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JP1 Version 12 JP1/SNMP System Observer


11.5.1 SSOクラスタソフト共通の注意事項

SSOクラスタソフト共通の注意事項について説明します。

〈この項の構成〉

(1) SSOの起動と停止

SSOをクラスタ構成にした場合,SSOの起動と停止はクラスタソフトから実施してください。

ただし,SSOの障害(プロセスダウン)をフェールオーバーの契機に設定していない場合は,ssostopコマンドおよびssostartコマンドを使用して,SSOだけを再起動できます。SSOの障害をフェールオーバーの契機に設定している場合にSSOだけを再起動したい場合は「(2) SSOプロセスを再起動する場合」を参照してください。

(2) SSOプロセスを再起動する場合

動作定義ファイルやユーザリソース設定ファイルの内容の変更時などに,SSOプロセスの再起動が必要になる場合があります。ただし,SSOのクラスタ制御スクリプトでSSOプロセスを監視対象に設定している状態でSSOプロセスを停止すると,フェールオーバーが発生してしまいます。

クラスタ制御スクリプトでSSOプロセスを監視している状態で,フェールオーバーを発生させないでSSOプロセスを停止する場合には,監視処理一時中断ファイルを作成して,メンテナンスモードにしてからssostopコマンドでSSOを停止してください。

このあと,SSOプロセスを起動する場合は,ssostartコマンドでSSOを起動したあとに監視処理一時中断ファイルを削除して,メンテナンスモードを解除してください。

監視処理一時中断ファイルのファイルサイズは0バイトで問題ありません。

監視処理一時中断ファイルの格納先を次の表に示します。

表11‒12 監視処理一時中断ファイルの格納先

監視処理一時中断ファイル名

格納先ディレクトリ

ha_maintenance

$SSO_TMP

なお,SSOのクラスタ制御スクリプトでプロセスの監視を設定していない場合,この手順を実施する必要はありません。

(3) NNMiリソースをメンテナンスモードにする場合

NNMiリソースをメンテナンスモードにする場合で,SSOとして次の条件を満たすときは,NNMiを停止する前に,必ず監視処理一時中断ファイルを作成してSSOリソースをメンテナンスモードにしてください。

SSOリソースは,NNMiのリソースに依存します。そのため,メンテナンスモードに設定するときは,SSOリソースをメンテナンスモードにしたあとにNNMiリソースをメンテナンスモードに設定してください。また,メンテナンスモードを解除するときは,NNMiリソースのメンテナンスモードを解除したあとにSSOリソースのメンテナンスモードを解除してください。

(4) クラスタ制御スクリプトを変更する場合

SSOのクラスタ制御スクリプトを変更する場合は,SSOリソースを停止したあとにクラスタ制御スクリプトを変更してください。

SSOリソースを停止させないでクラスタ制御スクリプトを変更したい場合は,SSOプロセスが動作していないホスト側でクラスタ制御スクリプトを変更し,系切り替え後にもう一方のホスト側で変更してください。

SSOリソースが動作しているホスト上で,クラスタ制御スクリプトを変更することはできません。

(5) 論理IPアドレスを変更する場合

(a) 基本構成の場合

SSOの論理IPアドレスを変更するときは,NNMiの仮想IPアドレスを変更する前(NNMiリソースグループを停止する前)に実施してください。

SSOの論理IPアドレスを変更する場合は,クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbsまたはssoclustersetup)で,次の引数を指定して実行します。

引数

指定する値

第一引数

-defset(動作定義ファイル設定指定)

第二引数

変更後の論理IPアドレス(IPv4アドレスまたはIPv6アドレス)

