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JP1 Version 12 JP1/Network Node Manager i セットアップガイド


19.6.2 HAクラスタ内のNNMiをメンテナンスする

メモ

HAモニタの場合は,手順が一部異なります。手順については,リリースノートを参照してください。

〈この項の構成〉

(1) NNMiの起動と停止

NNMiをHA下で実行している場合は,HAのメンテナンスが目的の指示がないかぎり,ovstartコマンドやovstopコマンドは,使わないでください。通常のオペレーションでは,HA製品の適切なコマンドまたはNNMiのHAコマンド(nnmhastartrg.ovplnnmhastoprg.ovpl)を使って,HAリソースグループの起動や停止を行います。

(2) クラスタ環境でNNMiのホスト名やIPアドレスを変更する

(a) 仮想ホスト名の変更

HA設定の完了後にNNMiの仮想ホスト名を変更することはできません。仮想ホスト名を変更するには,NNMiのHA設定を解除し,新しい仮想ホスト名でHA設定をし直してください。

(b) 仮想IPアドレスの変更

NNMi HAリソースグループの仮想IPアドレスを変更するには,アクティブなクラスタノードで次の手順を実行します。

  1. NNMi HAリソースグループを停止する。

    • Windows:%NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhastoprg.ovpl NNM <resource_group>

      net stop NnmTrapReceiver

    • Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhastoprg.ovpl NNM <resource_group>

      /etc/init.d/nettrap stop

  2. 新しいIPアドレスを使うように,クラスタ設定を変更する。

    • Windows:クラスタの管理コンソールでIPアドレスリソースの設定を変更します。リソースグループを開き,<resource_group>-ipをダブルクリックしてパラメータータブを選択し,新しいIPアドレスを入力します。

    • Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhargconfigure.ovpl NNM <resource_group> -set_value <resource_group>-ip Address <new_IP_address>

      haconf -dump -makeroを実行してHAクラスタに設定変更を反映させます。

  3. NNMi HAリソースグループを起動する。

    • Windows:%NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhastartrg.ovpl NNM <resource_group>

    • Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhastartrg.ovpl NNM <resource_group>

  4. NNMiを正常に起動できたことを確認する。

    • Windows:%NnmInstallDir%bin\ovstatus -c

    • Linux:/opt/OV/bin/ovstatus -c

(c) 物理ホスト名の変更

クラスタ環境で物理ホスト名を変更する場合,NNMiを停止してからシステムの物理ホスト名を変更してください。NNMiとして必要な設定はありません。物理ホスト名を変更後,NNMiを起動してください。

なお,Windowsのクラスタ環境では,物理ホスト名(コンピューター名)を変更することはできません。

(d) 物理IPアドレスの変更

手順については,「22.4 スタンドアロンのNNMi管理サーバーのIPアドレスを変更する」を参照してください。

(3) フェイルオーバーを行わせないようにNNMiを停止する

NNMiのメンテナンスを行う必要がある場合は,アクティブなクラスタノードのNNMiを,パッシブなクラスタノードへフェイルオーバーさせないように停止できます。アクティブなクラスタノードで次の手順を実行します。

  1. NNMiを前提としている関連製品がある場合,まず関連製品を停止またはメンテナンスモード相当の状態にする。

  2. (1) NNMiをメンテナンスモードにする」に従って,HAリソースグループをメンテナンスモードにする。

  3. NNMiを停止する。

    ovstop -c

(4) メンテナンス後にNNMiを再起動する

フェイルオーバーしないようにNNMiを停止した場合は,次の手順を実行して,NNMiとHA監視を再起動します。

  1. NNMiを起動する。

    ovstart -c
  2. NNMiを正常に起動できたことを確認する。

    ovstatus -c

    すべてのNNMiサービスで,[実行中]状態が表示される必要があります。

  3. (2) NNMiのメンテナンスモードを解除する」に従って,HAリソースグループのメンテナンスモードを解除する。

  4. NNMiの関連製品を停止またはメンテナンスモード相当の状態にしていた場合は,元の状態に戻す。

(5) HA構成のNNMiのバックアップ

(a) オンラインバックアップ

オンラインバックアップを行う場合は,アクティブなクラスタノードで共有ディスクにアクセスできることを確認してから,通常のバックアップ手順を実施してください。

(b) オフラインバックアップ

HA構成のNNMiのオフラインバックアップデータを取得する場合は,次の手順を実施します。手順に記載しているメンテナンスモードについては「19.6.1 NNMiをメンテナンスモードにする」を参照してください。

  1. HAクラスタ内のアクティブなクラスタノードを特定する。

    • Windows:%NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode

    • Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode

  2. アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。

  3. NNMiを停止する。

    ovstop -c
  4. HA製品の操作で共有ディスクがオンラインであることを確認する。オフラインであればオンラインに変更する。

  5. 共有ディスクにアクセスできることを確認したあと,nnmbackup.ovplコマンドを実行してオフラインバックアップを実施し,バックアップデータを取得する。

  6. NNMiを起動させる。

    ovstart -c

    NNMiの起動が完了するのを待ちます。

  7. NNMiサービス起動後,メンテナンスモードを解除する。

(6) HA構成のNNMiのリストア

バックアップデータをリストアするときは次の手順を実施します。手順に記載しているメンテナンスモードについては「19.6.1 NNMiをメンテナンスモードにする」を参照してください。

重要

シングル構成のNNMiで取得したバックアップデータをクラスタ構成のNNMiにリストアしないでください。

  1. クラスタとして正常に動作し,NNMiがHA構成に設定されている状態にする。

    例えば,ハードウェア障害などでシステムの一部または全体が失われた場合,NNMiがHA構成として動作できる状態にシステムを復旧してください。

  2. リストアを実施するノードをアクティブなクラスタノードにする。

  3. アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。

  4. リストアを実施する。

    • nnmbackup.ovplコマンドで取得したバックアップデータの場合

      nnmrestore.ovplコマンドを使用してリストアを実施してください。

    • nnmbackupembdb.ovplコマンドで取得したバックアップデータの場合

      nnmrestoreembdb.ovplコマンドを使用してリストアを実施してください。

      重要

      別ノードで取得したバックアップデータを使用して,nnmrestore.ovplコマンドでリストアを実行する場合は,別ノードのライセンスが適用されないよう,-licオプションを付与しないでください。

  5. NNMiを起動する。

    ovstart -c
  6. メンテナンスモードを解除する。

  7. もう一方のノードで手順2.〜手順6.を実施する。

    この手順は各ノードのローカルディスク上の設定ファイルを同じ状態にするために行います。同じバックアップデータを使ってリストアを行ってください。

    なお,nnmrestoreembdb.ovplコマンドでのリストアは共有ディスク上のデータベースへのリストアを行うため,任意の1つのノードだけで実施してください。

(7) データベースの初期化

  1. HAクラスタ内のアクティブなクラスタノードを特定する。

    • Windows:%NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode

    • Linux:/opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode

  2. アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。

  3. 共有ディスクにアクセスできることを確認する。

  4. nnmresetembdb.ovplコマンドを引数なしで実行して,データベースを初期化する。

    • Windows:%NnmInstallDir%bin\nnmresetembdb.ovpl

    • Linux:/opt/OV/bin/nnmresetembdb.ovpl

  5. ovstatus -cを実行し,NNMiサービスが起動していることを確認する。

  6. メンテナンスモードを解除する。