PFM - Web Consoleで実行するコマンドに関する注意事項
ここでは,PFM - Web Consoleで実行する次のコマンドの前提条件,コマンド入力方式,およびコマンド出力方式について説明します。
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jpcrdef create
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jpcrdef delete
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jpcrdef output
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jpcasrec update
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jpcasrec output
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jpcaspsv update
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jpcaspsv output
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jpcrpt
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jpcmkkey
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jpcprocdef create
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jpcprocdef delete
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jpcprocdef list
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jpcprocdef output
コマンド実行の前提条件
コマンド実行の前提条件を次に示します。
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コマンドに指定するパラメーターファイルの作成
パラメーターファイルを引数として指定するコマンドを実行する場合,指定するパラメーターファイルを事前に作成する必要があります。
パラメーターファイルの記述方式は,「コマンドの入力方式」を参照してください。また,パラメーターファイルに指定するパラメーターについては,各コマンドの,パラメーターファイルの形式についての説明を参照してください。
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config.xml※ファイルに設定する<logging>,<vsa>タグの確認
config.xml※に<logging>,<vsa>タグが設定されているか確認してください。必須項目です。設定されていない場合は,config.xml※のファイル例を参考に記述してください。
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PFM - Managerの稼働状況の確認
コマンド実行時にPFM - Managerが稼働している必要があります。
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PFM - AgentまたはPFM - RMの稼働状況の確認
Storeデータベースに関するコマンドおよびレポート結果出力コマンドを実行する場合は,対応するPFM - AgentまたはPFM - RMが稼働している必要があります。
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コマンドの実行権限
コマンドを実行する場合,OSユーザーにAdministrators権限が必要となります。
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認証用のキーファイルの作成
コマンドを実行する前に,あらかじめPFM - Managerに対する認証用のキーファイルを作成する必要があります。認証用のキーファイルはjpcmkkeyコマンドで作成します。
- 注※
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config.xmlのファイル例については,「初期設定ファイル(config.xml)」を参照してください。
コマンドの入力方式
コマンドに指定するパラメーターファイルの記述方式を次に説明します。
パラメーターファイルの記述方式
コマンドの引数に指定するパラメーターファイルの記述方式を次に示します。
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パラメーターファイルはXML形式で作成します。
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パラメーターは,XMLバージョンとエンコーディングを指定した直後に,<pr-cli-parameters>タグで囲んで指定します。
指定するパラメーターは,各コマンドのパラメーターの形式を参照してください。
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「<」などXML形式の書式制御文字を値に含める場合,XML仕様が定める記法に従って記述する必要があります。
例えば,「<」の場合は「<」,「>」の場合は「>」と記述します。
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フィールドID,レコードID,date-range,report-intervalなど,コマンドのパラメーターファイル仕様で規定する固定のトークンから選択して指定する値は,仕様として明示的に制限されないかぎり,大文字だけ,または小文字だけであれば使用できます。パラメーターに指定する値の定義は,各コマンドの,パラメーターファイルの形式またはDTDファイルについての説明を参照してください。
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「TRUE」を指定できるパラメーターについては,「true」も指定できます。また,「FALSE」を指定できるパラメーターについては,「false」も指定できます。
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空白だけの要素値または属性値については,省略と見なします。また,要素値,属性値の前後に指定した半角空白は,無視します。
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印字文字以外の文字を要素または属性に指定するとエラーとなります。
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パラメーターファイルのDOCTYPE宣言は固定です。パラメーターファイルのDOCTYPE宣言には,パラメーターの記述を定義するDTDファイル名を必ず指定してください。DOCTYPE宣言の例を次に示します。
<!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "DTDファイル名">
