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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 構築ガイド


付録A.4 共有型VDIの環境構築手順

共有型VDIの仮想コンピュータをJP1/IT Desktop Management 2で管理するために必要な手順について説明します。

インストールセットの作成およびインストール

共有型VDIの仮想コンピュータにエージェントをインストールする手順を次に示します。この手順では、管理者がインストールセットを作成し、マスタPCにエージェントをインストールしたマスターイメージを作成します。

ここでは、VMware Horizon View、Citrix Virtual Desktopsの仮想コンピュータを管理するための手順について説明しています。その他の必要な設定については、「1.6 エージェントを手動でインストールする」を参照してください。

  1. JP1/IT Desktop Management 2の操作画面にログインする。

  2. エージェント設定を追加する。

    設定画面のメニューエリアにある[Windowsエージェント設定とインストールセットの作成]を選択し、[Windowsエージェント設定とインストールセットの作成]画面で[エージェント設定を追加]ボタンをクリックします。[エージェント設定の追加]ダイアログボックスで、共有型VDIの仮想コンピュータのエージェント設定を追加します。

    [利用者への通知設定]−[利用者のコンピュータでの表示設定]−[利用者入力画面の表示時]を「非表示」に設定します。

    エージェント設定については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド」のパラメーター一覧を参照してください。

  3. インストールセット設定項目を設定する。

    [Windowsエージェント設定とインストールセットの作成]画面から、作成したエージェント設定を選択して[インストールセットを作成]ボタンをクリックします。[インストールセットの作成]ダイアログボックスで、インストールセットの設定項目を設定します。

    [インストールフォルダの設定]−[ホスト識別子生成時の設定]−[仮想コンピュータの情報を基にホスト識別子を生成する]をチェックします。また、管理する仮想コンピュータの展開方式に合わせて、使用する機器情報を選択します。

    VMware Horizon Viewを使用する場合、またはCitrix Virtual DesktopsでMCS(Machine Creation Services)方式を使用する場合

    コンピュータ名またはIPアドレス

    Citrix Virtual DesktopsでPVS(Provisioning Services)方式を使用する場合

    アカウント名

    インストールセット設定項目については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド」のパラメーター一覧を参照してください。

  4. インストールセットを作成する。

  5. エージェントのインストール先のマスタPCに管理者権限でログインする。

  6. インストールセットを使用してエージェントをインストールする。

    インストールは管理者権限で実行してください。

ログオフスクリプトの登録

仮想コンピュータの操作ログを管理する場合は、マスタPCのログオフスクリプトにコマンドを登録します。

  1. [ローカルグループポリシー]−[Windowsの設定]−[スクリプト(ログオン/ログオフ)]−[ログオフ]を選択する。

    [ログオフのプロパティ]ダイアログが表示されます。

  2. スクリプトを追加する。

    upldoplogコマンドをスクリプトとして登録します。

    スクリプト名

    エージェントのインストールフォルダ\bin\upldoplog.exe

    スクリプトのパラメータ

    /upload

    upldoplogコマンドの詳細については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 運用ガイド」の「upldoplog(操作ログのアップロード)」を参照してください。

重要

共有型VDIの仮想コンピュータでは、ログオフすると仮想コンピュータが初期化されるため、ログオフ前にupldoplogコマンドでエージェントの操作ログを管理用サーバにアップロードする必要があります。操作ログのアップロードについての注意事項を次に示します。

  • 操作ログのアップロード中に操作した分の操作ログはアップロードされず、ログオフすると操作ログが削除されます。

  • 操作ログのアップロード中に障害が発生しアップロードに失敗すると、操作ログは削除されます。

マスタPCの設定

  1. 仮想コンピュータに割り当てるセキュリティポリシーを作成し、マスタPCに割り当てる。

    セキュリティポリシーの利用手順は、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 運用ガイド」の「セキュリティポリシーを利用する」を参照してください。

    メモ

    マスタPCが複数ある場合は、ホスト名などでフィルタを作成すると確認が容易になります。フィルタの詳細は、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド」の「フィルタの利用」を参照してください。

  2. 仮想コンピュータで使用するソフトウェアや更新プログラムなどをマスタPCにインストールする場合は、ソフトウェアを配布する。

    ソフトウェアの配布の詳細については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 運用ガイド」の「ソフトウェアやファイルを配布する」を参照してください。

  3. 機器画面で、ホスト識別子が機器情報から生成されていることを確認する。

    機器画面に[ホスト識別子]が表示されていない場合は、一覧の項目名を右クリックして[表示項目の選択]を選択してください。表示されるダイアログで[ホスト識別子]をチェックして[OK]ボタンをクリックすると、表示項目に[ホスト識別子]が表示されます。

一般化およびマスタイメージ作成

マスタイメージを作成するために、エージェントの固有情報を削除し一般化します。次のコマンドを実行します。

upldoplog /upload
prepagt.bat /prep

コマンドの詳細については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 運用ガイド」を参照してください。

メモ

prepagt.batコマンドは、アップロードしていない操作ログを削除します。このため、マスタPCの操作ログを管理する場合は、事前に操作ログをアップロードするために、upldoplogコマンドを実行します。

一般化したら、マスタPCからマスタイメージを作成します。マスタイメージの作成方法については、各仮想化製品のマニュアルを参照してください。

展開

マスタイメージから仮想コンピュータを作成します。仮想コンピュータの作成方法については、各仮想化製品のマニュアルを参照してください。

重要

インスタントクローンで展開する場合は、作成した仮想コンピュータを再起動してください。

仮想コンピュータの利用状況確認

仮想コンピュータの利用状況は、機器画面で確認します。機器画面のフィルタ条件で[ホスト識別子(部分一致)]を選択し、次の先頭文字列を指定します。

メモ

フィルタされた機器一覧には、マスタPCも含まれます。マスタPCを機器一覧のフィルタから除外するには、マスタPCのホスト名を含まないようにフィルタ条件を設定してください。

仮想コンピュータの利用者の操作ログは、セキュリティ画面の[操作ログ]−[操作ログ一覧]で確認できます。