Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


10.1.2 クラスタ構成の設計

Performance Managementは,クラスタシステムで稼働を監視できます。

〈この項の構成〉

(1) HAクラスタシステムでの構成の検討

Performance Managementのプログラムを,HAクラスタシステムの論理ホスト環境で運用することを「論理ホスト運用」といいます。

(a) PFM - Managerのクラスタ構成

PFM - Managerは,アクティブ・スタンバイ構成のクラスタシステムに対応し,論理ホストで運用できます。

PFM - Managerを実行している実行系ノードで障害が発生しても待機系ノードにフェールオーバーすることで,稼働監視を継続します。

PFM - Managerを論理ホスト運用する場合は,共有ディスクに定義情報やイベントデータを格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。なお,1つの論理ホストに複数のPerformance Managementがある場合は,各Performance Managementが同じ共有ディレクトリを使用します。

PFM - Managerを論理ホスト運用するときの構成を次に示します。

図10‒3 PFM - Managerのクラスタ構成

[図データ]

1つのノードで同時に実行できるPFM - Managerは,1つだけです。

(b) PFM - Web Consoleのクラスタ構成

PFM - Web Consoleは,アクティブ・スタンバイ構成のクラスタシステムに対応し,論理ホストで運用できます。

PFM - Web Consoleを実行している実行系ノードで障害が発生しても待機系ノードにフェールオーバーすることで,稼働監視を継続します。

PFM - Web Consoleを論理ホスト運用する場合は,共有ディスクにブックマークの定義を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。なお,1つの論理ホストに複数のPerformance Managementがある場合は,各Performance Managementが同じ共有ディレクトリを使用します。

PFM - Web Consoleを論理ホスト運用するときの構成を次に示します。

図10‒4 PFM - Web Consoleのクラスタ構成

[図データ]

1つのノードで同時に実行できるPFM - Web Consoleは,1つだけです。

(c) PFM - Baseのクラスタ構成

PFM - Baseは,アクティブ・アクティブ構成のクラスタシステムに対応しています。論理ホスト運用できるPFM - AgentまたはPFM - RMと同じホストにインストールしている場合,論理ホストで運用できます。

(d) PFM - Agentのクラスタ構成

PFM - Agentの対応するクラスタシステムは,PFM - Agentによって異なります。PFM - Agentの種類によっては,監視対象プログラムが論理ホスト環境で動作している場合に,論理ホスト運用できるPFM - Agentもあります。

PFM - Agentを論理ホスト運用する場合は,共有ディスクに定義情報やパフォーマンスデータを格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。なお,1つの論理ホストに複数のPerformance Managementがある場合は,各Performance Managementが同じ共有ディレクトリを使用します。

PFM - Agent for Oracleを論理ホスト運用して,クラスタ構成のOracleを監視する構成の例を次に示します。

図10‒5 PFM - Agentのクラスタ構成(PFM - Agent for Oracleの場合)

[図データ]

補足

PFM - Agentは,監視対象のアプリケーションに合わせた構成で運用します。そのため,PFM - Agentの種類によって,論理ホストで運用するものと物理ホストで運用するものがあります。例えば,PFM - Agent for Oracleは,クラスタ構成のOracleを監視するため,論理ホストで運用しますが,PFM - Agent for PlatformはOSのパフォーマンスを監視する製品のため,物理ホストで運用し,各ノードのOSを監視します。詳細については,各PFM - Agentマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。

(e) PFM - RMのクラスタ構成

PFM - RMの対応するクラスタシステムは,PFM - RMによって異なります。論理ホストで運用できるPFM - RMもあります。お使いのPFM - RMがクラスタシステムで運用できるかどうかについては,各PFM - RMマニュアルを参照してください。

PFM - RMを論理ホスト運用する場合は,共有ディスクに定義情報やパフォーマンスデータを格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。なお,1つの論理ホストに複数のPerformance Managementがある場合は,各Performance Managementが同じ共有ディレクトリを使用します。

PFM - RM for Platformを論理ホスト運用する構成の例を次に示します。

図10‒6 PFM - RMのクラスタ構成(PFM - RM for Platformの場合)

[図データ]

(2) 負荷分散クラスタシステムでの構成の検討

(a) PFM - Managerのクラスタ構成

PFM - Managerは,複数ノードで分散して処理することはできません。

PFM - Managerは,負荷分散クラスタシステムではなく,物理ホストまたはHAクラスタシステムで運用してください。

(b) PFM - Web Consoleのクラスタ構成

PFM - Web Consoleは,複数ノードで分散して実行できません。

PFM - Web Consoleは,負荷分散クラスタシステムではなく,物理ホストまたはHAクラスタシステムで運用してください。

(c) PFM - Baseのクラスタ構成

同じホストにインストールしているPFM - AgentまたはPFM - RMに準じます。

(d) PFM - Agentのクラスタ構成

PFM - Agent for Platformを,負荷分散クラスタシステムの各ノードで運用する例を説明します。

PFM - Agent for PlatformはOSのパフォーマンスを監視します。そのため,クラスタシステムであっても物理ホストで実行し,各物理ホストのOSを監視します。このため,通常の非クラスタシステムと同じように運用してください。クラスタシステムで運用する場合も,クラスタソフトには登録しません。

図10‒7 PFM - Agentのクラスタ構成(PFM - Agent for Platformの場合)

[図データ]

PFM - Agentのクラスタ構成の詳細については,PFM - Agentマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。

(e) PFM - RMのクラスタ構成

負荷分散クラスタシステムで運用できるかどうかは,PFM - RMによって異なります。詳細については,各PFM - RMマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。