コマンドがサポートするDTDファイルの一覧を次の表に示します。
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parent-folder属性に「/」を指定すると,ルートディレクトリを指定できます。ルート以下のディレクトリ「Directory1」を指定する場合は,「/Directory1」と指定します。同様に,「Directory1」以下のディレクトリを指定する場合は,「/Directory1/Directory2...」のようにディレクトリ名を「/」で連結したディレクトリパスを指定します。ルートディレクトリ「/」に「User Reports」または「System Reports」を指定するとエラーになります。
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「パラメーターファイルの形式」で指定する範囲外の値を指定した場合は,パラメーターファイルエラーとなります。
pr-cli-parametersの説明を次の表に示します。
種別 |
説明 |
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---|---|---|
意味 |
PFM - Web Consoleコマンド入力のルートタグ |
|
指定可能値 |
なし |
|
省略 |
不可 |
|
属性 |
ver |
DTDファイルのバージョン。コマンドのサポート範囲外の値ならば,パラメーターファイルエラーとなります。また,省略するとエラーになります。サポート範囲については,各DTDファイルを参照してください。 |
親要素 |
なし |
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子要素 |
report-definitions |
レポート定義情報のルートタグ |
agent-store-db-record-definition |
Storeデータベース記録方法変更定義情報のルートタグ |
|
agent-store-db-preserve-definition |
Storeデータベース保存条件変更定義情報のルートタグ |
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launch-report |
レポート出力定義情報のルートタグ |
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launch-registration-report |
登録レポート出力定義情報のルートタグ |
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launch-combination-bookmark |
複合ブックマーク出力定義情報のルートタグ |
|
application-definition |
アプリケーション定義情報のルートタグ |
パラメーターファイルの記述例を次に示します。太字で囲まれた部分にレポート定義を記述します。
パラメーターファイルの記述例
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "rdef_params.dtd"> <pr-cli-parameters ver="0110"> <report-definitions> <report-definition> ・・・・レポート定義・・・・</report-definition> <report-definition> ・・・・レポート定義・・・・</report-definition> </report-definitions> </pr-cli-parameters >
コマンドの出力方式
コマンド処理の詳細情報を標準出力,標準エラー出力,トレースログファイルに出力します。詳細情報の出力先を次の表に示します。
項目 |
出力先 |
---|---|
実行結果 |
標準出力 |
メッセージ |
標準エラー出力 |
トレースログ |
初期化ファイルで指定したログ出力ディレクトリ下に「コマンド名_処理種別_log#.log(#:ログファイル番号[1からログファイル生成数まで])」を出力します。レポート作成コマンドの場合「jpcrdef_create_log1.log」などとなります。 jpcrptコマンドの場合,初期化ファイルで指定したログ出力ディレクトリ下に「コマンド名_プロセスID_log#.log(#:ログファイル番号[1からログファイル生成数まで])」を出力します。プロセスIDが100の場合,「jpcrpt_100_log1.log」になります。 コマンドを実行するごとにログファイルの合計サイズを計算し,上限を超えると更新日付の古いファイルから削除されます。ただし,コマンド起動時刻から初期化ファイルの「logFileRetention」で指定された日数より前に更新されたファイルだけ削除されます。サイズの上限は,config.xmlの「logFileSize」と「logFileNumber」を掛けた数値になります。 jpcmkkeyコマンドの場合,初期化ファイルで指定したログ出力ディレクトリ下に「jpcmkkey_log#.log」(#:ログファイル番号[1からログファイル生成数まで])を出力します。 |
標準出力例
コマンド名,接続先PFM - Managerホスト名/IPアドレス,PFM - Manager接続時刻,PFM - Manager切断時刻をコマンド共通のタイトル行・終了行として付けます。
jpcrdef createコマンドで,3つのレポート定義を指定し,2つのレポート定義が作成され,1つのレポート定義がエラーとなった場合の標準出力を次に示します。
実行結果出力例
jpcrdef create connected to hostname at yyyy MM dd HH:MM:SS.mmm create result OK : レポート定義ディレクトリパス1/レポート定義名1 create result OK : レポート定義ディレクトリパス2/レポート定義名2 create result ERR : レポート定義ディレクトリパス3/レポート定義名3 エラー要因 jpcrdef create disconnected at yyyy MM dd HH:MM:SS.mmm
- (凡例)
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- yyyy MM dd:
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西暦年,月,日を示します。
ロケールに対応した形式で表示します。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- HH : MM : SS . mmm:
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時間:分:秒. ミリ秒を示します。
- レポート定義ディレクトリパス1〜3:
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report-definitionパラメーターのparent-folder属性で設定する,レポート定義を格納するディレクトリ名を示します。
- レポート定義名1〜3:
-
report-definitionパラメーターのname属性で設定するレポート定義の名称を示します。
ログ仕様については「6. Performance Managementで出力するログ情報」を参照してください。
