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JP1 Version 12 JP1/Network Node Manager i セットアップガイド


18.7.2 NNMiの起動と停止および再起動

〈この項の構成〉

(1) NNMiの起動と停止

アプリケーションフェイルオーバー構成のNNMiは,ovstartコマンドで起動,またはovstopコマンドで停止を行う際に,nnmclusterコマンドに置き換えられて実行します。置き換え後のコマンドは,「18.4.3 アプリケーションフェイルオーバー構成のNNMi管理サーバーで使用するovstartおよびovstopコマンド」を参照してください。

アプリケーションフェイルオーバー構成のNNMiは,起動時にサーバーがアクティブになるかスタンバイになるかが自動的に調整され,先にnnmclusterを起動したサーバーがアクティブになります。起動時の動作については,「18.4 アプリケーションフェイルオーバー機能の使用」を参照してください。

起動時の処理が完了すると次の通常運用時の状態になります。サーバーの状態は,nnmclusterコマンドをオプションなしで実行(インタラクティブモード)またはnnmcluster -displayコマンドを実行してState列の表示を参照して確認します。

<通常運用時の状態>

アクティブサーバー:ACTIVE_NNM_RUNNING

スタンバイサーバー:STANDBY_READY

NNMiの起動時はサーバーが上記の通常運用時の状態になることを確認してください。主なサーバーの状態には次の種類があります。

状態(Stateの表示)

役割

説明

ACTIVE_NNM_STARTING

アクティブ

NNMiの起動処理中です

ACTIVE_DB_BACKUP

アクティブ

NNMiのDBのバックアップ処理中です

ACTIVE_NNM_RUNNING

アクティブ

NNMiが稼働している状態です

STANDBY_RECV_DBZIP

スタンバイ

アクティブ側のNNMiからDBを転送中です

STANDBY_READY

スタンバイ

スタンバイとして準備完了となったNNMiの状態です

アプリケーションフェイルオーバーの運用操作,例えばアクティブとスタンバイの切り替えなどを行う場合は,通常運用時の状態になっていることを確認してから行ってください。この状態になる前にフェイルオーバーをした場合,サーバー間が正しく同期できずにNNMiの起動が失敗してACTIVE_NNM_FAILEDの状態になる場合があります。この場合は両サーバーを停止してから起動を行ってください。データベースの問題で起動できない場合は,データベースをリセットし,バックアップデータをリストアしてから再起動してください。

(2) NNMiの再起動

スタンバイNNMi管理サーバーは,いつでも再起動でき,再起動に関する特別な指示はありません。スタンバイおよびアクティブの両方のNNMi管理サーバーを再起動する場合,アクティブNNMi管理サーバーを先に再起動します。

アクティブまたはスタンバイNNMi管理サーバーを再起動するには,次の手順を実行します。

  1. NNMi管理サーバーでnnmcluster -disableコマンドを実行し,アプリケーションフェイルオーバー機能を無効にする。

  2. 次のコマンドを実行して,NNMi管理サーバーを再起動する。

    ovstop
    ovstart
  3. NNMi管理サーバーでnnmcluster -enableコマンドを実行し,アプリケーションフェイルオーバー機能を有効にする。

    重要

    NNMiのTrapReceiverプロセス,およびそのフェイルオーバーとの関連に関する重要情報については,「21.16 NNMi NmsTrapReceiverプロセス」を参照してください。

通信障害後のアプリケーションフェイルオーバーの制御

2つのクラスタノード間の通信障害が解決したあとは,その通信障害が発生するまでに最も長時間動作していた(つまり以前にアクティブだった)NNMi管理サーバーが,アクティブサーバーに指定されます。

(3) NNMiのフェイルオーバー

アプリケーションフェイルオーバー構成のシステムでサーバーの障害が発生した場合は,「18.4.2 アプリケーションフェイルオーバーのシナリオ」に示すように状況に応じて自動的にフェイルオーバーし,アクティブサーバーでNNMiが起動されます。

手動でアクティブサーバーを切り替えたい場合は,次の手順を実行します。

  1. アクティブサーバーでovstop -failoverを実行する。

    NNMiが停止してからクラスタマネージャー(nnmcluster)が停止し,スタンバイサーバーが新たなアクティブサーバーとなってNNMiが起動します。

  2. 手順1.を実行した状態では,操作を行った元のアクティブサーバーはクラスタ構成のメンバーから外れている。スタンバイサーバーとしてクラスタに参加するにはovstartを実行する。

    ovstartは,nnmcluster -daemonに置き換えられて実行します。