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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


16.2.3 ヘルスチェック機能を利用した運用例

〈この項の構成〉

(1) 監視レベルをサービス稼働状態監視にして運用する

システムを構成するすべてのPFM - AgentおよびPFM - RMがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしている場合,監視レベルをサービス稼働状態監視にして運用することで,ヘルスチェック機能を最大限に活用できます。システムを構成するすべてのPFM - AgentおよびPFM - RMがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしている場合の例を次の図に示します。

図16‒3 システムを構成するすべてのPFM - AgentおよびPFM - RMがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしている場合の例

[図データ]

監視レベルをサービス稼働状態監視にして運用する場合の手順を次に示します。

  1. ヘルスチェック機能を有効にする。

    PFM - Managerホストでjpcconf hc enableコマンドを実行します。

  2. ヘルスチェック機能を設定する。

    PFM - Managerを起動し,PFM - Web Consoleからヘルスチェックエージェントのプロパティを表示し,監視レベルを「Service」に設定します。必要に応じてほかのプロパティも設定します。

  3. ヘルスチェック機能による運用を開始する。

    PFM - Web Consoleのエージェント階層で,各エージェントのサービスの稼働状態を確認できます。また,[イベントモニター]画面,[イベント履歴]画面でヘルスチェック状態の変化を確認できます。エージェントを構成する各サービスの稼働状態がヘルスチェック結果としてエージェント状態に反映されます。また,さらに詳細な情報を知りたい場合,レポートとして詳細情報を確認できます。ヘルスチェック機能のレポートのひな形は,監視テンプレートとして用意されています。ヘルスチェック機能の監視テンプレートについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,監視テンプレートの概要について説明している個所を参照してください。

    なお,ヘルスチェック状態に異常があった場合,該当するエージェントを再起動するなどの対処をしてください。

(2) 監視レベルをホスト稼働状態監視にして運用する

システムを構成するPFM - AgentまたはPFM - RMに,サービス稼働状態監視の前提条件を満たしていないPFM - AgentまたはPFM - RMが含まれている場合,監視レベルをホスト稼働状態監視にして運用することで,ホストの死活監視ができます。監視レベルをサービス稼働状態監視で運用した場合,前提条件を満たしていないPFM - AgentまたはPFM - RMの稼働状態が正確に表示されません。また,通常に比べてポーリングに時間が掛かります。システムを構成する一部のPFM - AgentまたはPFM - RMがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしていない場合の例を次の図に示します。

図16‒4 システムを構成する一部のPFM - AgentまたはPFM - RMがサービス稼働状態監視の前提条件を満たしていない場合の例

[図データ]

監視レベルをホスト稼働状態監視にして運用する場合の手順を次に示します。

  1. ヘルスチェック機能を有効にする。

    PFM - Managerホストでjpcconf hc enableコマンドを実行します。

  2. ヘルスチェック機能を設定する。

    PFM - Managerを起動し,PFM - Web Consoleからヘルスチェックエージェントのプロパティを表示し,必要に応じてプロパティを設定します。

  3. ヘルスチェック機能による運用を開始する。

    PFM - Web Consoleのエージェント階層で,各エージェントが稼働するホストの稼働状態を確認できます。また,[イベントモニター]画面,[イベント履歴]画面でヘルスチェック状態の変化を確認できます。ホストの死活状態がヘルスチェック結果としてエージェント状態に反映されます。また,さらに詳細な情報を知りたい場合,レポートとして詳細情報を確認できます。ヘルスチェック機能のレポートのひな形は,監視テンプレートとして用意されています。ヘルスチェック機能の監視テンプレートについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,監視テンプレートの概要について説明している個所を参照してください。

    なお,ヘルスチェック状態に異常があった場合,該当するホストを再起動するなどの対処をしてください。

    すべてのPFM - AgentまたはPFM - RMがサービス稼働状態監視の前提条件を満たした段階でサービス稼働状態監視に切り替えられます。ホスト稼働状態監視からサービス稼働状態監視に切り替える場合の例を次の図に示します。

    図16‒5 ホスト稼働状態監視からサービス稼働状態監視に切り替える場合の例

    [図データ]

(3) JP1/IMと連携して稼働状態を監視する場合

JP1/IMと連携することで,JP1/IMの画面上でPerformance Managementの稼働状態に関する問題の発生を知ることができます。また,アラームに関連づけられたレポートを表示することで,Performance Managementの稼働状態の分析や,詳細情報を確認できます。

エージェントのヘルスチェック状態が変化したときに,ヘルスチェックイベントを発行します。ヘルスチェックイベントのJP1イベント発行機能を有効にすると,ヘルスチェックイベントが発行されたタイミングでJP1システムイベントを発行します。詳細については,「16.2.1 ヘルスチェック機能の設定」を参照してください。

また,ヘルスチェック状態の変化をJP1/IMに通知したい場合,アラームを利用できます。監視テンプレートでは,ヘルスチェック状態の変化を通知するためのアラームが,通知する情報の粒度に応じて3種類用意されているため,目的に応じて使い分けてください。JP1/IMと連携する場合,監視テンプレートのアラームをコピーして,アクションとしてJP1イベントを発行するように設定する必要があります。設定方法については,「12. 統合管理製品(JP1/IM)と連携した稼働監視」を参照してください。

(4) ファイアウォールまたはNAT環境で運用する場合

ファイアウォールまたはNAT環境でヘルスチェック機能を利用する場合,ヘルスチェックエージェントが,各PFM - AgentまたはPFM - RMが稼働するホストのStatus Serverサービスと通信できる必要があるため,ファイアウォールやNATを通過させるための設定が必要です。設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録の,ファイアウォールの通過方向について説明している個所を参照してください。

ヘルスチェックエージェントで使用するポート番号を次の表に示します。

表16‒15 ヘルスチェックエージェントで使用するポート番号

サービス名

パラメーター

ポート番号

用途

Agent Collector(ヘルスチェックエージェント)

jp1pcagt0

自動

アラームをバインドしたり,リアルタイムレポートを取得したりするときに使用する。

Agent Store(ヘルスチェックエージェント)

jp1pcsto0

自動

パフォーマンスデータを記録したり,履歴レポートを取得したりするときに使用する。

注※ サービスが再起動されるたびにシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。

また,PFM - RMホストから監視対象ホストへのポーリングには,ICMPプロトコルが使用されます。PFM - RMの監視対象ホストの稼働状態を確認したい場合は,PFM - RMホストから監視対象ホストに対してICMPプロトコルで通信できるようにファイアウォールを設定してください。詳細については,各PFM - RMマニュアルの付録を参照してください。

(5) クラスタシステムでヘルスチェック機能を利用する場合

非クラスタシステム運用時と同様にヘルスチェック機能を利用できます。ヘルスチェック機能の設定は,PFM - Managerがあるホストで実施する必要があります。

バージョン09-00以降のPFM - Managerの場合,新たに論理ホスト環境のPFM - Managerをセットアップすると,物理ホスト環境のヘルスチェック機能の設定が引き継がれます。必要に応じて,ヘルスチェック機能の設定を変更してください。クラスタシステム運用時のヘルスチェック機能の設定方法については,Windowsの場合は「10.2.2 PFM - Managerのインストールとセットアップ」を,UNIXの場合は「10.4.2 PFM - Managerのインストールとセットアップ」を参照してください。