Hitachi

JP1 Version 12 JP1/SNMP System Observer


10.2.2 リソース収集での運用方法の最適化

〈この項の構成〉

(1) 監視リソース数および収集間隔の最適化

リソース収集は,収集条件に設定した収集間隔で,SSOから監視サーバに対して順次収集が実行されます。

リソース収集での通信多重度(同時に収集する監視サーバ数)は,ssocollectd動作定義ファイル(ssocollectd.def)のmax-snmp-session:キーに設定します。ネットワーク通信負荷やリソース収集量によっては,設定した収集間隔ですべての監視サーバからの収集が完了しないおそれがあります。収集が完了しない場合,SSOは収集を打ち切らないで継続するため,その設定のまま運用を続けると,ある一定期間内の理論上の収集回数と実際の収集回数が一致しないことがあります。このような場合は,監視リソース数を必要最低限に絞り込むか,収集間隔を広げる運用に変更することを推奨します。

(2) 収集開始時の負荷分散

SSOの起動時および起動後に処理が集中することで,一時的にCPUおよびネットワークに負荷が掛かることがあります。これらの負荷がほかのプログラムに影響を与えることを避けるために,設定によって負荷を分散できます。

(a) SSO起動時の収集再開処理の負荷分散

SSOの停止によって終了した収集はすべて次回のSSO起動時に自動的に再開されます。この再開処理の集中によって,一時的にCPUおよびネットワークに負荷が掛かることがあります。これらの負荷は,ssocolmng動作定義ファイル(ssocolmng.def)のsso-start-collect-interval:キー,およびsso-start-collect-unit:キーを設定することで分散できます。SSO起動時のCPUおよびネットワークの高負荷が,ほかのプログラムに影響を与えることが無視できない環境では,負荷分散を推奨します。sso-start-collect-interval:キーおよびsso-start-collect-unit:キーの設定値の目安は,「7.3.8 ssocolmng動作定義ファイル(ssocolmng.def)」を参照してください。

(b) SSO起動後の収集開始・停止での負荷分散

SSO起動後の収集開始・停止によって,一時的にCPUおよびネットワークに負荷が掛かることがあります。これらの負荷は,ssocolstartまたはssocolstopコマンドを-sオプション指定で分割してバッチで実行して,コマンドの間にスリープを挿入することで分散できます。収集開始・停止時のCPUおよびネットワークの高負荷が,ほかのプログラムに影響を与えることが無視できない環境では,負荷分散を推奨します。ssocolstartコマンドについては「6. コマンド ssocolstart」を,ssocolstopコマンドについては「6. コマンド ssocolstop」を参照してください。

-sオプションにコンマ区切りで指定する1コマンド当たりの監視サーバ数とスリープ秒数は,次に示す式が成り立つように設定してください。

[図データ]

(3) 収集開始中・停止中のコマンドおよびGUI操作不能の回避

ssocolstartまたはssocolstopコマンドの-allオプション指定による実行で収集を開始または停止すると,そのコマンドが完了するまでの間,リソース監視機能のほかのコマンド,およびGUIによる操作ができません。これを回避するには,次のどれかの方法で収集を開始または停止してください。

ssocolstartコマンドについては「6. コマンド ssocolstart」を,ssocolstopコマンドについては「6. コマンド ssocolstop」を参照してください。リソース収集条件設定ウィンドウについては,「5.3 リソース収集条件設定ウィンドウ」を参照してください。