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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 - Asset Console 構築・運用ガイド


7.12.2 Asset Consoleのフェールオーバー機能使用時の環境作成

Asset Consoleのフェールオーバー機能を使用する場合の、クラスタ環境の作成方法について説明します。

  1. 実行系サーバにAsset Consoleをインストールする。

    設定内容を次の表に示します。表に示した順に設定してください。

    表に記載されていない項目については、通常どおりに設定してください。

    インストールの手順については「7.2.2 Asset Consoleのインストール」を、セットアップの手順については「7.3 資産管理サーバの設定」を参照してください。

    表7‒15 Asset Consoleの設定内容

    プログラム

    設定項目

    設定内容

    Asset Consoleのインストールウィザード

    インストール先の選択

    ローカルディスクを指定します。

    資産管理サーバの仮想ディレクトリ(デフォルトは、<Asset Consoleのインストール先フォルダ>\wwwroot)

    共有ディスクを指定します。

    Asset Consoleの[サーバセットアップ]ダイアログ

    サービス名

    ODBCデータソース名を指定します。

    ログインID、パスワード

    実行系と待機系で同一のログインIDおよびパスワードを指定します。

    [データベースマネージャ]ダイアログの「データベースの新規作成」

    実行系および待機系で実行します。

    データベースの基本設定のダイアログ

    ポート番号

    実行系と待機系で同一のポート番号を指定します。

    データベースの詳細設定のダイアログ

    格納先フォルダ名

    共有ディスクを指定します。

    実行系と待機系で同一のパスになるようにしてください。

    データベースの詳細設定のダイアログ

    サイズ、自動拡張

    実行系と待機系で同一のサイズおよび自動拡張を指定します。

    [データソースの作成]ダイアログ

    データソースの作成

    データベースの新規作成時に、セットアップの内容に従ってデータソースが自動的に作成されます。実行系のサーバではデータベースの新規作成が完了してからデータソースの接続先を論理ホスト名(ネットワーク名)に変更してください(データベースの新規作成直後は、データソースの接続先はlocalhostです)。

    待機系では、インストール後にデータベースを作成したあと、データソースの接続先を実行系と同一の論理ホスト名(ネットワーク名)に変更してください。

    (凡例)

    −:該当なし

  2. 実行系サーバで動作を確認する。

    データベースのサービスが共有ディスクのファイルを参照していることがあるため、動作確認が終了したら次の作業を実行してください。

    • World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishingを停止する。

    • Administrators権限を持つユーザでjamemb_dbstop.batを実行して、資産管理データベースを停止する。

      jamemb_dbstop.batは次のフォルダに格納されています。

      <Asset Consoleのインストール先フォルダ>\exe

  3. クラスタアドミニストレータでグループを移動する。

    これによって所有者が待機系サーバになります。

  4. 待機系サーバで環境構築手順1.を設定する。

    各設定内容も同一とします。ただし、資産管理データベースの作成は不要です。

  5. クラスタアドミニストレータで、Microsoft Internet Information Servicesのリソースを新規作成する。

    設定内容を次の表に示します。

    表7‒16 Microsoft Internet Information Servicesのリソース設定内容

    リソースの種類

    スクリプトファイルパスへの

    入力内容

    依存関係

    汎用スクリプト

    %systemroot%\System32\Inetsrv\Clusweb.vbs

    「共有ディスク」と「クライアントアクセスポイント」のリソースを設定します。

    Windows Server 2019、Windows Server 2016およびWindows Server 2012のクラスタ環境でリソースを設定するためのスクリプトファイル(Clusweb.vbs)は、標準でインストールされていません。Microsoftが公開している技術情報(KB970759)を参照し、汎用スクリプトのサンプルをダウンロードしてご利用ください。

    クラスタアドミニストレータで、「IIS Server Instance」をオンラインにすると、サービスが開始します。以降、World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishingを停止または開始するときは、クラスタアドミニストレータを使用して状態をオフラインまたはオンラインにしてください。

  6. クラスタアドミニストレータで、DBMSのサービスのリソースを作成する。

    次の表に示す設定内容でリソースを作成してください。状態をオンラインにすると、資産管理データベースが開始します。

    設定内容を次の表に示します。

    表7‒17 データベースのサービスのリソース設定内容

    リソースの種類

    選択するサービス名

    依存関係

    汎用サービス

    HiRDBClusterService_AM1

    「共有ディスク」と「クライアントアクセスポイント」のリソースを設定します。