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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


1.6.5 ディスクリソースの監視

ここでは,KVMシステムのディスクリソースを監視する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 概要

KVMシステムでは,次のどちらかの方法で仮想マシンにディスクリソースを提供します。

仮想マシン上で稼働するOSは,割り当てられたディスクリソースを通常の物理ディスクとして認識します。

ディスクリソースは,ディスクの転送速度などを表すディスクI/Oリソースと,ディスクの容量などを表すディスク領域リソースに分けられます。PFM - RM for Virtual Machineでは,これらのリソースごとにレコードが用意されます。KVMシステムを監視する場合,次のレコードでディスクリソースを監視できます。なお,仮想マシンのディスク領域リソースを示すPI_VLDIレコードはサポートされません。

  1. PI_HPDIレコード

    物理ディスクのパフォーマンスデータを監視できます。これは,物理サーバから見たディスクI/Oリソースを示します。

  2. PI_VPDIレコード

    仮想マシンが利用している物理ディスクのパフォーマンスデータを監視できます。これは,仮想マシンから見たディスクI/Oリソースを示します。

  3. PI_HLDIレコード

    物理サーバの論理ディスクのパフォーマンスデータを監視できます。これは,物理サーバから見たディスク領域リソースを示します。

次の図に,それぞれのレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。

図1‒61 レコードとデータ収集範囲の対応

[図データ]

(2) 監視例

ここでは,物理サーバに搭載されているディスク1〜2の監視を例に,ディスクリソースに関連して発生する可能性のある問題と,その対処方法を説明します。次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。

図1‒62 監視項目と対処の流れ

[図データ]

(a) 物理サーバの論理ディスクの領域使用率を監視する例

物理サーバの論理ディスクに十分な空き容量があるかどうかは,領域使用率を基に評価します。

領域使用率は,PI_HLDIレコードのUsed %フィールドで確認できます。なお,このフィールドは,監視テンプレートに用意されているアラームで監視できます。監視例を次の図に示します。

図1‒63 物理サーバの論理ディスクの領域使用率監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

Host Disk Used

確認する監視テンプレートアラーム

Host Disk Usage

この例では,ディスク2の領域使用率が高くなっています。領域使用率が高い場合,物理ディスクを追加して論理ディスク領域を拡張することで対処できます。