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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


9.3.4 パフォーマンスデータの部分バックアップについて(Storeバージョン2.0の場合)

Storeバージョン2.0の場合に部分バックアップができます。部分バックアップは,Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスが起動しているときだけ実行できます。なお,部分バックアップでは,バックアップ先に過去のバックアップ先ディレクトリを指定することで差分を蓄積できます。

〈この項の構成〉

(1) バックアップされるデータの範囲について

バックアップでは,ローカルタイムでバックアップ開始から終了までの期間を指定します。バックアップ期間の設定はコマンド実行日からの相対で指定します。指定したバックアップ期間に含まれるファイルをコピーしてバックアップします

PD,PLデータベースおよびPIデータベースの分,時レコードは日ごとにファイルが分割されるため,指定した日付の単位DBがバックアップされます。一方,PIデータベースの日,週レコードでは週単位,月レコードは月単位,年レコードは年単位でそれぞれファイルが分割されるため,指定したレコード開始日から終了日に収まらないデータもバックアップデータに含まれます。

注※

Storeデータベースはグリニッジ標準時(GMT)で管理されているため,GMT環境以外では指定日に対して取得されるデータの範囲にずれが生じます。

(2) n日ごとに部分バックアップを取得する場合

StoreデータベースはGMTで管理されているため,ローカルタイムとのずれを考慮し,n+1日前から取得する必要があります。

(例)
jpctool db backup -id ZS1inst1[host1] -d d:\backup01 -partial (n+1),1

注※ d:\backup01はバックアップディレクトリを示します。

(3) 可能な限り最新のデータをバックアップする

最新のデータベースをバックアップしたい場合,次のようにコマンドを実行します。

(例)最新のデータベースをバックアップする
jpctool db backup -id ZS1inst1[host1] -d d:\backup01 -partial <startday>,<endday>

注※ d:\backup01はバックアップディレクトリを示します。

オプション-partial<startday>および<endday>に指定する値は,ローカルタイムの設定によって推奨する値が異なります。

ローカルタイムの設定として,GMT,GMT-9:00およびGMT+9:00の3通りを例にとり,3/17(木)にバックアップコマンドを実行し,前日3/16(水)0:00〜23:59のバックアップを取得したい場合に推奨する<startday>および<endday>の値,ならびに実際に取得されるバックアップ期間を次に示します。

表9‒35 オプション-partialの推奨値

ローカルタイムの設定

オプション-partialに指定する推奨値

実際に取得されるバックアップ期間(ローカルタイム)

<startday>

<endday>

GMT

1

1

3/16 0:00〜3/16 23:59

GMT-09:00

1

0

3/15 15:00〜コマンドを実行した時刻

GMT+09:00

2

0

3/15 9:00〜コマンドを実行した時刻

バックアップコマンドの実行時間によってはバックアップを取得しない場合があります。バックアップコマンドの実行時間帯を次に示します。

(a) ローカルタイムの設定がGMTの場合

実行するバックアップコマンド
jpctool backup ZSinst1[host1] -partial 1,1
図9‒2 バックアップコマンドの実行時間帯(ローカルタイムの設定がGMTの場合)

[図データ]

(b) ローカルタイムの設定がGMT-09:00の場合

実行するバックアップコマンド
jpctool backup ZSinst1[host1] -partial 1,0
図9‒3 バックアップコマンドの実行時間帯(ローカルタイムの設定がGMT-09:00の場合)

[図データ]

(c) ローカルタイムの設定がGMT+09:00の場合

実行するバックアップコマンド
jpctool backup ZSinst1[host1] -partial 2,0
図9‒4 バックアップコマンドの実行時間帯(ローカルタイムの設定がGMT+09:00の場合)

[図データ]

(4) 部分バックアップの格納先,および格納されるファイルのディレクトリ,ファイル構成

コマンドを実行すると,デフォルトではバックアップディレクトリに,次の名称でバックアップファイルが作成されます。

表9‒36 パフォーマンスデータの部分バックアップファイル

条件

バックアップ対象ファイル

非クラスタシステムで運用

PFM - AgentまたはPFM - RMホスト

Windowsの場合

インストール先フォルダ\xxxx※1\store\インスタンス名※2\partial\stデータベースID※3ディレクトリ以下

UNIXの場合

/opt/jp1pc/xxxx※1/store/インスタンス名※2/partial/stデータベースID※3ディレクトリ以下

クラスタシステムで運用

共有ディスク

Windowsの場合

環境ディレクトリ\jp1pc\ xxxx※1\store\インスタンス名※2\partial\stデータベースID※3ディレクトリ以下

UNIXの場合

環境ディレクトリ/jp1pc/ xxxx※1/store/インスタンス名※2/partial/stデータベースID※3ディレクトリ以下

注※1

xxxx」は,各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーを示します。各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,命名規則について説明している個所を参照してください。

注※2

PFM - AgentまたはPFM - RMがインスタンス環境の場合に作成されます。

注※3

データベースIDを次に示します。

PI:PIレコードタイプのレコードのデータベース

PD:PDレコードタイプのレコードのデータベース

PL:PLレコードタイプのレコードのデータベース

部分バックアップで格納されるファイルのディレクトリ,ファイル構成を次の表に示します。

表9‒37 部分バックアップのディレクトリ,ファイル構成

ディレクトリ/ファイル

レコードタイプ

形式

最小

最大

説明

PI

PD

PL

STXX

要約区分

×

×

n

1

6

PIレコードの場合の要約区分

1:分

2:時

3:日

4:週

5:月

6:年

YYYY

1900

2035

年(西暦)

月日

MMDD

0101

1231

月日

世代番号

nnn

001

002

世代番号

レコードタイプ.DB

レコードタイプごとのDBファイル

(凡例)

○:該当するディレクトリ/ファイルがある

×:該当するディレクトリ/ファイルがない

−:該当しない

XX:データベースID

PI:PIレコードタイプのレコードのデータベース

PD:PDレコードタイプのレコードのデータベース

PL:PLレコードタイプのレコードのデータベース