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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Platform


2.2.5 プロセスおよびサービスの監視例

プロセスおよびサービスの稼働・非稼働を監視することで,運用システムが正しく動作しているかどうかを確認できます。

〈この項の構成〉

(1) プロセスおよびサービス監視の概要

システムは,個々のプロセスやサービスによって提供されています。このため,プロセスやサービスの稼働状況を把握することは,システムの安定運用に欠かせません。

システムの機能を提供するプロセスやサービスが異常終了した場合,運用システムが停止し重大な影響が発生します。このため,プロセスやサービスの生成,消滅,および起動状況を監視し,早急に異常を検知し対策を立てることが必要です。

PFM - RM for Platformでは,複数の監視対象ホストから,プロセスの稼働・非稼働情報を収集し,PFM - Web Consoleで監視できます。プロセスの稼働・非稼働情報の収集は,PFM - Web Consoleまたはコマンドで設定します。

なお,PFM - RM for Platformでは,情報収集のタイミングでプロセスを監視しています。このため,プロセスおよびサービスの稼働・非稼働を監視している場合でも,状態が変わったタイミングではなく,PFM - RM for Platformが情報を収集したタイミングで通知されることに注意してください。

また,WMIおよびSSHを使用した収集処理を,別プロセス(コア収集プロセス)とすることで,一定時間内にコア収集プロセスが終了しない場合は,収集が完了していない同一インスタンスの監視対象の性能情報は収集できません。タイムアウトが発生します。

プロセスおよびサービスの稼働・非稼働を監視するためのレコードとフィールドを次の表に示します。

表2‒13 プロセスおよびサービスの稼働・非稼働を監視するためのレコードとフィールド

項番

使用するレコード

使用する

フィールド

値の説明

値の見方

1

PD_APP2

Application Exist

監視対象に指定されたアプリケーションの状態です。

ABNORMALの場合,アプリケーション単位で監視しているプロセスおよびサービスのすべてが停止しているか,必要以上に起動していると考えられます。

2

Application Status

監視対象に指定されたアプリケーションの状態です。

ABNORMALの場合,アプリケーション単位で監視しているプロセスまたはサービスのうちのどれかが停止しているか,必要以上に起動していると考えられます。

3

PD_APS

Command Line

プログラムを実行するコマンドラインです。

レコードが収集されない場合,プロセスが停止していると考えられます。

4

Program Name

プログラムの名称です。

5

PD_ASVC

Display Name

サービスを識別するためにユーザーインターフェースプログラムによって使用される名称です。

アプリケーションサービス(プロセス)が起動中(Running)以外の場合,サービスが停止していると考えられます。

6

Service Name

サービスコントロールマネージャーデータベースで使用されているサービスの名称です。

7

State

データ収集時のサービスの状態です。

PFM - RM for Platformでプロセスの稼働・非稼働情報を収集する場合,次の方法があります。

それぞれの方法で使用するレコードを次の表に示します。

表2‒14 プロセスの稼働・非稼働情報の収集に使用するレコード(プロセス単位またはサービス単位で収集する場合)

項番

レコード

監視対象

格納される情報

収集方法

1

PD_APS

Windows環境またはUNIX環境のプロセス

監視対象ホストのプロセスについて,ある時点での状態を示すパフォーマンスデータが格納されます。

リアルタイム

2

PD_ASVC

Windows環境のサービス

監視対象ホストのサービス制御マネージャー(SCM)に登録されている,Win32プロセスなどのアプリケーションサービスについて,ある時点での状態を示すパフォーマンスデータが格納されます。

リアルタイム

表2‒15 プロセスの稼働・非稼働情報の収集に使用するレコード(アプリケーション単位で収集する場合)

項番

レコード

監視対象

格納される情報

収集方法

1

PD_APP2

  • Windows環境またはUNIX環境のプロセス

  • Windows環境のサービス

Application Process Overview(PD_APS)レコードおよびApplication Service Overview(PD_ASVC)レコードに格納されるレコードを,アプリケーション単位で,ある時点での状態で要約したパフォーマンスデータが格納されます。

  • リアルタイム

  • 履歴

2

PD_APPC

Application Process Overview(PD_APS)レコードおよびApplication Service Overview(PD_ASVC)レコードに格納されるレコードを,アプリケーション単位で監視しているプロセスおよびサービスごとに,ある時点での状態で要約したパフォーマンスデータが格納されます。

3

PD_APPD

Application Process Overview(PD_APS)レコードおよびApplication Service Overview(PD_ASVC)レコードに格納されるレコードを,アプリケーション単位で監視しているプロセスおよびサービスごとに,ある時点での状態で要約したパフォーマンスデータが格納されます。Application Process Count(PD_APPC)レコードより詳細なパフォーマンスデータが格納されます。

リアルタイム

プロセスの稼働・非稼働監視の設定で使用する「プロセス名」,「プログラム名」,「プログラムパス」,および「コマンドライン」の関係について,例を使って説明します。

監視対象ホストがWindowsの場合の例

[図データ]

監視対象ホストがUNIXの場合の例

[図データ]

(2) プロセスおよびサービスの監視に関する監視テンプレートの使用例

プロセスおよびサービスの監視に関する監視テンプレートとして,提供しているアラームとレポートの使用例について説明します。

PFM - RM for Platformでは,Process ExistenceアラームやApplication Statusレポートなどを提供しています。

(a) アラーム

プロセスおよびサービスの稼働・非稼働の監視に関するアラームについて次の表に示します。

表2‒16 プロセスおよびサービスの稼働・非稼働の監視に関するアラームの使用例

項番

アラーム

使用する

レコード

使用する

フィールド

異常

条件

警告

条件

値の見方

1

Application Status

PD_APP2

Application Exist

Application Name = * AND Application Exist = ABNORMAL AND Application Status = ABNORMAL

Application Name = * AND Application Exist = NORMAL AND Application Status = ABNORMAL

アプリケーション単位で監視しているプロセスまたはサービスのうちのどれかが停止しているか必要以上に起動している場合,警告または異常状態にあると判断します。

2

Application Name

3

Application Status

4

Process Existence

PD_APS

Program Name

Program Name <> jpcsto.exe※1

Program Name <> jpcsto.exe※1

レコードが収集されない場合,警告または異常状態にあると判断します。

5

Service Stop

PD_ASVC

Service Name

State

Service Name = JP1PCAGT_7S※2 AND State <> Running

Service Name = JP1PCAGT_7S※2 AND State <> Running

監視対象のサービスが起動していない場合,警告または異常状態にあると判断します。

6

Service Stop(dsp nm)

PD_ASVC

Display Name

State

Display Name = PFM - Remote Monitor for Platform※3 AND State <> Running

Display Name = PFM - Remote Monitor for Platform※3 AND State <> Running

監視対象のサービスが起動していない場合,警告または異常状態にあると判断します。

注※1

監視するプログラム名を設定してください。

注※2

監視するサービス名を設定してください。

注※3

監視するサービスの表示名を設定してください。

(b) レポート

プロセスおよびサービスの稼働・非稼働の監視に関するレポートについて次の表に示します。

表2‒17 プロセスおよびサービスの稼働・非稼働の監視に関するレポートの使用例

項番

レポート名

レポートの表示内容

1

Application Process Count

アプリケーション単位で監視しているプロセスまたはサービスの稼働状況を表示します。

2

Application Process Status

3

Application Status

アプリケーションの稼働状況を表示します。