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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


3.2.3 マルチキャスト配布をするためのシステム構成

マルチキャスト配布を実現するために、どのようなシステム構成にしたらよいかを説明します。

〈この項の構成〉

(1) マルチキャスト配布の標準的なシステム構成

マルチキャスト配布を実現するための標準的なシステム構成と、パケットの流れを次の図に示します。

図3‒13 標準的なマルチキャスト配布のシステム構成とパケットの流れ

[図データ]

マルチキャストグループは、管理対象のコンピュータが接続する上位システム単位に作成します。そして、各マルチキャストグループには、それぞれ別のマルチキャストアドレスを割り当てます。説明の番号は、図中の番号と対応しています。1と2はシステム構成の設定、3と4はジョブの実行によるパケットの流れです。

  1. 中継システムAに接続するコンピュータ群をマルチキャストグループA、中継システムBに接続するコンピュータ群をマルチキャストグループBとします。マルチキャストグループAのコンピュータ群には239.255.0.1を、マルチキャストグループBのコンピュータ群には239.255.0.2を、マルチキャストアドレスとして設定します。

  2. 中継システムAにマルチキャストグループAのマルチキャストアドレス(239.255.0.1)を、中継システムBにマルチキャストグループBのマルチキャストアドレス(239.255.0.2)を設定します。

    こうすることで、中継システムAはマルチキャストグループAのコンピュータ群へ、中継システムBはマルチキャストグループBのコンピュータ群へジョブをマルチキャスト配布できます。

  3. 配布管理システムで、「マルチキャスト配布」を指定したジョブを作成し、実行します。

    配布管理システムは、各中継システムに1ジョブ分ずつパケットを送信します。この例では、中継システムが2つ接続しているので、2ジョブ分のパケットを送信します(ユニキャスト配布)。中継システムAおよび中継システムBまでは、ユニキャスト配布されます。

  4. 中継システムAおよび中継システムBは、コンピュータ数に関係なく、1ジョブ分だけパケットを送信します。各コンピュータまでの重複する経路上は、1ジョブ分のパケットが流れます(マルチキャスト配布)。

同じ構成でジョブをユニキャスト配布した場合は、管理対象のコンピュータが接続する上位システムからは、あて先となるコンピュータ数だけジョブのパケットが流れます。そのため、4の経路では、中継システムAおよび中継システムBからそれぞれ3倍のパケットが送信されます。

なお、配布管理システムに直接管理対象のコンピュータを接続している構成でも、ジョブをマルチキャスト配布できます。その場合、配布管理システムに、配布先のマルチキャストグループのマルチキャストアドレスを設定します。