2.1.1 インストールとセットアップの前に
PFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールおよびセットアップをする前に確認しておくことを説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 前提OS
PFM - RM for Microsoft SQL Serverが動作するOSを次に示します。
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Windows Server 2012
-
Windows Server 2012 R2
-
Windows Server 2016
-
Windows Server 2019
(2) ネットワークの環境設定
Performance ManagementでPFM - RM for Microsoft SQL Serverを動作させるには,IPアドレスやポート番号などのネットワーク環境を設定しておく必要があります。
(a) IPアドレスの設定
PFM - RM for Microsoft SQL Serverのホストは,ホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - RM for Microsoft SQL Serverは起動できません。
PFM - RM for Microsoft SQL ServerではIPv4に加えIPv6およびデュアルスタック環境で動作させることができます。
Windowsシステムではhostnameコマンドを実行して確認したホスト名で,IPアドレスを解決できるように環境を設定してください。
監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
なお,監視対象とのIPアドレス解決には,jpchostsファイルに設定したIPアドレスは使用されません。
Performance Managementプログラムの監視対象のホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。
-
jpchostsファイル(Performance Managementのホスト情報設定ファイル)
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hostsファイル
-
DNS(Domain Name System)
PFM - RM for Microsoft SQL Serverの監視対象のホスト名とIPアドレスは,次のどちらかの方法で設定してください。
-
hostsファイル
-
DNS(Domain Name System)
- 重要
-
-
Performance ManagementプログラムおよびPFM - RM for Microsoft SQL Serverは,DNS環境でも運用できますが,FQDN形式のホスト名には対応していません。このため,監視ホスト名は,ドメイン名を除いて指定してください。
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複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
-
Performance Managementプログラムは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。Performance Managementプログラムを導入するすべての監視ホストに,固定のIPアドレスを設定してください。
-
(b) IPv6を使用する場合の設定
Performance Managementでは,ネットワーク構成がIPv4環境だけでなくIPv6環境にも対応しています。そのため,IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でも,Performance Managementを運用できます。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverでは,PFM - ManagerとIPv6で通信できます。
ただし,PFM - RM for Microsoft SQL Serverが導入されているホストのOSがWindowsで,かつPFM - Managerが導入されているホストのOSがWindows,またはLinuxの場合に限ります。
IPv4環境とIPv6環境での通信の適用範囲については,「付録L IPv4環境とIPv6環境での通信について」を参照してください。
IPv6で通信する場合,PFM - ManagerホストとPFM - RMホストのそれぞれでIPv6の利用設定を有効にする必要があります。また,PFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする前に,PFM - RMホストでIPv6の利用設定を有効にする必要があります。この設定はjpcconf ipv6 enableコマンドで実行しますが,すでに有効になっている場合,この設定は必要ありません。IPv6の利用設定を確認するためには,jpcconf ipv6 displayコマンドを実行します。
jpcconf ipv6 enable,jpcconf ipv6 displayコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。また,jpcconf ipv6 enableコマンドを実行する条件やタイミングについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のIPv6環境が含まれる場合のネットワーク構成例について説明している章を参照してください。
なお,PFM - RM for Microsoft SQL Serverと監視対象ホストをIPv6で通信する場合,名前解決できる監視対象ホスト名を指定してください。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverと監視対象との通信は,解決できるIPアドレスで通信します。また,PFM - RM for Microsoft SQL Serverと監視対象との通信では,IPv4とIPv6が共存した環境の場合,解決できるIPアドレスで通信に失敗したとき,別のIPアドレスで通信することはありません。
例えば,IPv4で接続に失敗した場合,IPv6でリトライすることはありません。また,IPv6で接続に失敗した場合に,IPv4でリトライすることもありません。事前に接続できることを確認してください。
(c) ポート番号の設定
Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
機能 |
サービス名 |
パラメーター |
ポート番号 |
備考 |
---|---|---|---|---|
サービス構成情報管理機能 |
Name Server |
jp1pcnsvr |
22285 |
PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。 |
サービス状態管理機能 |
Status Server |
jp1pcstatsvr |
22350 |
PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。 PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 |
監視コンソール通信機能 |
View Server |
jp1pcvsvr |
22286 |
PFM - ManagerのView Serverサービスで使用されているポート番号です。 PFM - Managerがインストールされているホストで設定されています。 |
Webサービス機能 |
Web Service |
− |
20358 |
PFM - Web ConsoleのWeb Serviceサービスで使用されているポート番号です。 |
