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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


10.4.5 PFM - Managerのアンセットアップとアンインストール

〈この項の構成〉

(1) アンセットアップとアンインストールの前に

アンセットアップの順序に関する注意

PFM - AgentまたはPFM - RMを実行するには,PFM - Managerが必要です。このため,PFM - Managerをアンセットアップする場合には,システム内のPFM - AgentまたはPFM - RMとの関係を考慮してアンセットアップ時の作業順序を決める必要があります。アンセットアップが必要になる場合の作業手順については,非クラスタシステムと同じです。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

サービスの停止に関する注意

アンセットアップする実行系ノードおよび待機系ノードで動作している,Performance Managementのプログラムおよびサービスを,すべて停止してください。また,アンセットアップするPFM - Managerに接続しているPerformance Managementシステム全体で,PFM - AgentおよびPFM - RMのすべてのサービスを停止してください。サービスの停止方法については,「1. Performance Managementの起動と停止」を参照してください。

(2) アンセットアップとアンインストールとの流れ

図10‒24 論理ホスト運用するPFM - Managerのアンセットアップおよびアンインストールの流れ(UNIXの場合)

[図データ]

手順名の[図データ]は実行系ノードで行う項目を,[図データ]は待機系ノードで行う項目を示します。また,[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

(3) アンセットアップ手順

アンセットアップは,まず,実行系ノードでアンセットアップを実施します。次に,実行系ノードでアンセットアップした内容を環境定義ファイルにエクスポートします。最後に,その環境定義ファイルを待機系ノードにインポートすることで,実行系ノードから待機系ノードへアンセットアップの内容を反映させます。

(a) クラスタソフトからの停止[図データ] [図データ]

クラスタソフトからの操作で,実行系ノードと待機系ノードで起動しているすべてのPerformance Managementのプログラムおよびサービスを停止します。停止する方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。

(b) 共有ディスクのマウント[図データ]

共有ディスクがマウントされていることを確認します。共有ディスクがマウントされていない場合は,mountコマンドを実行してファイルシステムをマウントしてください。

注意

共有ディスクがアンマウントされていても,アンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにjp1pcディレクトリとそれ以下のファイルがある場合は,共有ディスクをマウントしないでセットアップしています。この場合は次の手順で対処してください。

  1. ローカルディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにあるjp1pcディレクトリをtarコマンドでアーカイブする。

  2. 共有ディスクをマウントする。

  3. 共有ディスク上にアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリがない場合は,環境ディレクトリを作成する。

  4. 共有ディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにtarファイルを展開する。

  5. 共有ディスクをアンマウントする。

  6. ローカルディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにあるjp1pcディレクトリ以下を削除する。

(c) ヘルスチェック機能の設定解除[図データ] [図データ]

実行系のPFM - Managerホスト上でヘルスチェック機能の設定を解除するコマンドを次のように実行します。

jpcconf hc disable

jpcconf hc disableコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

(d) 通信ポート番号の設定を解除する[図データ] [図データ]

この手順は,ファイアウォールを使用する環境で,セットアップ時にjpcconf port defineコマンドでポート番号を設定した場合だけに必要な手順です。

  1. 通信ポート番号の設定を解除する。

    jpcconf port defineコマンドを実行して,通信ポート番号の設定を解除します。

    例えば,論理ホストjp1-ha1上のサービスのポート番号の設定をすべて解除する場合,次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf port define -key all -lhost jp1-ha1

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf port defineコマンドは非対話形式でも実行できます。

    jpcconf port defineコマンドでは,論理ホストのPFM - Manager,およびそのほかのPerformance Managementが通信で使用するポート番号を設定します。ポート番号に,0を指定するとポート番号が解除されます。また,このコマンドを実行するとservicesファイルに定義されていたPerformance Managementのポート番号とサービス名(デフォルトではjp1pcで始まるサービス名)が削除されます。

    jpcconf port defineコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

(e) PFM - Managerの論理ホストをアンセットアップする[図データ]