なお,NNMiリソースグループが停止状態のときは,論理IPアドレスの変更はできません。

WindowsでのIPv4の論理IPアドレスを変更するコマンドの指定例を次に示します。

cscript.exe $SSO_BIN\ssoclustersetup.vbs -defset 変更後の論理IPアドレス

LinuxでのIPv6の論理IPアドレスを変更するコマンドの指定例を次に示します。

ssoclustersetup -defset 変更後の論理IPアドレス

また,上記のコマンドを実行したあと,次の手順を実施してください。

  1. 監視処理一時中断ファイルを作成します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

    作成方法については,「(2) SSOプロセスを再起動する場合」を参照してください。

  2. SSOが動作する自サーバのIPアドレスを変更する場合の手順を実施します。

    詳細は,「2.9.1(7) SSOが動作する自ホストのホスト名またはIPアドレスを変更する場合」を参照してください。ただし,次の点に注意してください。

    • 手順内のIPアドレスは,論理IPアドレスに読み替える。

    • 手順8を手順6の前に実施する。

    • 手順6ではリソースグループを停止し,手順9ではリソースグループを起動する(Veritas Cluster Serverの場合だけ)。

    リソースグループの停止コマンドを次に示します。

    # hagrp -offline リソースグループ名 -sys 停止ホスト名

    リソースグループの起動コマンドを次に示します。

    # hagrp -online リソースグループ名 -sys 起動ホスト名
  3. 監視処理一時中断ファイルを削除します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

もし,SSOの論理IPアドレスを変更する前にNNMiの仮想IPアドレスを変更してしまった場合には,次に示す手順を実施してください。

  1. 監視処理一時中断ファイルを作成します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

    作成方法については「(2) SSOプロセスを再起動する場合」を参照してください。

  2. プロセス監視条件設定ウィンドウで,監視サーバ一覧から自ホストをすべて削除します。

  3. リソース収集条件設定ウィンドウで,自ホストの収集条件をすべて削除します。

  4. リソース収集,プロセス監視をすべて停止します。

  5. リソース収集,プロセス監視のGUIをすべてクローズします。

  6. SSOで保持するすべてのリソース収集データベースを削除します。

    必要に応じて,削除前にssoextractlogコマンドによって該当するデータを抽出,保存してください。

  7. クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbsまたはssoclustersetup)で,引数「-defset」指定して実行し,論理IPアドレスを変更します。

  8. 次に示す定義ファイルに変更対象サーバのホストを定義している場合は,定義を変更します。

    SSOの定義ファイル

    • イベント送信先定義ファイル(ssodest.conf)

    • 監視サーバ定義ファイル

    APMの定義ファイル

    • 起動イベントあて先定義ファイル(apmdest.conf)

    • プロキシ定義ファイル(apmproxy.conf)

    自ホスト,他ホストに関係なくSSOのイベント送信先定義ファイル(ssodest.conf),およびSNMPエージェントのイベントあて先に変更するホストを定義している場合は定義を変更してください。

    なお,SNMPエージェントのイベントあて先は,OSがLinuxの場合は,/etc/SnmpAgent.d/snmpd.confのtrap-destに設定したあて先になり,OSがWindowsの場合は,"SNMP Service"サービスのプロパティで[トラップ]タブ中のトラップ送信先に存在するあて先になります。

  9. SSOを停止します。

    <WSFCまたはHAモニタの場合>

    ssostopコマンドを実行し,SSOを停止します。

    <Veritas Cluster Serverの場合>

    次のコマンドを実行し,リソースグループを停止します。

    # hagrp -offline リソースグループ名 -sys 停止ホスト名
  10. SSOを起動します。

    <WSFCまたはHAモニタの場合>

    ssostartコマンドを実行し,SSOを起動します。

    <Veritas Cluster Serverの場合>

    次のコマンドを実行し,リソースグループを起動します。

    # hagrp -online リソースグループ名 -sys 起動ホスト名
  11. 監視処理一時中断ファイルを削除します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

  12. リソース収集条件およびプロセス監視条件を再設定します。

  13. リソース収集,プロセス監視を開始します。

  14. レポート定義ファイルを作り直します。

(b) 分散構成の場合

SSOの論理IPアドレスを変更する場合は,クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup.vbsまたはssoclustersetup)で,次の引数を指定して実行します。

引数

指定する値

第一引数

-defset(動作定義ファイル設定指定)

第二引数

変更後の論理IPアドレス(IPv4アドレスまたはIPv6アドレス)

WindowsでのIPv4の論理IPアドレスを変更するコマンドの指定例を次に示します。

cscript.exe $SSO_BIN\ssoclustersetup.vbs -defset 変更後の論理IPアドレス

LinuxでのIPv6の論理IPアドレスを変更するコマンドの指定例を次に示します。

ssoclustersetup -defset 変更後の論理IPアドレス

また,上記のコマンドを実行したあと,次の手順を実施してください。

  1. 監視処理一時中断ファイルを作成します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

    作成方法については,「(2) SSOプロセスを再起動する場合」を参照してください。

  2. SSOが動作する自サーバのIPアドレスを変更する場合の手順を実施します。

    詳細は,「2.9.1(7) SSOが動作する自ホストのホスト名またはIPアドレスを変更する場合」を参照してください。ただし,次の点に注意してください。

    • 手順内のIPアドレスは論理IPアドレスに読み替え,IPアドレスを変更するときは,各クラスタソフトの手順に従ってSSOのリソースグループの論理IPアドレスを変更する。

