jpcspm start
形式
jpcspm start -key サービスキー [-lhost 論理ホスト名] [-inst インスタンス名]
機能
jpcspm startコマンドは,ローカルホストのPerformance Managementプログラムのサービスを起動するコマンドです。リモートホストのPerformance Managementプログラムのサービスは,起動できません。
Performance Managementプログラムのサービスの状態を確認するには,jpctool service listコマンドを使用してください。jpcspm startコマンドを二重実行したり,jpcspm stopコマンドと同時に実行したりできません。
起動対象サービスにPFM - Managerが含まれ,コマンドを実行するPFM - Managerホストでヘルスチェック機能が有効になっている場合,PFM - Managerのサービスの一部としてヘルスチェックエージェントも起動します。なお,サービスキーにagt0は指定できません。
コマンドを実行できるホスト
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PFM - Manager
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PFM - Agent
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PFM - RM
実行権限
- Windowsの場合
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Administrators権限を持つユーザー(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
- UNIXの場合
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rootユーザー権限を持つユーザー
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
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インストール先フォルダ\tools\
- UNIXの場合
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/opt/jp1pc/tools/
引数
-key サービスキー
起動するサービスのサービスキー名を指定します。プロダクト名表示機能が有効な場合はプロダクト名でも指定できます。指定できるサービスキーを次に示します。
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all:すべてのPerformance Managementプログラムのサービスを起動します。PFM - Web Consoleとの起動・停止の連携設定をしている場合は,同時にPFM - Web Consoleのサービスも起動します。
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jp1pc:PFM - Web Consoleのサービスを除くすべてのPerformance Managementプログラムのサービスを起動します。
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Managerまたはmgr:PFM - Managerサービス(Action Handlerサービスを除く)を起動します。
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AHまたはact:Action Handlerサービスを起動します。
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StatSvrまたはstat:Status Serverサービスを起動します。
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WebConsoleまたはwc:PFM - Web Consoleのサービスを起動します。PFM - Web Consoleとの起動・停止の連携設定をしている場合に指定できます。
PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスのサービスキーについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,命名規則について説明している個所を参照してください。また,PFM - Web Consoleとの起動・停止の連携については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
-lhost 論理ホスト名
コマンドを実行するホスト環境を指定します。コマンドを実行するマシンに論理ホストが構成されている場合,この引数を使用します。1〜32バイトの半角英数字で指定します。空白文字は,指定できません。
指定を省略した場合,物理ホストが仮定されます。ワイルドカード文字は使用できません。
-inst インスタンス名
特定のインスタンスのサービスを起動する場合は,インスタンス名を指定します。このオプションは,インスタンス環境を持つPFM - AgentまたはPFM - RMのサービスにだけ有効となります。それ以外のサービスについては,このオプションは無視されます。1〜32バイトの半角英数字で指定します。
注意事項
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PFM - ManagerとPFM - Agent,またはPFM - ManagerとPFM - RMが,同一ホストにインストールされている場合,PFM - Agent,PFM - RM,またはAction Handlerサービスを起動するには,PFM - Managerを事前に起動しておく必要があります。PFM - ManagerとPFM - Agent,またはPFM - ManagerとPFM - RMが,別ホストにインストールされている場合は,PFM - Managerが起動されていなくても,PFM - Agent,PFM - RM,またはAction Handlerサービスはスタンドアロンモードで起動できます。ただし,スタンドアロンモードでは実行できる機能に制限があります。制限については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。06-70版のPFM - Agentは,スタンドアロンモード起動に対応していません。PFM - Managerと同一ホストにインストールされているかどうかに関係なく,PFM - Managerを事前に起動しておく必要があります。
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引数は,「形式」にある順番で指定してください。
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コマンドを実行して戻り値103が返された場合,Performance Managementプログラムのサービス起動処理の監視が,タイムアウトになったことを示します。しばらくしてからjpcspm startコマンドを再実行することで対処してください。頻繁にこの現象が発生する場合は,保守資料を採取したあと,システム管理者に連絡してください。保守資料の採取方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,トラブルへの対処方法について説明している章を参照してください。
