付録G.61 ovstart
NNMi 管理対象プロセスの起動
SYNOPSIS
ovstart [ [-c] [-d] [-o ovspmd_path] [-v] [--] [ovspmd_options...] [managed_process_names...] ]
DESCRIPTION
ovstartはNNMi 監視対象プロセスを起動します。一つ以上のmanaged_process_name引数を指定して呼び出された場合,ovstartは指定した管理対象プロセスが依存している他の管理対象プロセスを最初に起動してから,指定した管理対象プロセスを起動します。引数なしで呼び出された場合,ovstartはデフォルトで起動するように構成されているすべての管理対象プロセスを起動します。
ovstartは,起動しようとしたすべての管理対象プロセスが応答またはタイムアウト(LRF指定のタイムアウト時間内の応答に失敗)するまで終了しません。デフォルトでは,ovstartは,管理対象プロセスが失敗するまで出力を作成しません。ovstartをコマンドラインから実行した場合は,操作の進捗を把握するために-cまたは-vオプションを使用するとよいでしょう。前回のが成功した後でovstartを再度起動してもまったく害はありません。
ovstartは,起動要求(OVS_REQ_START)をプロセス管理サービスであるovspmdに送信します。ovspmdがまだ起動中でない場合,ovstartはまずこれを起動します。
ovstartはWindowsシステムの管理者またはLinuxシステムのrootが実行する必要があります。
管理対象プロセスはovaddobjによってローカル登録ファイルの情報から構成されます。管理対象プロセスは,その管理対象プロセスを記述しているLRFの第1フィールドによって命名されます。
NNMiクラスタ(nnmcluster参照)用に構成されたノードでovstartを使用した場合,ovstartの動作は上記とは異なります。具体的に言うと,ovstartは"nnmcluster -daemon"コマンドとまったく同じ動作をします。
NNMiクラスタ環境では,ovstartは(バックグラウンドのNNMiクラスタを起動後)すぐに返ります。その代わりに,nnmcluster コマンドがほかのNNMiプロセスを起動するかどうか,またはいつ起動するのかを決定します。ovstatus出力を監視して,NNMiプロセスの起動が完了したかどうか判断してください。
NNMiクラスタ環境では,ovstartのほかのコマンドラインオプションはサポートしていません。
なお,NNMiクラスタ属性をきめ細かく制御するために,nnmclusterコマンドを直接使用してください。NNMiクラスタ環境でのovstartコマンドは,よく知られたコマンドを使ってNNMiを起動する場合の便宜のために提供されています。
Parameters
ovstartコマンドは,次のオプションをサポートします。サポートされないオプションを指定した場合,使用方法のメッセージが表示されます。
- -c
-
各管理対象プロセスの成否に関する1行分の情報を作成します。
- -d
-
ovspmdの起動,連絡,および起動要求の送信,および通信チャネルの閉鎖を含む処理の重要な段階を報告します。
- -o ovspmd_path
-
ovspmdの実行可能ファイルをデフォルト位置(Windowsの場合:%NNM_BIN%,Linuxの場合:$NNM_BIN)ではなくovspmd_pathに格納するように指定します。ovspmdが既に起動中の場合は,このオプションは無視されます。
- -v
-
各管理対象プロセスの成否に関する複数行の情報を作成します。
- - ovspmd_options
-
ovstartに知られていないオプションがあればovspmdに渡します。-dオプションは両方のプログラムに対して有効なので,ovstartオプションと解釈され,ovspmdには渡されません。同様に,-Vオプションはovstartに対して有効ではないので,ovspmdに渡されます。オプションがどちらにも認識されない場合,使用方法メッセージは ovstartからではなくovspmdから出力されます。
- --
-
ovstartコマンドラインのoptionsセクションを終了します。コメントトークン(--)の後のすべての引数は,起動する管理対象プロセス名と解釈され,ovspmdに渡されます。
RETURN VALUE
非NNMiクラスタ環境では,ovstartは起動に成功しなかったオブジェクトマネージャ数を開始行から示す状態で終了します。要求されたすべての管理対象プロセスが起動に成功した場合,ovstartはステータス0(ゼロ)で終了します。
