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JP1 Version 12 JP1/Extensible SNMP Agent


2.9.1 ネイティブエージェントアダプターの機能

ネイティブエージェントアダプターは,ネイティブエージェントとSNMPエージェントを接続するためのアダプター機能です。この機能を使用すると,ネイティブエージェントが提供するMIBオブジェクトと,mib-2配下にあるsystemおよびsnmp以外のグループのMIBもSNMPを通じて取得できます。ネイティブエージェントアダプターとネイティブエージェントの間は,IPv4ループバックアドレス宛てにSNMPv1またはSNMPv2cで通信します。SNMPマネージャーからSNMPエージェントへのSNMP要求がIPv6通信の場合も同様です。

ネイティブエージェントから取得するMIBグループは,naa.cnf定義ファイルによって決定されます。詳細については,「6. 定義ファイル」の「構成定義ファイル(naa.cnf)」を参照してください。

ネイティブエージェントアダプターの動作を次の図に示します。

図2‒3 ネイティブエージェントアダプターの動作

[図データ]

注※1 マスターエージェントがSNMP要求受信用ポートとして,次のUDPポートをバインドして起動します。
  • SolarisおよびAIXの場合:UDPポート161

  • Linuxの場合:UDPポート22161

注※2 ネイティブエージェントがSNMP要求受信用ポートとして,次のUDPポートをバインドして起動します。
  • SolarisおよびAIXの場合:UDPポート8161

  • Linuxの場合:UDPポート161

次に,ネイティブエージェントアダプターの起動時,およびNNMまたはNNMiからのSNMP要求時の動作について説明します。なお,動作の番号は図2-3での番号を示します。

〈この項の構成〉

(1) ネイティブエージェントアダプター起動時の動作

操作手順

  1. ネイティブエージェントアダプターは起動時にnaa.cnf定義ファイルを読み込む。

  2. ネイティブエージェントアダプターは,naa.cnf定義ファイルに指定されたMIBオブジェクトを,ネイティブエージェントアダプターが処理するMIBオブジェクトとして,マスターエージェントに登録する。

(2) NNMまたはNNMiからのSNMP要求時の動作

操作手順

  1. NNMまたはNNMiからnaa.cnf定義ファイルに定義したMIBオブジェクトについてのSNMP要求が送信される。

  2. マスターエージェントは,MIB値操作要求(リクエスト)をネイティブエージェントアダプターに配信する。

  3. ネイティブエージェントアダプターは,SNMP要求をSNMPパケットに再構築して,UDPポート(SolarisおよびAIXの場合は8161,Linuxの場合は161)に送信する。

    UDPポートに送信された要求はネイティブエージェントに受信されます。

  4. ネイティブエージェントはSNMP応答をネイティブエージェントアダプターに送信する。

    ネイティブエージェントにとっては,ネイティブエージェントアダプターはSNMPマネージャーのように働きます。

  5. ネイティブエージェントアダプターはマスターエージェントにMIB値操作応答を返す。

  6. マスターエージェントは,NNMまたはNNMiにSNMP応答を返す。

ネイティブエージェントアダプターの対象となるネイティブエージェントを次の表に示します。

表2‒4 ネイティブエージェントアダプターの対象となるネイティブエージェント

適用OS

対象となるネイティブエージェント

Solaris

/usr/sbin/snmpd

AIX

/usr/sbin/snmpd

Linux

/usr/sbin/snmpd

注※

Linuxでは,ネイティブエージェントは,CD-ROMで提供されているか,OSインストール時にインストールするかを選択できます。