3.1.1 Windows版のインストールの前に確認すること
PFM - RM for Platformをインストールする前に確認しておくことを説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 前提OS
PFM - RM for Platformが動作するOSを次に示します。
-
Windows Server 2012
-
Windows Server 2016
-
Windows Server 2019
(2) ネットワーク環境の設定
Performance ManagementでPFM - RM for Platformを動作させるには,IPアドレスやポート番号などのネットワーク環境を設定しておく必要があります。
(a) IPアドレスの設定
PFM - RM for Platformのホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定します。なお,IPアドレスを解決できない環境では,PFM - RM for Platformは起動できません。
PFM - RM for Platformのホストのように,Performance Managementシステムで使用するホストをPerformance Managementでは「監視ホスト」と呼びます。
監視ホスト名とIPアドレスの設定は,次の方法のどれかを実施してください。
-
jpchostsファイル(Performance Managementのホスト情報設定ファイル)
-
hostsファイル
-
DNS
監視ホスト名には,実ホスト名またはエイリアス名を使用します。
-
実ホスト名を使用する場合
Windows環境では,hostnameコマンドの実行結果で確認できるホスト名でIPアドレスを解決できるように設定をしてください。
なお,Performance Managementは,DNSには対応していますが,FQDNには対応していません。このため,IPアドレスの設定時はhostnameコマンドで確認できるホスト名からドメイン名を除いたものを使用してください。
-
エイリアス名を使用する場合
設定しているエイリアス名でIPアドレスを解決できるように環境設定をしてください。
監視ホスト名の設定の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
なお,監視対象ホストとのIPアドレス解決には,jpchostsファイルに設定したIPアドレスは使用されません。
- IPアドレス設定時の注意事項
-
-
複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。jpchostsファイルでIPアドレスを設定する詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
-
Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。このため,すべての監視ホストには固定のIPアドレスを設定してください。
-
(b) IPv6を使用する場合の設定
Performance Managementでは,ネットワーク構成がIPv4環境だけでなくIPv6環境にも対応しています。そのため,IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でも,Performance Managementを運用できます。
PFM - RM for Platformでは,PFM - ManagerとIPv6で通信できます。ただし,PFM - RM for PlatformおよびPFM - Managerが導入されているホストのOSが,WindowsまたはLinuxの場合に限ります。IPv4環境とIPv6環境での通信の適用範囲については,「付録M IPv4環境とIPv6環境での通信について」を参照してください。
IPv6で通信する場合,PFM - ManagerホストとPFM - RMホストのそれぞれでIPv6の利用設定を有効にする必要があります。また,PFM - RM for Platformをインストールする前に,PFM - RMホストでIPv6の利用設定を有効にする必要があります。この設定はjpcconf ipv6 enableコマンドで実行しますが,すでに有効になっている場合,この設定は必要ありません。IPv6の利用設定を確認するためには,jpcconf ipv6 displayコマンドを実行します。
jpcconf ipv6 enable,jpcconf ipv6 displayコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。また,jpcconf ipv6 enableコマンドを実行する条件やタイミングについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のIPv6環境が含まれる場合のネットワーク構成例について説明している章を参照してください。
なお,PFM - RM for Platformと監視対象ホストをIPv6で通信する場合,名前解決できる監視対象ホスト名を指定してください。
PFM - RM for Platformと監視対象との通信は,解決できるIPアドレスで通信します。また,PFM - RM for Platformと監視対象との通信では,IPv4とIPv6が共存した環境の場合,解決できるIPアドレスで通信に失敗したとき,別のIPアドレスで通信することはありません。
例えば,IPv4で接続に失敗した場合,IPv6でリトライすることはありません。また,IPv6で接続に失敗した場合に,IPv4でリトライすることもありません。事前に接続できることを確認してください。
(c) ポート番号の設定