NNMiクラスタ環境では,ovstartは常にステータス0(ゼロ)で即時終了します。
DIAGNOSTICS
ovstartは特定のコマンドラインエラー(特に引数過多)およびシステムエラーを報告します。メッセージの先頭には「ovstart:」が付与され,内容が一目瞭然であることを目的としています。ovstartはovspmdから受信したエラーメッセージも出力します。これらのメッセージの先頭には「ovspmd:」が付与されます。ovstartはサポートしていないオプションをエラーとして扱いませんが,ovspmdはこれらをエラーとして扱います。
ovspmdは複数の要求(ovstart,ovstop,ovstatus)を一度に処理できることに注意してください。これらのコマンドのどれかが処理中の場合,新規要求は前回のコマンドが完了するまでタイプ別に待ち行列に入れられます。
EXAMPLES
ovstart
デフォルトで起動するように構成されているすべての管理対象プロセスの起動をovspmdに要求します。ovspmdがまだ起動中でない場合,オプションなしでこれを起動します。失敗のみが報告されます。
ovstart -v -V -- ovjboss
ovjbossプロセスの起動をovspmdに要求します。これにより,ovjbossプロセスが依存しているほかの管理対象プロセスを最初に起動してから,JbossアプリケーションサーバーおよびJboss内で一緒に展開されているすべてのNNMiサービスが起動されます。ovspmdがまだ起動中でない場合,冗長モードで起動します(-Vオプション)。プログラム起動の成否を報告します(-vオプション)。ovstartがovjbossをサポートされていない-Vオプションの引数と解釈しないように,コメントトークン(--)オプションが必要であることに注意してください。
AUTHOR
ovstart was developed by Micro Focus.
FILES
次に示すファイルの環境変数の使用については,nnm.envvarsリファレンスページを参照してください。
- Windows:
- %NNM_BIN%\ovstart
- %NNM_BIN%\ovspmd
- Linux:
- $NNM_BIN/ovstart
- $NNM_BIN/ovspmd
EXTERNAL INFLUENCES
Environmental Variables
$LANGは,国際化変数LC_ALL, LC_CTYPE, LC_MESSAGESが未設定,NULL,または無効な場合にデフォルト値を提供します。
$LANGが未設定,NULL,または無効な場合,デフォルト値のC(Windowsの場合English_UnitedStates.1252)が使用されます。
LC_ALL(または$LANG)はovspmdが起動したほかのすべてのプロセスのロケールを決定します。
LC_CTYPEは,テキストをシングルバイト文字,マルチバイト文字,あるいはその両方として解釈すること,文字の分類は印刷可能とすること,正規表現の文字クラス表現によって文字を一致させることを決定します。
LC_MESSAGESは,メッセージを表示する言語を決定します。
ovstartが実行され,かつ現在実行中のovspmdプロセスがない場合,ovspmdは実行シェルの環境を引き継ぎます。ovspmdが起動したすべての管理対象プロセスはこの同じ環境を引き継ぎます。
ovspmdまたは管理対象プロセスの環境を変更するには,正しい環境でovspmdを再起動する必要があります。このためには,すべての管理対象プロセスを停止する必要があります(ovspmdはすべての管理対象プロセスがシャットダウンされるまで終了しません)。
結果として,ovstartまたはovspmdから起動した管理対象プロセスの環境を変更するには,下記を実行する必要があります。
-
引数なしでovstopを実行して,すべての管理対象プロセスおよびovspmdをシャットダウンします。
-
正しい環境変数を設定します。
-
ovstartを実行して,ovspmdおよび一部またはすべての管理対象プロセスを再起動します。
NNMi Cluster
com.hp.ov.nms.cluster.nameが%NNM_DATA%\shared\nnm\conf\props\nms-cluster.propertiesファイル(Windowsの場合)または,$NNM_DATA/shared/nnm/conf/props/nms-cluster.propertiesファイル(Linuxの場合)で定義されている場合,ovstartは起動をnnmclusterコマンドに任せます。
SEE ALSO