    • 手順8を手順6の前に実施する。

    • 手順6ではリソースグループを停止し,手順9ではリソースグループを起動する(Veritas Cluster Serverの場合だけ)。

    リソースグループの停止コマンドを次に示します。

    # hagrp -offline リソースグループ名 -sys 停止ホスト名

    リソースグループの起動コマンドを次に示します。

    # hagrp -online リソースグループ名 -sys 起動ホスト名
  3. 監視処理一時中断ファイルを削除します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

(6) 論理ホスト名を変更する場合

(a) 基本構成の場合

論理ホスト名を変更する場合は,NNMiリソースグループの削除および再作成から実施する必要があります。

SSOのクラスタ環境解除を実施し,NNMiの仮想ホスト名の変更を実施したあとに,再度SSOクラスタの環境構築を実施してください。

SSOの論理ホスト名を変更する場合は,次に示す手順を実施してください。

  1. SSOのクラスタシステム環境を解除します。

    クラスタシステム環境の解除については「11.4 SSOクラスタシステム環境の解除」を参照してください。また,次の内容について注意してください。

    • SSOのクラスタ制御スクリプトは,再構築後に使用するため削除しないでください。

    • 設定内容を引き継ぐため,実行系だけクラスタ環境設定コマンドで解除設定してください。待機系ではクラスタシステムの解除設定は必要ありません。

  2. NNMiのHA設定を解除します。

    詳細については,NNMiのリリースノートを参照してください。

  3. 論理ホスト名を変更します。

    詳細については,NNMiのリリースノートを参照してください。

  4. NNMiのHAを設定します。

    詳細については,NNMiのリリースノートを参照してください。

  5. SSOのクラスタシステム環境を再度,構築します。

    クラスタシステム環境の構築については「11.2 SSOクラスタシステムの環境構築」を参照してください。また,次の内容について注意してください。

    • SSOのクラスタ制御スクリプトは,クラスタシステム環境を解除する前に使用していたクラスタ制御スクリプトを使用してください。

    • ssonnmsetupコマンドの実行は必要ありません。

    • 待機系でのクラスタシステムの設定は必要ありません。

  6. 監視処理一時中断ファイルを作成します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

    作成方法については,「(2) SSOプロセスを再起動する場合」を参照してください。

  7. SSOが動作する自サーバのホスト名を変更する場合の手順を実施します。

    詳細は,「2.9.1(7) SSOが動作する自ホストのホスト名またはIPアドレスを変更する場合」を参照してください。ただし,次の点に注意してください。

    • 手順内のホスト名は,論理ホスト名に読み替える。

    • 手順8を手順6の前に実施する。

    • 手順6ではリソースグループを停止し,手順9ではリソースグループを起動する(Veritas Cluster Serverの場合だけ)。

    リソースグループの停止コマンドを次に示します。

    # hagrp -offline リソースグループ名 -sys 停止ホスト名

    リソースグループの起動コマンドを次に示します。

    # hagrp -online リソースグループ名 -sys 起動ホスト名
  8. 監視処理一時中断ファイルを削除します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

(b) 分散構成の場合

分散構成でSSOの論理ホスト名を変更する場合は,次に示す手順を実施してください。

  1. 監視処理一時中断ファイルを作成します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

    作成方法については,「(2) SSOプロセスを再起動する場合」を参照してください。

  2. SSOが動作する自サーバのホスト名を変更する場合の手順を実施します。

    詳細は,「2.9.1(7) SSOが動作する自ホストのホスト名またはIPアドレスを変更する場合」を参照してください。ただし,次の点に注意してください。

    • 手順内のホスト名は論理ホスト名に読み替え,ホスト名を変更するときは,各クラスタソフトの手順に従ってSSOのリソースグループの論理ホスト名を変更する。

    • 手順8を手順6の前に実施する。

    • 手順6ではリソースグループを停止し,手順9ではリソースグループを起動する(Veritas Cluster Serverの場合だけ)。

    リソースグループの停止コマンドを次に示します。

    # hagrp -offline リソースグループ名 -sys 停止ホスト名

    リソースグループの起動コマンドを次に示します。

    # hagrp -online リソースグループ名 -sys 起動ホスト名
  3. 監視処理一時中断ファイルを削除します(WSFCとHAモニタの場合だけ)。

(7) NNMiを上書きインストールまたはバージョンアップインストールする場合(基本構成の場合)

NNMiを上書きインストールまたはバージョンアップインストールする場合,SSOリソースを停止したあとにNNMiリソースを停止してからインストールを実施してください。

なお,SSOリソースは,NNMiの上書きインストール手順の中で起動されます。

(8) バックアップおよびリストアする場合

バックアップおよびリストアする場合,ssobackupコマンドおよびssorestoreコマンドは実行系で実行します。待機系で実行する必要はありません。待機系で実行すると,コマンドの戻り値が「-1」で実行エラーとなります。

なお,ssorestoreコマンドは,メンテナンスモードにした上でSSOを停止してから実行してください。

(9) リソースグループの構成について

基本構成時のNNMiリソースグループや分散構成時のSSOリソースグループには,ほかのJP1リソースを含めないことを推奨します。ただし,JP1認証方式を使用する場合のJP1/Baseは除きます。