Performance Managementで使用するプログラムの各サービスにポート番号を割り当てます。PFM - RM for Platformが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。
デフォルトで割り当てられている各サービスのポート番号を次の表に示します。なお,ここで示していないサービスについては,サービスを起動するたびに未使用のポート番号が自動で割り当てられます。
項番 |
対象機能 |
サービス名 |
パラメーター |
ポート 番号 |
説明 |
---|---|---|---|---|---|
1 |
サービス構成情報管理機能 |
Name Server |
jp1pcnsvr |
22285 |
PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されているポート番号です。 Performance Managementのすべてのホストで設定されています。 |
2 |
サービス状態管理機能 |
Status Server |
jp1pcstatsvr |
22350 |
PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されているポート番号です。 PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定されています。 |
3 |
監視コンソール通信機能 |
View Server |
jp1pcvsvr |
22286 |
PFM - ManagerのView Serverサービスで使用されているポート番号です。 PFM - Managerがインストールされているホストで設定されています。 |
4 |
Webサービス機能 |
Web Service |
− |
20358 |
PFM - Web ConsoleのWeb Serviceサービスで使用されているポート番号です。 |
5 |
Webコンテナ機能 |
Web Console |
− |
20359 20360 |
PFM - Web ConsoleのWeb Consoleサービスで使用されているポート番号です。 |
6 |
JP1/SLM連携機能 |
JP1/ITSLM |
− |
20905 |
JP1/SLMで設定されるポート番号です。 |
ファイアウォール環境でPerformance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号を固定する方法の詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(3) インストールに必要なOSユーザー権限
PFM - RM for Platformをインストールするときは,必ずAdministrators権限を持つアカウントで実行してください。
(4) 前提プログラム
PFM - RM for Platformをインストールする場合のプログラム構成について説明します。
プログラム構成には,大きく分けて次の2つの場合があります。システム環境に応じて,プログラム構成を検討してください。
(a) PFM - ManagerホストにPFM - RM for Platformをインストールする場合
PFM - Managerと同ホストにPFM - RM for Platformをインストールする場合のプログラム構成です。この場合のプログラム構成について次の図に示します。
(b) PFM - Managerホストとは異なるホストにPFM - RM for Platformをインストールする場合
PFM - Managerとは異なるホストにPFM - RM for Platformをインストールする場合のプログラム構成です。このプログラム構成の場合,PFM - RM for Platformと同ホストにPFM - Baseをインストールする必要があります。この場合のプログラム構成について次の図に示します。
(c) 監視対象ホストの前提OS
監視対象ホストで前提となるOSを次に示します。
-
Windows Server 2008 R2
-
Windows Server 2012
-
Windows Server 2016
-
Windows Server 2019
-
HP-UX
-
Solaris
-
AIX
-
Linux(Linux 8を含む)
なお,ヘルスチェック監視の場合,上記の前提OS以外のICMPプロトコル(pingでの通信)に対応しているホストやハードウェア機器も監視対象にできます。
(d) Performance Managementの前提プログラム
PFM - RM for Platformを導入する場合,Performance Managementの前提プログラムとして,PFM - RM for Platformと同ホストにPFM - ManagerまたはPFM - Baseが必要です。
PFM - Managerと同ホストにPFM - RM for Platformをインストールする場合,PFM - Baseは不要となります。また,PFM - Baseと同ホストに複数のPFM - RMをインストールする場合,必要なPFM - Baseは1つだけです。
このほか,PFM - RM for Platformを使って監視対象ホストの稼働監視を実施するために,PFM - Web Consoleが必要です。
(5) パフォーマンスデータを収集するのに必要な環境設定(PFM - RMホストがWindowsで監視対象ホストがWindowsの場合)
PFM - RM for Platformでは,監視対象ホストがWindowsの場合,監視対象ホストからパフォーマンスデータを収集するためにWMIを使用します。WMIの接続設定を実施していない場合,パフォーマンスデータは収集できません。このため,PFM - RMホストと監視対象ホストでWMIの設定が必要となります。