Webコンテナ機能 |
Web Console |
− |
20359 20360 |
PFM - Web ConsoleのWeb Consoleサービスで使用されているポート番号です。 |
JP1/SLM連携機能 |
JP1/ITSLM |
− |
20905 |
JP1/SLMで設定されるポート番号。 |
これらのPFM - RM for Microsoft SQL Serverが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
PFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールするには,次の権限が必要です。
- UAC機能有効時
-
インストールするホストにAdministrators権限でログインするか,インストーラーを起動する際にAdministrators権限に特権昇格する必要があります。
- UAC機能無効時
-
インストールするホストにAdministrators権限でログインする必要があります。
(4) 前提プログラム
ここでは,PFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。
なお,PFM - RM for Microsoft SQL ServerをインストールしたホストをPFM - RMホストと呼びます。
プログラム構成には,大きく分けて次の2つの場合があります。システム環境に応じて,プログラム構成を検討してください。
- PFM - ManagerホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合
-
PFM - Managerと同一ホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合のプログラム構成です。この場合のプログラム構成を次の図に示します。
図2‒1 プログラムの構成(PFM - Managerと同一ホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合) - PFM - Managerホストとは異なるホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合
-
PFM - Managerとは異なるホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合のプログラム構成です。このプログラム構成の場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverと同じホストにPFM - Baseをインストールする必要があります。この場合のプログラム構成を次の図に示します。
図2‒2 プログラムの構成(PFM - Baseと同一ホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合)
(a) 監視対象プログラム
PFM - RM for Microsoft SQL Serverの監視対象プログラムを次に示します。
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Microsoft SQL Server Enterprise
-
Microsoft SQL Server Business Intelligence
-
Microsoft SQL Server Standard
Microsoft SQL Serverの最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
(b) Performance Managementプログラム
PFM - RMホストには,PFM - RM for Microsoft SQL ServerとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - RM for Microsoft SQL Serverの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合でも,PFM - Baseは1つだけでかまいません。
ただし,PFM - ManagerとPFM - RM for Microsoft SQL Serverを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。
また,PFM - RM for Microsoft SQL Serverを使ってMicrosoft SQL Serverの稼働監視を行うためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。
(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「3. クラスタシステムでの運用」を参照してください。
(6) 障害発生時の資料採取の準備
トラブルが発生した場合にユーザーモードプロセスダンプなどの資料が必要になります。トラブル発生時にこれらのダンプの資料を採取するために,あらかじめユーザーモードプロセスダンプが出力されるように設定してください。
次のレジストリを設定することによって,アプリケーションプログラムの異常終了時,即座に調査資料のユーザーモードプロセスダンプを取得できます。
\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\Windows Error Reporting\LocalDumps
このレジストリキーに,次のレジストリ値を設定します。
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DumpFolder : REG_EXPAND_SZ ダンプ出力先のフォルダ名
(出力先フォルダには書き込み権限が必要です)
-
DumpCount : REG_DWORD 保存するダンプの数
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DumpType : REG_DWORD 2
- 注意
-
-
レジストリを設定することで,JP1だけでなくほかのアプリケーションプログラムでもユーザーモードプロセスダンプが出力されるようになります。ユーザーモードプロセスダンプの出力を設定する場合はこの点をご注意ください。
-
ユーザーモードプロセスダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。ユーザーモードプロセスダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域が確保されているダンプ出力先フォルダを設定してください。
-
(7) 注意事項
ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。
(a) 環境変数に関する注意事項
Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
-
PFM - ManagerとPFM - RM for Microsoft SQL Serverを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - ManagerをインストールしてからPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールしてください。
-
PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - RM for Microsoft SQL ServerがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Manager,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの順でインストールしてください。また,PFM - Manager とPFM - RM for Microsoft SQL ServerがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Base,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの順でインストールしてください。
