7.6.12 実行中のジョブを中断、再開する
ネットワークの空いている時間帯にパッケージの配布を完了させたくても、その時間内に配布が完了しないことがあります。このような場合に、実行中のジョブを中断させることで、ジョブを実行する時間帯を制限できます。中断したジョブは、あとでその続きから再開できます。
ジョブを中断または再開するには、次の方法があります。
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配布管理システムから、中継システムおよび管理用中継サーバに中断または再開を指示する
配布管理システムで「ファイル転送の中断」および「ファイル転送の再開」ジョブを実行することで、中継システムおよび管理用中継サーバに対してジョブの中断および再開を指示します。これらのジョブのスケジュールをあらかじめ指定しておくと、業務開始時間になったらパッケージの配布を中断し、業務終了時間を過ぎたら再開する、といった運用ができます。
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配布管理システム自身に対して中断または再開を指示する
リモートインストールマネージャの[実行]メニューにある[ファイル転送の中断/再開]から、[中断させる]または[再開させる]を選択することで、リモートインストールマネージャが接続している配布管理システム自身に対して中断または再開を指示します。
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配布管理システムでdcmsuspコマンドを実行する
dcmsuspコマンドを利用して中断と再開を自動実行できます。中断指示の対象には、中継システムおよび管理用中継サーバと自システムの両方を指定できます。
これらの方法は併用できます。例えば、中継システムに対して「ファイル転送の中断」ジョブを実行し中断状態にしたあと、dcmsuspコマンドを実行してファイル転送を再開できます。
中断と再開の適用範囲については、「3.1.6(6)(c) ジョブの中断と再開の適用範囲」を参照してください。
(1) ジョブの中断、再開とほかの運用との関連
ジョブの中断、再開とほかの運用との関連を次に示します。
- マルチキャスト配布との関連
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マルチキャスト配布を指定したジョブは中断できません。中継システムを中断状態にしても、そのまま実行されます。ただし、マルチキャスト配布を指定したジョブでも、すでに中断中の「パッケージのインストール」ジョブが1つ以上あるコンピュータに対して実行した場合は中断されます。
- 分割配布との関連
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分割配布を指定したジョブは通常のジョブと同様に中断できます。分割されたパッケージの転送中に中断した場合、再開するとその続きからパッケージが転送されます。中断した時点でさらにパッケージが分割され、再開するまでの間が転送休止時間になります。
- クライアント制御との関連
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クライアント制御を指定したジョブは通常のジョブと同様に中断できます。クライアント制御を指定したジョブを中断、再開した場合、次のような動作になります。なお、UNIXエージェントの場合、「ジョブ実行後クライアントをシャットダウンさせる」は無効です。
- 「対象のコンピュータが稼働していない場合に起動する」および「ジョブ実行後クライアントをシャットダウンさせる」を指定した場合
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コンピュータの電源がオンになる。
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<ジョブの中断指示>
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コンピュータの電源がオフになる。
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<ジョブの再開指示>
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コンピュータの電源がオンになる。
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ジョブが完了する。
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コンピュータの電源がオフになる。
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- 「対象のコンピュータが稼働していない場合に起動する」を指定した場合
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コンピュータの電源がオンになる。
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<ジョブの中断指示>
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コンピュータの電源はオンのままとなる。
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<ジョブの再開指示>
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ジョブが完了する。
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コンピュータの電源はオンのままとなる。
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- 「ジョブ実行後クライアントをシャットダウンさせる」を指定した場合
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ジョブ実行中。
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<ジョブの中断指示>
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コンピュータの電源がオフになる。
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<ジョブの再開指示>
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コンピュータの電源はオフのまま、ジョブは再開されない。
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(2) ジョブの中断中にPCを経路変更した場合の動作
ジョブの中断中にPCを経路変更した場合の動作を次に示します。
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中断状態の中継システムおよび管理用中継サーバを経路変更した場合、中断状態は解除されないで、中断中のジョブがそのまま残ります。ジョブの結果は変更前の経路で上位システムに通知されます。
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中断中のジョブがあるコンピュータを経路変更した場合、すでにコンピュータに転送されたファイルは削除されます。