WMIの設定に必要な内容を次に示します。
(a) ユーザーアカウントの設定
WMIを使用するには,PFM - RMホストのローカルユーザーアカウントまたはドメインアカウント,および監視対象ホストのローカルユーザーアカウントが必要となります。
WMIの名前空間で接続設定しているアカウントを利用して情報を収集します。
-
PFM - RMホストのアカウント
アカウントを設定する場合は,「表3-9」のRMHost_User,RMHost_PasswordおよびRMHost_Domainの設定値に応じた値を設定してください。設定したアカウントは,インスタンスのセットアップ時に指定します。
なお,クラスタシステムでPFM - RM for Platformを運用する場合,PFM - RMホストのアカウントは,実行系と待機系で同一のユーザーとパスワードを設定して両方にログオンできるアカウントにしてください。
PFM - RMホスト自身を監視対象とする場合は,設定したアカウントもWMIの接続に影響します。アカウントの種類によって,収集できるレコードが異なります。アカウントの種類ごとのレコードの収集可否を,次の表に示します。
表3‒2 PFM - RMホストのアカウントの種類ごとのレコードの収集可否(監視対象ホストが自ホストでWindowsの場合) アカウントの種類
レコードの収集可否
プロセスの稼働・非稼働情報が格納されるレコード※1
プロセスの稼働・非稼働以外の情報が格納されるレコード※2
Administrator(Built-in Administrator)
○
○
Administratorsグループのメンバー(UACが有効)
×
×
Administratorsグループのメンバー(UACが無効)
○
○
Performance Log Usersグループのメンバー
×
○
Performance Monitor Usersグループのメンバー
×
○
-
監視対象ホストのアカウント
アカウントを設定する場合は,「表3-16」のUser,PasswordおよびDomainの設定値に応じた値を設定してください。設定したアカウントは,監視対象のセットアップ時に指定します。
なお,監視対象ホストのアカウントは,Administratorsグループ,Performance Log Usersグループ,またはPerformance Monitor Usersグループのどれかのメンバーとして設定されている必要があります。
Windowsのセキュリティの監査などの操作をする場合は,ほかに操作を実行できる権限が必要になります。
アカウントの種類によって,収集できるレコードが異なります。アカウントの種類ごとのレコードの収集可否を,次の表に示します。
表3‒3 アカウントの種類ごとのレコードの収集可否(監視対象ホストがWindowsの場合) アカウントの種類
レコードの収集可否
プロセスの稼働・非稼働情報が格納されるレコード※1
プロセスの稼働・非稼働以外の情報が格納されるレコード※2
ローカルアカウント
Administrator(Built-in Administrator)
○
○
Administratorsグループのメンバー(UACが有効,かつLocalAccountTokenFilterPolicyが設定されていない)
×
×
Administratorsグループのメンバー(監視対象ホストが自ホストでない,UACが有効,およびLocalAccountTokenFilterPolicyが設定されている)
○
○
Administratorsグループのメンバー(UACが無効)
○
○
Performance Log Usersグループのメンバー
×
○
Performance Monitor Usersグループのメンバー
×
○
ドメインアカウント
Administrator(Built-in Administrator)
○
○
Administratorsグループのメンバー(UACが有効)
○
○
Administratorsグループのメンバー(UACが無効)
○
○
Performance Log Usersグループのメンバー
×
○
Performance Monitor Usersグループのメンバー
×
○
(b) WMIサービスの設定
監視対象ホストのWMIサービスのスタートアップを「無効」以外に設定してください。「無効」に設定されているとパフォーマンスデータが収集できません。
(c) WMIに接続する設定
WMIに接続するための設定を,PFM - RMホストと監視対象ホストの両方で実施します。WMIの接続設定の詳細については,「3.1.5 WMIの接続設定方法(PFM - RMホストがWindowsで監視対象ホストがWindowsの場合)」を参照してください。
(d) UACを使用したWMIリモート接続の設定
Windowsの場合,UACの機能によって,管理者権限を持つローカルユーザー(OSのインストール後に作成されるAdministratorユーザーを除く)に対して権限が制限されます。詳細については,「3.1.5(4) UACを設定する」を参照してください。
そのため,監視対象サーバのWMIリモート接続を,管理者権限を持つローカルユーザーで実行すると,管理者権限ではなく,一般ユーザーの権限で接続されてしまい,アクセス拒否が発生しエラー終了することがあります。これを回避するためには,UACを有効にしている場合,次のどちらかの設定を実施してください。
-
認証に使用するユーザーにOSのインストール後に作成されるAdministratorユーザーを使用する。
-
次のコマンドを管理者権限で実行して,UACのリモート接続を許可するように,レジストリの値を更新する。
監視対象ホストが自ホストではない場合だけ設定できます。