ヘルプ参照オプション
コマンドに -hオプションを指定すると,コマンドのヘルプを参照できます。jpcrdefコマンドのヘルプを参照する場合は次のように入力します。
jpcrdef -h
jpcrdefコマンドの場合のヘルプを次に示します。
Usage: jpcrdef <subcmd> [ <option>... ] {<parameter file>|<parameter option>... } <subcmd> 必須。次の中から一つを指定します。 create レポート定義を作成します。 delete レポート定義を削除します。 output レポート定義を出力します。 <option> オプション情報を次の中から指定します。 -o <outputfile> <subcmd>が'output'の時に, 出力先ファイル名称を指定します。 <subcmd>が'output'の時に必須です。 -mx プログラムの最大ヒープサイズを, 1〜2048の数値で指定します(単位MB)。 例: '-mx 128'。 省略時は128MBです。 -ms プログラムの最小ヒープサイズを, 1〜2048の数値で指定します(単位MB)。 例: '-ms 32'。 省略時は32MBです。 -y <subcmd>が'delete'の時に指定できます。 指定すると削除確認メッセージに対して, すべて'y'で回答したことになります。 -dateformat <pattern> <subcmd>が'create','output'の時に 指定できます。 指定した<pattern>で,<expression>タグに 入出力する日付フォーマットを決定します。 指定できる<pattern>は, 'pattern-ddMMyyyy','pattern-MMddyyyy', 'pattern-yyyyMMdd'のどれかです。 -dateseparator <pattern> <subcmd>が'create','output'の時に 指定できます。 指定した<pattern>で,<expression>タグに 入出力する日付の区切り文字を決定します。 指定できる<pattern>は,'space','slash', 'hyphen','period'のどれかです。 <parameter file> <subcmd>が'create','delete','output'の時に パラメーターファイル名を指定します。 <subcmd>が'create','delete'の時は必須です。 <parameter option> <subcmd>が'output'の時に指定できます。 -parent <parent directory> 出力するレポート定義へのディレクトリパスを 指定します。 <parameter option>を指定する時に必須です。 -name <report name> 出力するレポート定義名を指定します。 省略した場合,<parent directory>で指定した ディレクトリに含まれる全てのレポート定義を 下位層を含めて1つのファイルに出力します。
コマンドの第1引数に -hオプションを指定すると,それ以降は無視して上記のヘルプを出力します。また,コマンドラインの書式不正の場合にも出力されます。
コマンドの同時実行
次のコマンド(jpcrptコマンド以外のコマンド)は,同じコマンド,またはほかのコマンドと同時に実行できません。
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jpcrdef create
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jpcrdef delete
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jpcrdef output
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jpcasrec update
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jpcasrec output
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jpcaspsv update
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jpcaspsv output
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jpcmkkey
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jpcprocdef create
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jpcprocdef delete
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jpcprocdef list
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jpcprocdef output
コマンド実行に必要なPerformance Managementのユーザー権限
GUIからレポート定義や収集項目を変更する場合,あらかじめPFM - Managerに対してログイン処理(認証)を実施しておく必要があります。コマンドを実行する場合も,同様に認証を実施します。この認証によって,コマンドの実行ユーザーがPerformance Managementシステム内で正当な実行権限を持っているのかを証明します。
コマンドでの認証は,実行時にユーザー名やパスワードを設定するのではなく,あらかじめ認証用のキーファイルを作成しておいて,コマンド実行時にそのキーファイルを読み込んで認証します。キーファイルはjpcmkkeyコマンドで作成します。1ホストに1キーファイルを作成し,キーファイル作成時に指定したユーザー名/パスワードを使用して,そのホストからのコマンドの実行を許可します。また,キーファイルはホストから実行されるコマンドで共有します。
コマンド実行に必要なPerformance Managementのユーザー権限を,次の表に示します。
コマンド |
必要なPerformance Managementのユーザー権限※ |
---|---|
jpcrdef create |
一般ユーザー権限または管理ユーザー権限 |
jpcrdef delete |
一般ユーザー権限または管理ユーザー権限 |
jpcrdef output |
一般ユーザー権限または管理ユーザー権限 |
jpcasrec update |
管理ユーザー権限 |
jpcasrec output |
管理ユーザー権限 |
jpcaspsv update |
管理ユーザー権限 |
jpcaspsv output |
管理ユーザー権限 |
jpcrpt |
一般ユーザー権限または管理ユーザー権限 |
jpcmkkey |
なし |
jpcprocdef create |
管理ユーザー権限 |
jpcprocdef delete |
管理ユーザー権限 |
jpcprocdef list |
管理ユーザー権限 |
jpcprocdef output |
管理ユーザー権限 |
- 注※
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Performance ManagementユーザーまたはJP1ユーザーが必要とする,Performance Managementに対する実行権限です。