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コマンドを実行して戻り値212が返された場合,Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースのインデックス作成に失敗したことを示します。対処方法として,ディスク容量に十分な空き容量があるかどうかを確認してください。ディスクの空き容量の目安については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」,各PFM - Agentマニュアル,または各PFM - RMマニュアルの付録で,システム見積もりについて説明している個所を参照してください。ディスク容量に問題がないことを確認したあと,再度jpcspm startコマンドを実行してもインデックス作成に失敗する場合は,保守資料を採取したあと,システム管理者に連絡してください。保守資料の採取方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,トラブルへの対処方法について説明している章を参照してください。
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コマンドの実行をCtrl+Cキーやシグナルで中断した場合,特定の戻り値が返りません。そのため,コマンドをCtrl+Cキーやシグナルで中断した場合は戻り値を無視してください。
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ステータス管理機能が有効で,指定したサービスキーのサービスがステータス管理機能をサポートしているバージョンの場合,Status Serverサービスが起動していなければ,最初にStatus Serverサービスが起動されます。ただしステータス管理機能が無効の場合,Status Serverサービスは起動されません。
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ステータス管理機能が無効の場合,サービスキーにstatを指定するとKAVE06023-Eメッセージが表示され,コマンドの実行が終了します。
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クラスタソフトや,サービスコントロールマネージャーからの起動・停止と,このコマンドを同時に実行しないでください。クラスタソフトや,サービスコントロールマネージャーからの起動・停止と,コマンドによる起動が競合し,起動・停止が正しく行えない場合があります。
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CentOS 7,Linux 7,Oracle Linux 7,またはSUSE Linux 12以降の環境でサービスの自動起動と自動停止の両方を有効に設定している場合は,systemctlコマンドでPerformance Managementプログラムのサービスを起動・停止してください。jpcspm startコマンドおよびjpcspm stopコマンドでPerformance Managementプログラムのサービスを起動・停止すると,サービスの自動停止ができなくなります。
systemctlコマンドによるサービスの起動・停止の実行例を次に示します。
サービス起動:systemctl start jp1_pc
サービス停止:systemctl stop jp1_pc
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PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスを起動する場合,PFM - Managerの各サービスが起動されていない状態でPFM - AgentまたはPFM - RMの各サービスを起動することもできますが,PFM - AgentまたはPFM - RMがスタンドアロンモードで起動し,Performance Managementで使用できる機能が制限されます。
PFM - Managerのサービスを停止する場合,PFM - AgentまたはPFM - RMの各サービスが起動されている状態でPFM - Managerの各サービスを停止することもできますが,PFM - Manager停止中はPerformance Managementで使用できる機能が制限されます。また,PFM - Manager再起動後も,PFM - AgentまたはPFM - RMの最新の状態を表示できない場合があります。この場合は次の手順で最新の状態を確認することができます。
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PFM - AgentまたはPFM - RMが停止している場合
PFM - AgentまたはPFM - RMを起動したあとで状態を確認してください。
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PFM - AgentまたはPFM - RMが起動している場合
PFM - Managerの再起動後,しばらく時間をおいてから,再度状態を確認してください。
PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスを起動する場合はPFM - Managerの各サービスを起動したあとにPFM - AgentまたはPFM - RMの各サービスを起動することを,PFM - Managerのサービスを停止する場合はPFM - AgentまたはPFM - RMの各サービスを停止したあとにPFM - Managerの各サービスを停止することをお勧めします。スタンドアロンモードについては,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,大規模システムでPFM - AgentまたはPFM - RMを起動する場合について説明している章を参照してください。
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jpcspm startコマンド実行時,hostsファイルにlocalhostの設定が記載されていない場合,次のメッセージを出力してView Serverサービスの起動に失敗することがあります。
KAVE05033-E サービスを起動することができませんでした (service=View Server, rc=-5)
この場合,hostsファイルにlocalhostの設定を記載した上で,jpcspm startコマンドを実行してください。
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AIX環境でHAモニタを使用したクラスタシステムで運用を行う場合,servers定義文のnameオペランドに指定するスクリプトでjpcspm startコマンドを実行する前に,次のコマンドを実行するように設定してください。
ulimit -s 32768
HAモニタの設定については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。
戻り値
0 |
正常終了した。 |
1 |
引数の指定に誤りがある。 |
2 |
コマンドの実行権限がない。 |
4 |
指定されたサービスはすでに起動している。または,Master StoreサービスもしくはAgent StoreおよびRemote Monitor Storeサービス,またはコマンドがStoreデータベースアクセス中にコマンドを実行した。 |
5 |
指定されたサービスがインストールされていない。 |
10 |
コマンドはほかのセッションで実行中である。 |
100 |
Performance Managementの環境が不正である。 |
101 |
PFM - Managerサービスが起動していない。 |
102 |
指定された論理ホスト名またはインスタンスは,セットアップされていない。 |
103 |
起動処理の監視がタイムアウトになった。 |
107 |
Windowsサービスコントロールマネージャーなどのほかのプロセスからサービス起動処理および停止処理が実行されている。 |
200 |
メモリーが不足している。 |
211 |
ファイルまたはディレクトリにアクセスできない。 |
212 |
インデックスの作成に失敗した。 |
255 |
予期しないエラーが発生した。 |
使用例1
すべてのPerformance Managementプログラムのサービスを起動する場合のコマンド実行例を次に示します。
jpcspm start -key all
使用例2
PFM - Agent for Oracleのうち,インスタンスoracleAのサービスだけ起動する場合のコマンド実行例を次に示します。
jpcspm start -key Oracle -inst oracleA