  1. 論理ホスト設定を確認する。

    論理ホスト環境をアンセットアップする前に,現在の設定を確認します。論理ホスト名や共有ディスクのパスなどを確認してください。

    次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha list -key all

    コマンドの実行例を次に示します。

    [図データ]

    jpcconf ha listコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

  2. PFM - Managerの論理ホスト環境を削除する。

    jpcconf ha unsetupコマンドを実行すると,論理ホストのPFM - Managerを起動するための設定が削除されます。また,共有ディスク上の論理ホスト用のファイルが削除されます。次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha unsetup -key Manager -lhost jp1-ha1

    jpcconf ha unsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

    注意

    共有ディスクがオフラインになっている場合は,論理ホストの設定だけが削除されます。共有ディスク上のディレクトリやファイルは削除されません。

  3. 論理ホスト設定を確認する。

    次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha list -key all

    論理ホスト環境からPFM - Managerが削除されていることを確認してください。

    jpcconf ha listコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

(f) PFM - AgentまたはPFM - RMの論理ホストのアンセットアップ[図データ] [図データ]

PFM - Managerのほかに,同じ論理ホストからアンセットアップするPFM - AgentまたはPFM - RMがある場合だけ必要な手順です。

PFM - AgentまたはPFM - RMをアンセットアップしてください。アンセットアップ手順については,各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。

(g) 論理ホスト環境定義ファイルをエクスポートする[図データ]

実行系ノードでPFM - Managerをアンセットアップする論理ホスト環境が作成できたら,待機系ノードに実行系ノードの設定情報を反映します。まず,実行系ノードの論理ホスト環境定義をファイルにエクスポートします。

注意

同じ論理ホストから,ほかのPerformance Managementのプログラムをアンセットアップする場合は,アンセットアップが済んだあとにエクスポートしてください。

  1. 論理ホスト環境定義をエクスポートする。

    例えば,lhostexp.confファイルに論理ホスト環境定義をエクスポートする場合,次のようにコマンドを実行します。エクスポートファイル名は任意です。

    jpcconf ha export -f lhostexp.conf

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf ha exportコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf ha exportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

(h) 論理ホスト環境定義ファイルの待機系ノードへのコピー[図データ] [図データ]

(f)でエクスポートした論理ホスト環境定義ファイルを,待機系ノードに反映するために,実行系ノードから待機系ノードにコピーします。

次に,ファイルシステムをアンマウントして,作業を終了します。なお,その共有ディスクを続けて使用する場合は,ファイルシステムをアンマウントにする必要はありません。

(i) 論理ホスト環境定義ファイルをインポートする[図データ]

実行系ノードからコピーしたエクスポートファイルを,待機系ノードに反映させるためにインポートします。

実行系ノードで作成した論理ホストのPerformance Managementの設定を,待機系ノードに設定するには,jpcconf ha importコマンドを使用します。1つの論理ホストに複数のPerformance Managementがセットアップされている場合は,一括してインポートされます。

  1. 論理ホスト環境定義をインポートする。

    jpcconf ha importコマンドを実行して,実行系ノードから待機系ノードにコピーした論理ホスト環境定義のエクスポートファイルをインポートします。

    例えば,エクスポートファイル名がlhostexp.confの場合,次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha import -f lhostexp.conf

    コマンドを実行すると,待機系ノードの環境を,エクスポートした実行系ノードと同じ環境になるように設定変更します。これによって,論理ホストのPFM - Managerを起動するための設定が削除されます。ほかの論理ホストのPerformance Managementをアンセットアップしている場合は,それらの設定も削除されます。

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf ha importコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf ha importコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

  2. 論理ホスト環境の設定を確認する。

    実行系ノードと同じようにjpcconf ha listコマンドを実行して,論理ホスト設定を確認します。

    次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf ha list -key all

    jpcconf ha listコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。

(4) クラスタソフトからのPFM - Managerの登録解除[図データ] [図データ]

クラスタソフトから,論理ホストのPFM - Managerに関する設定を削除してください。設定を削除する方法は,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。

(5) PFM - Managerのアンインストール[図データ] [図データ]

アンインストールは,実行系ノードと待機系ノードで別に行います。アンインストール手順は,非クラスタシステムの場合と同じです。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。

注意
  • PFM - Managerをアンインストールする場合は,PFM - ManagerをアンインストールするノードのPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止してください。

  • 論理ホスト環境を削除しないでPerformance Managementをアンインストールした場合,環境ディレクトリが残ることがあります。その場合は,環境ディレクトリを削除してください。