1.4 プリンタマネージャのサポート範囲
プリンタマネージャがサポートする、障害リカバリ制御および印刷データ形式について説明します。
上位の印刷アプリケーションは、Windowsプリンタを経由して、印刷ジョブをWindowsスプールに出力します。プリンタマネージャは、この印刷ジョブに従って、Windowsスプールから印刷データを取り出して、監視対象とするプリンタに送信し、プリンタの状態(印刷完了および障害)を監視します。
サポートする障害リカバリ制御
プリンタマネージャがサポートする障害リカバリ制御には、プリンタの状態(印刷完了、および障害)を監視する方式(「ジョブ単位」および「ページ単位」)と、プリンタの状態(印刷完了、および障害)を監視しない方式(「制御しない」)があります。
-
ジョブ単位
印刷ジョブごとに、プリンタの状態(出力完了、および障害)を監視します。印刷ジョブごとに印刷データをまとめて出力するので、印刷性能が確保されます。
この場合、利用する監視方式によって、障害が発生したときのエラーページの扱いが異なります。
標準MIBを利用する場合:障害が発生したときのエラーページは通知されません。
拡張MIBを利用する場合:障害が発生したときのエラーページは通知されます。
同期印刷で印刷管理方式がジョブ単位の場合は、モニタの環境設定でプリンタを作成するときに、印刷管理方式として「ジョブ単位で制御」を指定します。
ジョブ単位で監視する場合の障害検知の仕組みを次の図に示します。
図1‒15 ジョブ単位で監視する場合の障害検知の仕組み -
ページ単位
印刷ジョブのページごとに、プリンタの状態(出力完了、および障害)を監視します。ページ単位に分けて監視するため、障害が発生したときのエラーページを通知できます。
ただし、ページ単位で印刷完了の同期をとるため、ページ間の印刷間隔が空くことがあります。
同期印刷で印刷管理方式がページ単位の場合は、モニタの環境設定でプリンタを作成するときに、印刷管理方式として「ページ単位で制御」を指定します。
ページ単位で監視する場合の障害検知の仕組みを次の図に示します。
図1‒16 ページ単位で監視する場合の障害検知の仕組み -
制御しない
プリンタの状態(印刷完了、および障害)を監視しません。
制御しない場合の障害検知の仕組みを次の図に示します。
図1‒17 制御しない場合の障害検知の仕組み
サポートする印刷データ形式
プリンタマネージャがサポートする印刷データ形式を次に示します。
-
汎用形式
XPSプリンタドライバ形式(XPS形式)で出力する印刷データです。
-
RAW形式(ESC/P)
ESC/P形式で出力する印刷データです。
ページ単位で監視する場合は、ページ末尾に改ページ(0C)コードが必要です。
-
RAW形式(その他)
XPS形式でもESC/P形式でもない形式で出力する印刷データです。
印刷データは出力できますが、プレビュー表示できません。
印刷データ形式と障害リカバリ制御の組み合わせ
モニタの環境設定で設定する印刷データ形式と障害リカバリ制御の組み合わせによっては、印刷データをページ指定して出力できなかったり、プレビュー表示できなかったりすることがあります。印刷データ形式と障害リカバリ制御の組み合わせによる印刷データの出力およびプレビュー表示の可否を次の表に示します。
[印刷データ形式]の設定値 |
[障害リカバリ制御]の設定値 |
印刷データの出力の可否 |
印刷データのプレビュー表示の可否 |
---|---|---|---|
汎用形式で扱う |
|
○ |
○ |
RAW形式で扱う(ESC/P) |
|
○ |
○ |
RAW形式で扱う(その他) |
|
△※2 |
× |
- (凡例)
-
○:出力またはプレビュー表示できます。
△:出力またはプレビュー表示に制限があります。
×:出力またはプレビュー表示できません。
- 注※1
-
[ページ単位で制御]を選択しても、プリンタの監視は[ジョブ単位で制御]と同じ動作となります。ページ単位でプリンタの監視はできません。
- 注※2
-
印刷データを全ページ印刷できますが、次に示す画面で印刷ページを範囲指定した印刷やテスト印刷はできません。
-
[障害通知]画面
-
[用紙交換通知]画面
-
[条件指定印刷]画面
-
なお、01-70より前のモニタで作成した出力プリンタの設定を変更する場合、印刷データ形式と障害リカバリ制御の設定値の組み合わせによっては、印刷データ形式の設定値が変更前と変更後で異なることがあります。モニタの環境設定変更時の印刷データ形式と障害リカバリ制御の設定値の対応を次の表に示します。
01-70より前のモニタの環境設定 |
01-70以降のモニタの環境設定 |
||
---|---|---|---|
[印刷データ形式]の設定値 |
[障害リカバリ制御]の設定値 |
[印刷データ形式]の設定値 |
[障害リカバリ制御]の設定値 |
汎用形式で扱う |
ジョブ単位で制御 |
汎用形式で扱う |
ジョブ単位で制御 |
ページ単位で制御 |
ページ単位で制御 |
||
制御しない |
制御しない |
||
RAW形式で扱う |
ジョブ単位で制御 |
RAW形式で扱う(ESC/P) |
ジョブ単位で制御 |
ページ単位で制御 |
ページ単位で制御 |
||
制御しない |
RAW形式で扱う(その他) |
制御しない |