reg add HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System /v LocalAccountTokenFilterPolicy /t REG_DWORD /d 1 /f
許可したUACのリモート接続を解除する場合は,次のコマンドを実行してください。
reg delete HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System /v LocalAccountTokenFilterPolicy /f
なお,UACを無効にしている場合は,認証に使用するユーザーにAdministratorsグループのメンバーを使用してください。また,次の手順でローカルセキュリティポリシーも設定する必要があります。
-
[コントロールパネル]−[管理ツール]−[ローカルセキュリティポリシー]を選択する。
-
[セキュリティの設定]−[ローカルポリシー]−[セキュリティオプション]を選択する。
-
「ユーザーアカウント制御:管理者承認モードですべての管理者を実行する」を無効にする。
(6) パフォーマンスデータを収集するのに必要な環境設定(PFM - RMホストがWindowsで監視対象ホストがUNIXの場合)
PFM - RM for Platformでは,監視対象ホストがUNIXの場合,監視対象ホストからパフォーマンスデータを収集するためにSSHクライアントおよびPerlを使用します。SSHクライアントおよびPerlを使用するためには,PFM - RMホストに次に示すソフトウェアがインストールされている必要があります。
-
SSHクライアント
次のどちらかのソフトウェアを使用できます。
-
PuTTY
-
OpenSSH(Windows Server 2019同梱)※
- 注※
-
Windows Server 2019に同梱およびデフォルトでインストールされるSSHクライアントです。
-
-
Perl
次のどちらかのソフトウェアを使用できます。
-
ActivePerl
-
Strawberry Perl
-
SSHの接続設定をしていない場合,パフォーマンスデータを収集できません。SSHの認証には,公開鍵認証方式を使用するため,公開鍵認証の設定を実施する必要があります。また,OSのコマンドを使用してパフォーマンスデータを収集するため,PFM - RMホストおよび監視対象ホストに,ソフトウェアおよびパッケージのインストールが必要なことがあります。
- PuTTYおよびPerl(ActivePerlまたはStrawberry Perl)のインストール時の注意事項
-
-
Administrators権限を持つアカウントでインストールを実行してください。
-
パス名にマルチバイト文字を含むフォルダにインストールしないでください。
-
(a) ユーザーアカウントの設定
SSHを使用するには,PFM - RMホストと監視対象ホストのアカウントが必要となります。
-
PFM - RMホストのアカウント
アカウントを設定する場合は,「表3-9」のRMHost_User,RMHost_PasswordおよびRMHost_Domainの設定値に応じた値を設定してください。設定したアカウントは,インスタンスのセットアップ時に指定します。
なお,クラスタシステムでPFM - RM for Platformを運用する場合,PFM - RMホストのアカウントは,実行系と待機系で同一のユーザーとパスワードを設定して両方にログオンできるアカウントにしてください。
-
監視対象ホストのアカウント
接続先の監視対象ホストがAIXの場合,root以外のユーザーで情報を収集するには,そのユーザーがadmグループとsystemグループの両方に所属している必要があります。所属していないと,一部の情報が収集できません。
このため,接続先の監視対象ホストで次のコマンドを実行して,ユーザーがadmグループとsystemグループの両方に所属していることを確認してください。
$ id uid=xxx(xxx) gid=x(xxx) groups=0(system),4(adm)
収集できない情報の詳細については,「7. レコード」を参照してください。なお,監視対象ホストがAIXでない場合,ユーザーの制限はありません。
(b) ソフトウェアおよびパッケージのインストール
■ PFM - RMホストで必要なソフトウェア
PFM - RMホストがWindowsで監視対象ホストがUNIXの場合に必要となるソフトウェアについては,リリースノートを参照してください。
■ 監視対象ホストで必要なパッケージ(SSH)
監視対象ホストで必要となるパッケージ(SSH)は,監視対象ホストのOSごとに異なります。詳細については,リリースノートを参照してください。
■ 監視対象ホストで必要なパッケージ(コマンド)
監視対象ホストで必要となるパッケージは,次の表に示すコマンドを実行して確認してください。
項番 |
OS名 |
実行するコマンドの形式 |
---|---|---|
1 |
HP-UX |
/usr/sbin/swlist -l file | grep {コマンド名} |
2 |
Solaris 10 |
/usr/sbin/pkgchk -l -p {コマンド名} |
3 |
Solaris 11以降 |
/usr/bin/pkg search -l -H -o pkg.name {コマンド名} |
4 |
AIX |
/usr/bin/lslpp - w {コマンド名} |
5 |
Linux |
/bin/rpm -q --whatprovides {コマンド名} |
確認するコマンドとパッケージについて説明します。
収集するレコードに必要な前提コマンドを次の表に示します。
項番 |
レコード名 |
コマンド名 |
|||
