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JP1 Version 12 JP1/Extensible SNMP Agent


2.12.1 共有ディスクの監視に必要な設定(Linuxの場合)

SNMPエージェントをクラスタシステムにインストールした場合に,監視マネージャーから共有ディスクのファイルシステム情報が取得できないときがあります。原因は,対象となるファイルシステムが/etc/fstabに記載されていないためです。これは,SNMPエージェントはファイルシステム情報の取得にOSのシステムコールを使用していますが,このシステムコールは,デフォルト設定の場合,/etc/fstabに記載されているファイルシステムだけを対象としているためです。この対策としては,/etc/fstab に共有ディスクのファイルシステム情報を追加するか,/etc/SnmpAgent.d/esafstab.confに設定を追加します。

〈この項の構成〉

(1) /etc/fstabに追加する方法

SNMPエージェントは,共有ディスクを監視するに当たり,/etc/fstabに記述された共有ディスクのフィールドのうち,第1フィールド(ブロックスペシャルデバイス)と第2フィールド(マウントポイント)だけを意識していて,そのほかのフィールドの設定値について,設定値が何であるかは意識していません。

そのため,/etc/fstabに記述された共有ディスクのほかのフィールド部分に関する具体的な設定方法や設定値は,使用しているクラスタソフトおよびOSのドキュメントを参照してください。

例えば,使用しているクラスタ管理ソフトがHAモニタの場合で,共有ディスクのマウントポイントが/mnt/testであり,その共有ディスクを制御する際の要件として,OS起動時などに共有ディスクが自動マウントされないようにするときの,/etc/fstabの設定例を次に示します。

(設定例)
  /dev/sdb1 /mnt/test ext3 defaults,noauto 0 0

上記は,HAモニタを使用している場合の設定例になります。設定する際は,HAモニタのマニュアルおよびリリースノートを確認して,設定を行ってください。

そのほかのクラスタソフトを使用している場合は,使用しているクラスタソフトやOS環境の要件に合わせて適切な設定を行ってください。

(2) /etc/SnmpAgent.d/esafstab.confに設定する方法

SNMPエージェントは,/etc/SnmpAgent.d/esafstab.confに設定を追加した場合,fileSystem64グループのファイルシステム情報として,/etc/fstabに記載されたファイルシステムの情報だけでなく,/etc/SnmpAgent.d/esafstab.confに設定されたファイルシステムの情報も取得対象とします。

/etc/SnmpAgent.d/esafstab.confには,/etc/fstabの第1フィールド(ブロックスペシャルデバイス)および第2フィールド(マウントポイント)に相当する情報を記載します。/etc/SnmpAgent.d/esafstab.confファイルの詳細については,「6. 定義ファイル」の「ファイルシステム収集追加定義ファイル(esafstab.conf)」を参照してください。

次の作業をスーパーユーザーで実施します。

操作手順

  1. /etc/SnmpAgent.d/esafstab.confファイルをエディタで開く

  2. /etc/SnmpAgent.d/esafstab.confファイルに設定を追加する。

    (例)

    共有ディスクのマウントポイントが/mnt/testであり,そのブロックスペシャルデバイスが/dev/sdb1の場合の設定例を記載します。

    /dev/sdb1 /mnt/test
  3. SNMPエージェントを再起動する。

    SNMPエージェントは起動時に/etc/SnmpAgent.d/esafstab.confを読み込みます。その際,/etc/ SnmpAgent.d/esafstab.confファイルの内容にシンタクスエラーがあった場合はその行を無視して起動します。シンタクスエラーの内容は/etc/SnmpAgent.d/esafstab.conf.errに出力します。