2.3.2 仮想化システム上でのパフォーマンス監視の目的
前述の「仮想化システムの利点」はシステムのリソースが過不足なく利用されているときに最大の恩恵を受けることができます。システムのリソースが過剰に消費されている,または逆にほとんど使用されていない場合,仮想化システムを有効に利用できていません。
このようなことは,リソースの消費状況を監視することで,現在のシステムが有効な設定であるか,そうでないか判断できます。
基本的には,PFM - Agent for Platformは物理的に1つのOSに関する情報を収集することを目的としています。しかし,使い方を工夫すれば,仮想化システムに依存するパフォーマンス情報についても監視できます。
PFM - Agent for Platformを用いた仮想化システムのパフォーマンス監視は,主に次の目的で使用できます。
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パフォーマンスデータの傾向を分析し,負荷の割り当てと対応するシステムリソースへの影響を把握する。
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パフォーマンスデータを分析し,ボトルネック原因を見つける。
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運用システムが仮想化システム上で正しく動作しているか監視する。
仮想化システムでは特定のボトルネックによって,仮想化システム全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす場合があります。ボトルネックが発生する要因としては,次のようなものがあります。
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論理パーティション上のメモリー不足。
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仮想化システム間での負荷の割り当て。
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プログラムによる特定のリソースの占有。
ここでは,PFM - Agent for Platformを用いて仮想化システムのパフォーマンスを監視する方法について紹介していきます。なお,ここで表記されるパフォーマンス監視時のしきい値はあくまで参考値です。システムの構成,利用方法ごとに適切な値を検討してください。