---|---|---|---|---|---|
HP-UX |
Solaris |
AIX |
Linux |
||
1 |
|
|
|
|
|
2 |
Logical Disk Overview(PI_LDSK) |
|
|
|
|
3 |
Network Interface Overview(PI_NET) |
|
|
|
|
4 |
Physical Disk Overview(PI_PDSK) |
|
|
|
|
5 |
Processor Overview(PI_CPU) |
|
|
|
|
6 |
System Status(PD) |
|
|
|
|
7 |
System Summary(PI) |
|
|
|
|
レコードを収集するために必要なパッケージについては,リリースノートを参照してください。
(c) SSH接続に関する設定
SSHに接続するための設定を,PFM - RMホストと監視対象ホストの両方で実施します。SSHの接続設定の詳細については,「3.1.6 Windows版のSSHの接続設定方法(PFM - RMホストがWindowsで監視対象ホストがUNIXの場合)」を参照してください。
(7) 稼働状態を監視するのに必要な環境設定(ヘルスチェック監視の場合)
ヘルスチェック監視の場合,ヘルスチェック機能で監視対象ホストの稼働状態が監視できる環境になっている必要があります。ヘルスチェック監視に必要な設定内容を次に示します。
(a) 接続先PFM - Managerの設定
接続先のPFM - Managerのヘルスチェック機能が有効になっている必要があります。
ヘルスチェック機能の設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のヘルスチェック機能の設定について説明している章を参照してください。
(b) PFM - RMホストの設定
PFM - RMホストで次の設定が有効になっている必要があります。
-
ステータス管理機能
ステータス管理機能の設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のステータス管理機能の設定について説明している章を参照してください。
-
監視対象ホストへのポーリング
PFM - RM for PlatformのRemote Monitor Collectorサービスの[Health Check for Target Hosts]プロパティに「Yes」を設定します。
(c) ヘルスチェック監視の設定
PFM - RM for Platformのリモートエージェントの[TargetType]プロパティに「icmp」を設定します。ヘルスチェック監視では,ICMPプロトコル(pingでの通信)に対応しているホストやハードウェア機器の稼働状態を監視できます。
ヘルスチェック監視の設定の詳細については,「3.1.4(3) 監視対象の設定」を参照してください。
(8) プロセス稼働の監視条件を4,096バイトにする場合の前提条件
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが09-50以降の場合,パフォーマンス監視時に使用する監視条件を4,096バイトまで設定できます。
PFM - BaseまたはPFM - ManagerをPFM - RMのホストに導入する場合は,バージョンが10-00以降のものを導入してください。
(9) 障害発生時の資料採取の準備
トラブルが発生した場合にメモリーダンプ,ユーザーモードプロセスダンプなどが必要になることがあります。トラブル発生時にこれらのダンプを採取する場合は,あらかじめメモリーダンプ,ユーザーモードプロセスダンプが出力されるように設定してください。
(a) メモリーダンプの出力設定
-
[コントロールパネル]から[システム]をダブルクリックする。
-
[詳細設定]ページの[起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。
-
[デバッグ情報の書き込み]で,[完全メモリダンプ]を選択し,出力先のファイルを指定する。
- 注意
-
メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズも大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細は,OS付属のドキュメントを参照してください。
(b) ユーザーモードプロセスダンプの出力設定
次のレジストリを設定することによって,アプリケーションプログラムの異常終了時,即座に調査資料のユーザーモードプロセスダンプを取得できます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\Windows Error Reporting\LocalDumps
このレジストリキーに,次のレジストリ値を設定します。
-
DumpFolder : REG_EXPAND_SZ <ダンプ出力先のフォルダ名>
(出力先フォルダには書き込み権限が必要です)
-
DumpCount : REG_DWORD <保存するダンプの数>
-
DumpType : REG_DWORD 2
- 注意
-
-
レジストリを設定することで,JP1だけでなくほかのアプリケーションプログラムでもユーザーモードプロセスダンプが出力されるようになります。ユーザーモードプロセスダンプの出力を設定する場合はこの点をご注意ください。
-
ユーザーモードプロセスダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。ユーザーモードプロセスダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域が確保されているダンプ出力先フォルダを設定してください。
-