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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for Platform(Windows(R)用)


2.3.17 Docker環境で収集できるデータ

〈この項の構成〉

(1) Docker環境の概要

Windows Server 2016で利用できるDocker環境(Windowsコンテナ機能)は,1つのWindowsシステム内で,ソフトウェア的に仮想化された複数のWindows環境を稼働できます。Dockerコンテナ(Windowsコンテナ)は,ホストOSとリソースを共有するため,仮想マシンと比べて,アプリケーション実行のオーバーヘッドが小さくて済みます。

(2) Docker環境の構造

Docker環境は,アプリケーション用のワークスペースを提供するSolarisのZoneと同じような構造をしています。

Docker環境は,Dockerコンテナ(Windowsコンテナ)環境とDockerコンテナを管理するホスト(Dockerホスト)環境から構成されます。

Windowsコンテナには次の2種類が存在します。

PFM - Agent for PlatformがサポートするDocker環境を次に示します。

DockerホストのOSのバージョン
  • Windows Server 2016

(3) Dockerホスト環境でのプロセス監視

PFM - Agent for PlatformがDockerホスト環境上で動作する場合,Dockerコンテナ内のプロセス情報を収集できます。

重要

PFM - Agent for PlatformをDockerコンテナ環境にインストールすることはできません。

ALL Container Collection for Processプロパティの設定によって,Dockerコンテナ内のプロセス情報を収集するかどうかを選択できます。ALL Container Collection for Processプロパティの設定値を次に示します。

Yes

Dockerホスト環境およびすべてのDockerコンテナ環境のプロセス情報を収集する。

注※

Windows Serverコンテナのプロセス情報を収集できます。Hyper-Vコンテナのプロセス情報は収集できません。

No

Dockerホスト環境のプロセス情報だけを収集する。

ALL Container Collection for Processプロパティのデフォルト値は「Yes」です。

Dockerホスト環境上でPFM - Agent for Platformが動作する場合に収集するプロセス情報を次の図に示します。

図2‒6 Dockerホスト環境上で収集するプロセス情報

[図データ]

(4) プロパティの設定と取得情報との関係

ALL Container Collection for ProcessプロパティとVirtual Environment IDプロパティの設定内容と,取得情報の関係について説明します。

PDレコードで収集されるプロセス情報について,プロパティの設定と取得情報との関係を次の表に示します。

表2‒5 プロパティの設定と取得情報との関係(PDレコード)

ALL Container Collection for Processプロパティの設定

取得情報

収集データ範囲

Virtual Env IDフィールドの値

Yes

Dockerホスト環境およびすべてのDockerコンテナ環境

それぞれのDockerコンテナのID

No

Dockerホスト環境

0

注※

仮想化環境のID(Virtual Env IDフィールドの値)は,Dockerホスト環境の場合は「0」,Dockerコンテナ環境の場合はDockerコンテナに割り振られているIDとなります。

PD_APPレコードでは,収集するプロセスを特定の環境だけに限定できません。収集するプロセスを特定の環境だけに限定する場合は,PD_APP2レコードを使用してください。

なお,PFM - Agent for Platformが収集するデータの範囲は,ALL Container Collection for Processプロパティの設定値の影響を受けません。

PD_APPレコードで収集されるプロセス情報について,プロパティの設定と取得情報との関係を次の表に示します。

表2‒6 プロパティの設定と取得情報との関係(PD_APPレコード)

ALL Container Collection for Processプロパティの設定

収集データ範囲

Yes

Dockerホスト環境およびすべてのDockerコンテナ環境

No

Dockerホスト環境およびすべてのDockerコンテナ環境

PD_APPDレコードおよびPD_APP2レコードで収集されるプロセス情報について,プロパティの設定と取得情報との関係を次の表に示します。

表2‒7 プロパティの設定と取得情報との関係(PD_APPDレコードおよびPD_APP2レコード)

プロパティの設定

取得情報

ALL Container Collection for Process

Virtual Environment ID※1

収集データ範囲

Virtual Env IDフィールドの値※2

Yes

空白

Dockerホスト環境およびすべてのDockerコンテナ環境

空白

Yes

0

Dockerホスト環境

0

Yes

存在するDockerコンテナのID

指定したDockerコンテナ環境

指定したDockerコンテナのID

Yes

存在しないDockerコンテナのID

No

空白

Dockerホスト環境

空白

No

0

Dockerホスト環境

0

No

存在するDockerコンテナのID

No

存在しないDockerコンテナのID

(凡例)

−:収集されません。PD_APPDレコードの場合,Monitoring Countフィールドには0が表示されます。

注※1

PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でホスト名<Windows>(Agent Collectorサービス)を選択し,[Advanced application monitoring]−[Application monitoring setting]ツリーからアプリケーション名を選択したときに表示されるプロパティです。PFM - Web Consoleの[エージェント階層]画面から表示する[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面では,[仮想化環境の識別子]に当たります。

注※2

PD_APPDレコードには,Virtual Env IDフィールドはありません。

PD_APSIレコードで収集されるプロセス情報について,プロパティの設定と取得情報との関係を次の表に示します。

表2‒8 プロパティの設定と取得情報との関係(PD_APSIレコード)

プロパティの設定

取得情報

ALL Container Collection for Process

Virtual Environment ID※1

収集データ範囲

Virtual Env IDフィールドの値

Yes

空白

Dockerホスト環境およびすべてのDockerコンテナ環境

それぞれのDockerコンテナのID※2

Yes

0

Dockerホスト環境

0

Yes

存在するDockerコンテナのID

指定したDockerコンテナ環境

指定したDockerコンテナのID

Yes

存在しないDockerコンテナのID

※3

No

空白

Dockerホスト環境

0

No

0

Dockerホスト環境

0

No

存在するDockerコンテナのID

※3

No

存在しないDockerコンテナのID

※3

(凡例)

−:収集されません。

注※1

PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面でホスト名<Windows>(Agent Collectorサービス)を選択し,[Advanced application monitoring]−[Application monitoring setting]ツリーからアプリケーション名を選択したときに表示されるプロパティです。PFM - Web Consoleの[エージェント階層]画面から表示する[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の新規作成]画面または[プロセス監視の設定 > アプリケーション定義の編集]画面では,[仮想化環境の識別子]に当たります。

注※2

仮想化環境のID(Virtual Env IDフィールドの値)は,Dockerホスト環境の場合は「0」,Dockerコンテナ環境の場合はDockerコンテナに割り振られているIDとなります。

注※3

レポートに表示されません。

PD_APSレコードで収集されるプロセス情報について,プロパティの設定と取得情報との関係を次の表に示します。

表2‒9 プロパティの設定と取得情報との関係(PD_APSレコード)

ALL Container Collection for Processプロパティの設定

取得情報

収集データ範囲

Virtual Env IDフィールドの値

Yes

Dockerホスト環境およびすべてのDockerコンテナ環境

それぞれのDockerコンテナのID

No

Dockerホスト環境

0

注※

仮想化環境のID(Virtual Env IDフィールドの値)は,Dockerホスト環境の場合は「0」,Dockerコンテナ環境の場合はDockerコンテナに割り振られているIDとなります。

(5) Dockerホスト環境での注意事項

PFM - Agent for PlatformをDockerホスト環境にインストールしてプロセスの情報を収集する場合の注意事項を,次に示します。