19.6.2 HAクラスタ内のNNMiをメンテナンスする
- メモ
HAモニタの場合は,手順が一部異なります。手順については,リリースノートを参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) NNMiの起動と停止
NNMiをHA下で実行している場合は,HAのメンテナンスが目的の指示がないかぎり,ovstartコマンドやovstopコマンドは,使わないでください。通常のオペレーションでは,HA製品の適切なコマンドまたはNNMiのHAコマンド(nnmhastartrg.ovplやnnmhastoprg.ovpl)を使って,HAリソースグループの起動や停止を行います。
(2) クラスタ環境でNNMiのホスト名やIPアドレスを変更する
(a) 仮想ホスト名の変更
HA設定の完了後にNNMiの仮想ホスト名を変更することはできません。仮想ホスト名を変更するには,NNMiのHA設定を解除し,新しい仮想ホスト名でHA設定をし直してください。
(b) 仮想IPアドレスの変更
NNMi HAリソースグループの仮想IPアドレスを変更するには,アクティブなクラスタノードで次の手順を実行します。
NNMi HAリソースグループを停止する。
Windows:%NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhastoprg.ovpl NNM <resource_group>
net stop NnmTrapReceiver
Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhastoprg.ovpl NNM <resource_group>
/etc/init.d/nettrap stop
新しいIPアドレスを使うように,クラスタ設定を変更する。
Windows:クラスタの管理コンソールでIPアドレスリソースの設定を変更します。リソースグループを開き,<resource_group>-ipをダブルクリックしてパラメータータブを選択し,新しいIPアドレスを入力します。
Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhargconfigure.ovpl NNM <resource_group> -set_value <resource_group>-ip Address <new_IP_address>
haconf -dump -makeroを実行してHAクラスタに設定変更を反映させます。
NNMi HAリソースグループを起動する。
Windows:%NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhastartrg.ovpl NNM <resource_group>
Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhastartrg.ovpl NNM <resource_group>
NNMiを正常に起動できたことを確認する。
Windows:%NnmInstallDir%bin\ovstatus -c
Linux:/opt/OV/bin/ovstatus -c
(c) 物理ホスト名の変更
クラスタ環境で物理ホスト名を変更する場合,NNMiを停止してからシステムの物理ホスト名を変更してください。NNMiとして必要な設定はありません。物理ホスト名を変更後,NNMiを起動してください。
なお,Windowsのクラスタ環境では,物理ホスト名(コンピューター名)を変更することはできません。
(d) 物理IPアドレスの変更
手順については,「22.4 スタンドアロンのNNMi管理サーバーのIPアドレスを変更する」を参照してください。
(3) フェイルオーバーを行わせないようにNNMiを停止する
NNMiのメンテナンスを行う必要がある場合は,アクティブなクラスタノードのNNMiを,パッシブなクラスタノードへフェイルオーバーさせないように停止できます。アクティブなクラスタノードで次の手順を実行します。
NNMiを前提としている関連製品がある場合,まず関連製品を停止またはメンテナンスモード相当の状態にする。
「(1) NNMiをメンテナンスモードにする」に従って,HAリソースグループをメンテナンスモードにする。
NNMiを停止する。
ovstop -c
(4) メンテナンス後にNNMiを再起動する
フェイルオーバーしないようにNNMiを停止した場合は,次の手順を実行して,NNMiとHA監視を再起動します。
NNMiを起動する。
ovstart -c
NNMiを正常に起動できたことを確認する。
ovstatus -c
すべてのNNMiサービスで,[実行中]状態が表示される必要があります。
「(2) NNMiのメンテナンスモードを解除する」に従って,HAリソースグループのメンテナンスモードを解除する。
NNMiの関連製品を停止またはメンテナンスモード相当の状態にしていた場合は,元の状態に戻す。
(5) HA構成のNNMiのバックアップ
(a) オンラインバックアップ
オンラインバックアップを行う場合は,アクティブなクラスタノードで共有ディスクにアクセスできることを確認してから,通常のバックアップ手順を実施してください。
(b) オフラインバックアップ
HA構成のNNMiのオフラインバックアップデータを取得する場合は,次の手順を実施します。手順に記載しているメンテナンスモードについては「19.6.1 NNMiをメンテナンスモードにする」を参照してください。
HAクラスタ内のアクティブなクラスタノードを特定する。
Windows:%NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode
Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode
アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。
NNMiを停止する。
ovstop -c
HA製品の操作で共有ディスクがオンラインであることを確認する。オフラインであればオンラインに変更する。
共有ディスクにアクセスできることを確認したあと,nnmbackup.ovplコマンドを実行してオフラインバックアップを実施し,バックアップデータを取得する。
NNMiを起動させる。
ovstart -c
NNMiの起動が完了するのを待ちます。
NNMiサービス起動後,メンテナンスモードを解除する。
(6) HA構成のNNMiのリストア
バックアップデータをリストアするときは次の手順を実施します。手順に記載しているメンテナンスモードについては「19.6.1 NNMiをメンテナンスモードにする」を参照してください。
- 重要
シングル構成のNNMiで取得したバックアップデータをクラスタ構成のNNMiにリストアしないでください。
クラスタとして正常に動作し,NNMiがHA構成に設定されている状態にする。
例えば,ハードウェア障害などでシステムの一部または全体が失われた場合,NNMiがHA構成として動作できる状態にシステムを復旧してください。
リストアを実施するノードをアクティブなクラスタノードにする。
アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。
リストアを実施する。
nnmbackup.ovplコマンドで取得したバックアップデータの場合
nnmrestore.ovplコマンドを使用してリストアを実施してください。
nnmbackupembdb.ovplコマンドで取得したバックアップデータの場合
nnmrestoreembdb.ovplコマンドを使用してリストアを実施してください。
- 重要
別ノードで取得したバックアップデータを使用して,nnmrestore.ovplコマンドでリストアを実行する場合は,別ノードのライセンスが適用されないよう,-licオプションを付与しないでください。
NNMiを起動する。
ovstart -c
メンテナンスモードを解除する。
もう一方のノードで手順2.〜手順6.を実施する。
この手順は各ノードのローカルディスク上の設定ファイルを同じ状態にするために行います。同じバックアップデータを使ってリストアを行ってください。
なお,nnmrestoreembdb.ovplコマンドでのリストアは共有ディスク上のデータベースへのリストアを行うため,任意の1つのノードだけで実施してください。
(7) データベースの初期化
HAクラスタ内のアクティブなクラスタノードを特定する。
Windows:%NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode
Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode
アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。
共有ディスクにアクセスできることを確認する。
nnmresetembdb.ovplコマンドを引数なしで実行して,データベースを初期化する。
Windows:%NnmInstallDir%bin\nnmresetembdb.ovpl
Linux:/opt/OV/bin/nnmresetembdb.ovpl
ovstatus -cを実行し,NNMiサービスが起動していることを確認する。
メンテナンスモードを解除する。