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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Virtual Machine


1.4.6 ネットワークリソースの監視

ここでは,VMwareシステムのネットワークリソースを監視する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 概要

VMwareシステムでは,複数の仮想マシンで物理サーバ上のNICを共有します。各仮想マシンに割り当てられるNICを仮想NICと呼びます。仮想マシン上で稼働するOSは,仮想NICを通常のNICとして認識します。

仮想環境では,各仮想マシンが物理NICを同時に利用するため,各仮想マシンが利用できるネットワーク帯域が狭まります。このことから,各仮想マシンのネットワークデータ送受信速度が低下するおそれがあります。

ネットワークのパフォーマンスデータを監視することで,こうした仮想マシンの性能低下を把握できるため,対策を講じることができます。

ネットワークリソースを監視するレコードには,次の2つがあります。レコードの詳細については,「5. レコード」を参照してください。

  1. PI_HNIレコード

    物理NICのパフォーマンスデータを監視できます。

  2. PI_VNIレコード

    仮想NICのパフォーマンスデータを監視できます。

次の図に,それぞれのレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。

図1‒32 レコードとデータ収集範囲の対応

[図データ]

(2) 監視例

ここでは,仮想NIC1〜2および物理NIC1〜2のリソース監視を例に,ネットワークリソースに関連して発生する可能性のある問題と,その対処方法を説明します。次の図に,ここで取り上げる監視項目と対処の流れを示します。

図1‒33 監視項目と対処の流れ

[図データ]

(a) 仮想NICのデータ送受信速度を監視する例

仮想NICに掛かる負荷は,仮想NICのデータ送受信速度から評価できます。仮想NICのデータ送受信速度は,PI_VNIレコードのRateフィールドで確認できます。

仮想NICのデータ送受信速度の監視例を次の図に示します。

図1‒34 仮想NICのデータ送受信速度の監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

VM Network Data

この例では,仮想NIC2のデータ送受信速度を示す値が大きく,高い負荷が掛かっています。高い負荷が掛かっている仮想NICがある場合,より優先度が小さい仮想NICのシェイピング設定を変更することで対処できます。シェイピング設定の変更手順については,仮想環境ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

(b) 物理NICのデータ送受信速度を監視する例

物理NICに掛かる負荷は,物理NICのデータ送受信速度から評価できます。物理NICのデータ送受信速度は,PI_HNIレコードのRateフィールドで確認できます。

物理NICのデータ送受信速度の監視例を次の図に示します。

図1‒35 物理NICのデータ送受信速度の監視例

[図データ]

確認する監視テンプレートレポート

Host Network Data

この例では,物理NIC2のデータ送受信速度を示す値が大きく,高い負荷が掛かっています。高い負荷が掛かっている物理NICがある場合,物理NICの追加を検討してください。