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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 - Agent(UNIX(R)用)


5.4.3 JP1/IT Desktop Management 2用のネットワークインタフェースの設定

同じ配布管理システムに複数のネットワーク接続を定義し、普段とJP1/IT Desktop Management 2使用時とでネットワークを使い分けることができます。この場合、ネットワークインタフェース定義ファイルを定義すれば、JP1/IT Desktop Management 2使用時にネットワーク接続を自動的に切り替えられます。

ネットワークインタフェース定義ファイルには、JP1/IT Desktop Management 2で使用するネットワークインタフェース名を定義します。また、/etc/hostsファイルにも複数ネットワークの定義が必要です。/etc/hostsファイルの定義方法については、「5.4.2 ホスト名の設定」を参照してください。

図5-2に、ネットワークインタフェース定義ファイルの定義方法を示します。

図5‒2 ネットワークインタフェース定義ファイルの定義方法

[図データ]

ネットワークインタフェース定義ファイルのファイル名
  • HP-UX以外の場合:/NETMRDS/rdsprm/IFCONFIG

  • HP-UXの場合:/etc/opt/NETMDMW/rdsprm/IFCONFIG

ネットワークインタフェース定義ファイルの定義規則
  • netstatコマンドで-iオプションを指定したときに表示されるネットワークインタフェース名を1行ずつ、優先順位の高い順に定義してください。

  • 最大8行定義できます。8行を超えた定義は無効になります。

  • 行頭から改行記号までが1行と解釈されます。1行にネットワークインタフェース名を二つ以上指定すると、二つ目以降は無効です。

  • 行頭に指定したスペースまたはタブ記号は無効です。また、行末に指定したスペースは無効です。

  • コメントは/* */で囲んでください。ネットワークインタフェース名を定義した行にコメントを記述する場合、ネットワークインタフェース名とコメントの間に空白文字(半角)を1文字以上挿入してください。また、ここにタブ記号は指定できません。

  • 定義ファイルの内容を有効にするには、JP1/IT Desktop Management 2 - Agentを再起動してください。

ネットワークインタフェース定義ファイルに、複数のネットワークインタフェース名を定義する場合の例を次に示します。

net1              /* Primary */
net2              /* Secondary */
net3              /* Tertiary */
net4              /* Fourth */
net5              /* Fifth */
net6              /* Sixth */
net7              /* Seventh */
net8              /* Eighth */

この例では、優先順位の高い順に、「net1」から「net8」までのネットワークインタフェース名を定義しています。コメントには、各ネットワークインタフェース名の優先順位がわかるように記述しています。

ネットワークインタフェースの選択順序

JP1/IT Desktop Management 2使用時のネットワークは、次の順序に従って選択されます。

  1. JP1/IT Desktop Management 2使用時、最初にネットワークインタフェース定義ファイルの1番目に定義されたネットワークが選択されます。

  2. 1番目のネットワークに接続できなかった場合、2番目の定義が選択されます。以降、接続できなかった場合、その次に優先順位が高いネットワークが選択されます。

  3. 定義されたすべてのネットワークに接続できなかった場合は、再試行回数の設定によって次のように処理が異なります。再試行回数は、設定ファイルのRetryCountで設定します。

設定ファイルのRetryCount(再試行回数)の値が1の場合

接続失敗となり、JP1/IT Desktop Management 2は起動できません。

設定ファイルのRetryCount(再試行回数)の値が2以上の場合

休止時間(設定ファイルのRetryIntervalで設定)を経て、再び定義ファイルの1番目から最後まで順に接続を試みます。

この処理がRetryCountの指定回数だけ繰り返されます。それでも接続できない場合は接続失敗となり、JP1/IT Desktop Management 2は起動できません。

注意事項
  • 接続失敗が多発するネットワークは、優先順位を下げて定義するか、定義を削除してください。

  • ネットワークインタフェースの設定を解除する場合は、次のファイルを削除してください。

    HP-UX以外の場合

    /NETMRDS/rdsprm/IFCONFIG

    /NETMRDS/rdsprm/.ifconfig

    HP-UXの場合

    /etc/opt/NETMDMW/rdsprm/IFCONFIG

    /var/opt/NETMDMW/rdsprm/.ifconfig

  • ネットワークインタフェース定義ファイルの設定は、JP1/IT Desktop Management 2 - Agentから設定ファイルの「ManagingHost」に設定した上位システムへ通信を行う場合に、使用するネットワークを使い分ける設定です。指令の実行等の、上位システムからJP1/IT Desktop Management 2 - Agentへの通信で使用するネットワークを定義する設定ではありません。上位システムからJP1/IT Desktop Management 2 - Agentへの通信で使用するネットワークを制御することはできません。

  • クラスタ環境など、一つのネットワークインタフェースに複数のIPアドレスが割り当てられている環境では、定義されたネットワークインタフェース名から求まる最初のIPアドレスを使用して通信します。最初のIPアドレスが上位システムへ通信不可の場合は通信エラーとなります。その場合は、ネットワークインタフェース定義ファイルの設定を解除してください。