-
PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールすると,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホストにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
-
PFM - RM for Microsoft SQL ServerがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールすると,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの接続先PFM - Managerは自ホスト名に設定し直されます。共通メッセージログに設定結果が出力されています。結果を確認してください。
-
PFM - Web Consoleがインストールされているホストに,PFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールする場合は,Webブラウザの画面をすべて閉じてからインストールを実施してください。
-
Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス管理機能がデフォルトで有効になります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のPerformance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。
- ヒント
-
システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - RM for Microsoft SQL Serverはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
(c) バージョンアップの注意事項
Performance Managementプログラムをバージョンアップする場合の注意事項については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップの章にある,バージョンアップの注意事項について説明している個所を参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverをバージョンアップする場合の注意事項については,「付録G 移行手順と移行時の注意事項」を参照してください。
なお,バージョンアップの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。
(d) その他の注意事項
-
Performance Managementのプログラムが1つもインストールされていない環境に新規インストールする場合は,インストール先フォルダにファイルやフォルダがないことを確認してください。
-
Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままインストールした場合,システムの再起動を促すメッセージが表示されることがあります。この場合は,メッセージに従ってシステムを再起動し,インストールを完了させてください。
-
Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままの状態,ディスク容量が不足している状態,またはフォルダ権限がない状態でインストールした場合,ファイルの展開に失敗することがあります。Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラムが起動している場合はすべて停止してからインストールし直してください。ディスク容量不足やフォルダ権限不足が問題である場合は,問題を解決したあとでインストールし直してください。
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Performance Managementのプログラムをインストールする場合,次に示すセキュリティ関連プログラムがインストールされていないかどうか確認してください。インストールされている場合,次の説明に従って対処してください。
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セキュリティ監視プログラム
セキュリティ監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance Managementのプログラムのインストールを妨げないようにしてください。
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ウィルス検出プログラム
ウィルス検出プログラムを停止してからPerformance Managementのプログラムをインストールすることを推奨します。
Performance Managementのプログラムのインストール中にウィルス検出プログラムが稼働している場合,インストールの速度が低下したり,インストールが実行できなかったり,または正しくインストールできなかったりすることがあります。
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プロセス監視プログラム
プロセス監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance Managementのサービスまたはプロセス,および共通コンポーネントのサービスまたはプロセスを監視しないようにしてください。
Performance Managementのプログラムのインストール中に,プロセス監視プログラムによって,これらのサービスまたはプロセスが起動されたり停止されたりすると,インストールに失敗することがあります。
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PFM - RM for Microsoft SQL Serverを上書きインストールまたはバージョンアップインストールすると,再起動が必要になる場合があります。コンピュータの再起動の指示がある場合は,必ずコンピュータを再起動してください。
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PFM - RM for Microsoft SQL Serverのファイルのオープン,およびイベントビューアーを表示している場合は,その画面を閉じるなどファイルのアクセスを解放しておいてください。
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インストール先フォルダには,次のパスは指定しないでください。インストールに失敗することがあります。
システムドライブ\Program Files
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PFM - RM for Microsoft SQL Serverは,JP1/ServerConductor/Deployment Managerのディスク複製インストール,および仮想化プラットフォームが提供するイメージファイル化による複製機能に対応した日立プログラムプロダクトです。
ディスク複製インストールについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のディスク複製インストール時の注意事項について説明している章を確認してください。