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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 配布機能 運用ガイド


1.4.2 コンピュータのグルーピング

配布管理システムでリモートインストールなどのジョブを実行するとき、ジョブの実行対象となるホスト(あて先)を指定します。このとき、システム構成情報を利用して、あて先を1台1台指定することもできますが、多数のコンピュータがある場合は効率的ではありません。JP1/IT Desktop Management 2では、物理的なネットワーク構成とは関係なく、目的に応じてコンピュータを幾つかのグループに分類し、グループ単位でジョブを実行できます。

〈この項の構成〉

(1) 作成できるグループの種類

作成できるグループには、あて先グループIDの2種類があります。どちらも、部署や担当業務といった任意の条件でグルーピングできます。さらに、1つのホストを複数のあて先グループまたは複数のIDに登録して、1台のPCを、部署ごと、業務ごとといった複数のグループに所属させる運用もできます。このため、配布先のホストを効率良く管理できます。

(a) あて先グループ

あて先グループは、配布管理システム側でホストをグルーピングする方法です。システム構成とは関係なくホストをグルーピングできますので、部署やプロジェクトなど、任意の条件で、ホストを階層的なグループに分類して管理できます。あて先グループ名はユーザが任意に設定できます。部署やプロジェクトなどでホストをグルーピングし、管理しやすい名称を付けておくと、ジョブの実行が容易になります。

ジョブのあて先として、あて先グループを指定すると、そのグループに属するすべてのコンピュータに対してジョブが実行されます。

(b) ID

IDは、配布管理システムで、グループの名称と、そのIDを管理する中継システムおよび管理用中継サーバ(ID管理元中継)だけを決めておく方法です。どのグループに所属するかは、利用者側で決めます。複数のIDに所属することもできます。

また、配布管理システムから、ファイルを使って複数のコンピュータをIDに登録することもできます。ただし、IDは階層的に管理できません。

あて先にIDを指定したジョブ(IDジョブ)がID管理元中継に転送されると、そのIDに属するコンピュータにID管理元中継からジョブが実行されます。

IDでグループを作成すると、利用者側でIDに登録するため、管理者がジョブのあて先のコンピュータを個々にメンテナンスする必要がないため便利です。また、コンピュータが増設されても、利用者側でIDに登録すれば、登録したIDのジョブが自動的に実行されるため、コンピュータの構成変更に動的に対応できます。

利用者側でIDに登録するとき、IDに登録を許可するパスワードを設定できます。パスワードを設定することで、利用者が間違ったIDに登録してしまうことを避けられます。

(2) あて先のグルーピング方法

あて先グループとIDは、リモートインストールマネージャの[あて先]ウィンドウで設定します。

図1‒14 [あて先]ウィンドウ

[図データ]

あて先グループの作成方法については、「5.2 あて先グループを作成する」を参照してください。

IDの作成方法については、「5.3 IDを作成する」を参照してください。

[あて先]ウィンドウの左枠には、グループの階層構造が表示されます。左枠の階層をダブルクリックすると、ダブルクリックした階層の下位の階層が表示されます。右枠には左枠で選択したグループに属するホストの情報が表示されます。

[あて先]ウィンドウでは、次に示すアイコンでグループが表示されます。

ジョブを実行する対象のコンピュータは、主に[あて先]ウィンドウで指定します。[システム構成]ウィンドウでも指定できますが、ホストの名称がIPアドレスまたはホスト名で表示されているため、各ホストを認識しにくい場合があります。[あて先]ウィンドウでは、ジョブを実行するホストをグループ単位に指定できます。

システム構成情報が、コンピュータのネットワーク構成を管理するための情報であるのに対して、あて先グループやIDは、コンピュータをグループに分けて管理するための情報と言えます。効率良くジョブを実行できるよう、グルーピングの基準を検討しておいてください。