェックボックスのチェックを外した状態(起動したユーザの情報だけを採取する)です。
[採取した情報の出力先フォルダ]
採取情報の出力先フォルダを絶対パスで指定します。出力先フォルダは、[参照]ボタンをクリックして[フォルダの選択画面]から選択します。
採取情報の出力先フォルダには、ディスク容量に十分な空き容量があるフォルダ([ドライブの空き領域]>[採取する情報の概算])を指定してください。
[ドライブの空き領域]
採取情報の出力先フォルダのあるドライブの空き領域サイズ(単位:MB)が表示されます。[採取した情報の出力先フォルダ]を指定していない場合は「−MB」と表示されます。
ドライブの空き領域サイズは、次のように表示されます。
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1MB未満の場合:0MB
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1〜9MBの場合:<1MB単位で切り捨てた値>MB
-
10MB以上の場合:<10MB単位で切り捨てて3桁ごとにコンマ(,)で区切った値>MB
- (例)ドライブの空き領域サイズが4321MBの場合の表示例
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4,320MB
[実行状況]
情報採取処理の進捗状況が表示されます。
[情報採取開始]ボタン
[採取する情報]で選択した情報の採取を開始します。
[終了]ボタン
[情報採取ツール]画面を閉じます。
- メモ
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モニタの情報採取時、[トレースログを採取するプリンタの選択]は、障害が発生しているプリンタを特定できるかどうかによって、次のように設定してください。
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障害が発生しているプリンタを特定できる場合
[出力先プリンタ名]で対象のプリンタを選択し、かつ[IPアドレス]で対象のプリンタと同じIPアドレスのプリンタを選択してください。
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障害が発生しているプリンタを特定できない場合
[すべてのプリンタ]チェックボックスをチェックしてください。
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-
-
[情報採取開始]ボタンをクリックします。
- メモ
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[採取する情報の概算]が[ドライブの空き領域]を超えている場合に[情報採取開始]ボタンをクリックすると、空き領域不足で情報採取を開始できないことを示す警告メッセージが出力されます。[採取した情報の出力先フォルダ]の指定を見直し、再度、情報採取を開始し てください。
なお、情報採取中に、ほかのプログラムの影響でドライブの空き領域が不足してエラーが発生した場合、警告メッセージは出力されません。
情報採取処理が開始されます。情報採取中は、情報採取処理の進捗状況が[実行状況]に表示されます。
- 重要
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情報採取処理中に[採取した情報の出力先フォルダ]下に生成される「PrGetInfo_<情報採取ツールの実行日時※>_<実行プロセスID>」フォルダを操作すると、情報採取が正しく行われなかったり、情報採取処理中止時に不要なファイルが削除されないで残ったりすることがあります。「PrGetInfo_<情報採取ツールの実行日時※>_<実行プロセスID>」フォルダは、情報採取処理中に参照したり、削除したり、名称を変更したりしないでください。
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情報採取処理中に[情報採取ツール]画面の終了操作をすると、情報採取処理の中止を確認するメッセージが出力されます。情報採取処理を中止する場合は[はい]ボタンを、中止しない場合は[いいえ]ボタンをクリックしてください。
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情報採取処理が完了すると、[実行状況]に正常終了、または異常終了を示すメッセージが出力されます。正常終了時には、収集したシステムや製品の関連情報が、「<採取した情報の出力先フォルダ>\PrGetInfo_<情報採取ツールの実行日時※>_<実行プロセスID>」フォルダ下に出力されます。
- 注※
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日時は、「YYYYMMDDHHMMSS」の形式(YYYY:西暦、MM:月、DD:日、HH:時、MM:分、SS:秒)で出力されます。
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[終了]ボタンをクリックします。
[情報採取ツール]画面が閉じられます。
情報採取ツール利用時の注意事項
情報採取ツール利用時の注意事項を次に示します。
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情報採取ツールは、ツール起動時の環境設定情報を基に情報を採取します。ツール起動時と情報採取開始時とでプリンタ数などの環境設定情報が異なると、正しい情報を採取できません。情報採取ツールは情報採取時に起動してください。
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情報採取中は、採取情報が不正になることを避けるため、採取対象のプリンタを極力使用しないでください。
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業務運用中に情報採取ツールを実行すると、実際の採取情報サイズが[情報採取ツール]画面の[採取する情報の概算]より大きくなることがあります。
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[ドライブの空き領域]は[採取した情報の出力先フォルダ]指定時に算出されます。このため、出力先フォルダのあるドライブでファイの削除、追加などを実施した場合は、[採取した情報の出力先フォルダ]を再指定し、[ドライブの空き領域]を確認してから情報採取を開始してください。
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「このドライブを圧縮してディスク領域を空ける」を設定したドライブでは、システムの圧縮動作が非同期に実行されます。このため、この設定のドライブ下のフォルダを[採取した情報の出力先フォルダ]で選択した場合、[ドライブの空き領域]に表示されるサイズが実際の空き領域サイズと異なることがあります。